An "I " Novel from The City Of Angels

Diary 『バンコク在住日本人ギタリストの日記』

We cannot see eye to eye. But It is what it is. 

 

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今日は休日なのでだらだら書いている。大した内容ではない。

 

早朝に起きていろいろ聞いているうちに古い素晴らしいアルバムを拾った。多分すごく有名なアーティストなんだと思うけど失礼ながらよくわかっていない。でも良いものは良いということで今朝は音楽良し、天気も良し、空気も爽やかで素晴らしい朝…とはいえ、少し前から俺が住んでいるアパートの1室では日本のヤクザ3人が長くタイに住んでいる日本人を拷問してカードの暗証番号を聞き出して金を奪って最後は殺そうっていう馳星周の書く小説のな陰惨な企みがまさに実行されていて、先週金曜にタイ警察が踏み込んだ際には部屋に殺害後を見越した解体の道具まであったということでなんとも言えない気分のこの数日間である。

10代の頃に住んでいた超激安アパートの隣室のおじいちゃんが亡くなって数日間後に発見されたときもこんな気分になった。なんだろうな…迷信のようだけど負のエネルギーってのはやっぱりあって、この場所はあまり良くない場所なんだろうなと思う。無意識にまた俺は正と負の境い目に立っているのだなと呆れているのもある。混沌を愛するが故に昔からボーダーラインのような場所が好きだ。いわゆるややこしい地域に好んで住む癖がある。なのでたまに身の回りでこんなことが起きたりもするのだ。好奇心は災いの元ってやつである。そこそこで止めなくてはいけない。

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20代の真ん中くらいに世間知らずが故にいつの間にか踏み入れてはいけない領域に少しばかり踏み込んでしまって、大阪の難波あたりの使われていないビルの1室に友人とふたり2日間ほど軟禁されたことがある。なぜそんなことになったのかその時はよくわからなかったが、ただその時その部屋にいた皆さんは見たことがないくらいテンパって殺気立っていた。幸いまともな方がいて、関係ない俺を解放してくれたが、他グループと抗争中だったそのグループの皆さんは1ヶ月ほど後に壊滅状態になったということを新聞記事で知り、さすがの阿呆な俺も『良かった…危なかったんや…』と思ったもんだ。ドーピングして戦ってはったんやな…とテンパっていた理由は後でわかった。原因はその友人だったこともわかったが、その友人もどこかに消えてしまった。その後2度と会っていないし名前も忘れてしまった。

東京に住んでいた頃に新宿のライブハウスで出会った某有名ロックンロールバンドの取り巻きだという男と歌舞伎町、渋谷あたりで飲んで歩いていた時にも以前と同じヤバイ空気を感じたことがあって、それは一種の匂いみたいなものだ。脳みその一番奥から立ち昇ってくる。以前の失敗があったので危険信号を感じた瞬間に踏み込むのを止めてフェードアウトした。その友人ともその後二度と会わなかった。ミュージシャンでもあったけどライブハウスでも見かけなくなってしまった。その後も懲りずにフワフワといろいろなところに入っていっていろいろな人と出会って、最後に渋谷で人生で最大の失敗をひとつ犯したが、それは危険だとわかっていたけど状況的に仕方なかった…と長い間思っていたが、冷静に振り返ればその前に何度も分岐点はあった。ただただ馬鹿だっただけだ。今でもたまにだけどその時のことを夢に見て夜中に目が覚める。

とりあえず、俺はいつも様々な特殊な人種の皆さんと出会っては自分があらゆる面で大多数の人と同じ至極普通の人なのだと知るってのを繰り返してきたわけだけど、この所謂人種の違いみたいなものは肌の色の違いとか国の違いとかではなくて、極端に言えばシリアルキラーの気持ちがわからないのは根本的な習性が違うからでどこまで話を聞いても理解できない…という感じだ。

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バンコクでも最初の頃は結構ややこしいことを平気でしていた。意識が無くなるまで飲んで知らない場所で目覚めたり、ひとりでスラムに踏み入れてお金を取られたり、酒場でわけのわからないタイ人のおっさんと飲んで軽く恐喝されたけどそのまま飲み続けて最後はべろべろになったおっさんが涙ながらに語る『インポになったら女房が逃げたんだよ~』って話をエンドレスリピートで聞かされたり(笑)でも流石にもうそろそろいいかなってことで最近はそんなこともなかった。もう若くないのでそろそろ逃げる体力もないしええ加減にしようと思ったからだ。

そこへ来てこの事件である。このアパートも引っ越すべきかな…と思っている。結構気に入ってるんだけど、ある種の警告だと思ってもう少しましな地域に引っ越すべきなんだろう。潮時ってやつだ。今度はどこに住もうかな…。

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10代の頃ジョン・レノンが大好きだった。今でももちろん好きだ。でも今の俺は人間は理解し合えないと思っているので、残念ながら以前のように素直にはイマジンが聞けない。名曲をディスっているわけではない。いろいろな奴がいるのにひとつのビジョンで世界がまとまるなんて理想論はある意味傲慢だと感じているだけだ。その言い草は『工場作れば仕事ができて生活が豊かになるでしょ!』とかキレイごとを信じ込んで低賃金で現地の人を使って文化や自然を破壊して自分達の都合の良い集金システムに作り替えて世界を救っていると思っている連中と根本的に一緒だ。白人らしい理想の持ち方だなと感じてしまう。色々な種類の人間がそれぞれの理想をぶつけ合っても答えが出るはずもないわけで、何が正解なのかは俺にはまったくわからない。いつも考えはアナーキズムにたどり着いて『いやいやそれはもっとない』となって考えるのを止める。

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突然訪ねてきたファンと話をする映像のジョンは真剣だ。ドラッグでぶっ飛んだファンを相手に本当に真剣に話している。凄い人だ。その結果ジョン・レノンは殺されてしまうが、このゆるぎない信念と姿勢は本当に尊敬に値する。

個人的には、音楽は個人個人の気持ちを救える力を持っていると確信しているが、世界を救えるとは思わない。音楽はただ音楽だ。余計な思想や政治的メッセージは必要ない。