An "I " Novel from The City Of Angels

Diary 『バンコク在住日本人ギタリストの日記』

Parallel World

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本日はどうでもいい話。

最近の空き時間は少しでも英会話のスキルをマシにしようとYoutubeで映画やインタビューを見て(聞いて)いるが、以前見たエウレカセブンというアニメの未見の続編アニメの英語吹替版を見つけたので、この数日は曲作りの休憩時にそれをかけっぱなしにしている…がしかし、このアニメの内容がかなりややこしい。主人公がクォーツガンというデカい兵器をぶっ放す度に世界が改変されるという反則技的な設定があるもので、その度に誰かの存在が消えてしまったり敵味方まで変わったりして何が何だか分からなくなる。ある意味やりたい放題である。英語の聞き取りの勉強の為だしじっくり見ているわけでもないのでセリフさえ聞いてれば用は足りるんだけど、やはりストーリーは気になる。英語なので余計に理解できなくて同じ回がぐるぐる回ることになってぜんぜん進まない(笑)飛ばし飛ばしで一応最終回まで辿り着いたが、

最終的な感想は、わけがわからん である。

でも理解する気もない。ネット上にはアニメや漫画に限らず映画や小説、音楽等々の様々な作品の謎解き記事が溢れているけど、作った奴以外にわかるはずがない。なんやったら作った本人も解っていないかもしれない。ファンタジー作品にはパラレルワールドタイムパラドックスを描いた作品が多くあるが、俺の見ている世界が皆の見ている世界と同じかと言うとそうではないだろうし、生きている人間の数だけ世界はあるとすれば理解すしようと努力するのは無駄な時間だ。何かを感じたことで納得して現実世界に戻っていくのが良い。謎解きが楽しいのはわかるけど…意味なし。そのまま好きか嫌いか判断すれば良い。追いかけても結局迷宮入りで彷徨うだけだ。

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キングクリムゾンの曲は展開がたくさんあって面白い。憶えるの大変だろうな。

本日は以上。

 

 

詩の朗読とReading Poetry

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汚れっちまった悲しみに……

 
汚れっちまった悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れっちまった悲しみに
今日も風さえ吹きすぎる

汚れっちまった悲しみは
たとえば狐の革裘(かわごろも)
汚れっちまった悲しみは
小雪のかかってちぢこまる

汚れっちまった悲しみは
なにのぞむなくねがうなく
汚れっちまった悲しみは
倦怠(けだい)のうちに死を夢(ゆめ)む

汚れっちまった悲しみに
いたいたしくも怖気(おじけ)づき
汚れっちまった悲しみに
なすところもなく日は暮れる……

 

最近のBARでのチルアウトセットには個人的な趣味としてチャールズブ・コウスキやウィリアム・バロウズアレン・ギンズバーグ、ジム・モリソン等々のReading Poetryの音をスマートフォンで再生してギターのピックアップから取り込んでノイズとして使ったりしているが、偉大な詩人たちに申し訳ないが意味は関係なくて音とリズムが良ければ兎に角思い付きで放り込んでみるという感じだ。

せっかく日本人なのだから…と詩の朗読や独唱などをさがしてみるが、なんだか聞いていて気持ち悪い。日本語の特性なのか演者のせいなのかはわからないけど、一声聞いて『気持ち悪っっ!』と叫んで消してしまうような代物が多い。中途半端な作り声で妙な抑揚をつけて読まれると蕁麻疹が出そうだ。本人の朗読ならどうだろうと萩原朔太郎の肉声朗読があったので聞いてみたが、これは…音もリズムもぜんぜん気持ち良くない。そんなわけで母国語のネタ探しが一番難航中である。

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もう数カ月さがしているが未だ使えるものがない。冒頭に貼ってある映像は歌い手でもある町田康。歌い手だしいけるかな…と思ったが、えらい真面目に読んでいるので面白くない。もっとキレキレな町田康の朗読ってのはないものか…ってかそれは町田町蔵だな。でも外国人の前でやっているし日本語の詩を使ってみたいとは思うわけで地道に探すしかない。多分俺が母国語だってことで意味を追い過ぎているのも悪い。

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片やチャールズ・ブコウスキは冒頭からいきなり心を掴まれる。声もリズムもいいので意味なんてどうでもいい感じ(笑)

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流石のジム・モリソン。説明不要。

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バロウズ。これも説明不要。いい音。

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ジャック・ケルアック。結局ビート詩人ばっかりだな(笑)

 

 

Rainy day in the Bar

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昨夜はホームグラウンドの BAR 12×12でゆるやかに演奏していた。月一回やっているChill Pod のいつものメンツが忙しくて集まらなかったので、DJの山ちゃんと俺でリラックスして交互にプレイ。お客さんは降り出した雨が止むのを待っていたが、最近のバンコクは長雨続きでなかなか止まなくて、ダルな空気の中で酒を飲みつつミュージックボックスのような気分でアブストラクト/アンビエントセットを弾くってのは悪くない金曜の夜の過ごし方だった。最近引き籠りがちだし(笑)

最近の12×12はイベントの無い日はタイ人や周辺国のアジア系やファランが多くてあまり日本人はいない。タイ人の女性バーテンダーのTarがキャリアも長くてカクテル好きに人気があるので彼女が入ってから特にタイ人のお客さんが増えた。タイのカクテルは甘酸っぱい。料理の味と同じ味構成。カクテルだけでなく基本なんでも甘い。キューピーマヨネーズも甘い。なので日本人はわざわざ日本の味のキューピーマヨネーズをさがして買い求める。マーケットでサラダを買った時に何度かタイ風味のドレッシングに挑戦したが、やっぱり不味くて食えなかった。日本茶も甘い。初めて飲んだ時は予想していなかったので衝撃でビックリしたついでに腹を立てて投げ捨てた。諸々を踏まえてTarにカクテルを頼むときは『甘くないのを作って!』とオーダーするが…微妙。仕方ない。これが文化の違いってもんだ。

ちなみにタイ料理の味は【酸っぱい→甘い】と感じるのが正解で、【甘い→酸っぱい】の順番で酸っぱさを後に感じた場合、『この食材傷んでる?』と考えるそうだ。俺は下町のマーケットで飯を調達するので、一応この原始的な判別法は常に頭に置いている。

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待ち続けているが、なかなか機材のリペアが終わらないので少し焦り気味。ツアーもレコーディングもあるし、アイデアを詰めたいが機材が足りていないのでイメトレしかできない。昨夜も1台のルーパーでロングセットを演るのはパズルのようだった。スマホのインチキDJプレイで間をつなぎながらの綱渡り。チルアウトは行けるがショーケースはゆっくりやっていられないので機材が要る。早く直らないかな…待ち遠しい。

11月8日、9日、10日の3日間は12×12の4周年のパーティーが開催予定でギタリストのマロンくんとDJダイチくんのユニット Based On Kyoto が毎年この時期に行うアジアツアーでやってくる。今年は犬猿も来るらしい。京都のアバンギルドで2年前に共演したが、ふたりとも男っぽいぶっ飛んだ音を出す。ものすごくかっこいい。がっちり好みだ。

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俺は11月8日の木曜日に出演予定。9日からはAsia Loop Festival。まだ何日に出演するのかは知らないけど、その頃には雨も減って良い気候になっているだろうしイベントが多い週末になるだろう。

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今働いている会社は大きなビルの中にあるが、バンコクに来た最初の年に良くBARで一緒に飲んでいたRainというタイ女性とエレベーターで会う。昨日も会って挨拶した。彼女は若いころに子供を産んで離婚して、俺が出会った頃はお母さんに子供を預けてBarで学費を稼ぎながら大学で勉強していて、その頃は本当にいろいろ苦労していたが、今は同じビルのオフィスで働いてるようだ。6年も経てばもちろん少し老けているが、以前より幸せそうな笑顔をしていて健康そうだ。『うまくいって良かったなぁ。強いなぁ』と会う度に幸せな気分になる。ただ、彼女は数年前に大幅に整形したので俺の知っている顔と違うしバストサイズも見た目でわかるくらい違う…ほぼ別人。でも何にしろ幸せならそれで良いのだ。

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昨夜はいろいろなことを思い出しながらギターを弾いていた。弾き続けているといろいろな場面が自分の音と重なって記憶されているもので、不意に長い間忘れていた場面がフラッシュバックすることがある。そんな時は自分が弾いている音を別の自分が聞いているような奇妙な状態になっている。昨夜、長く同じ空間で時間を過ごしたお客さんは、帰り際に皆打ち合わせをしたかのように『I like your sound.Thank you.』と言って帰っていった。多分それぞれがいろいろな思いを巡らせながら雨の夜を過ごしたんだろう。今俺はループマシンを使った演奏をしているが、最終的には1つの音を爪弾くだけで情景を喚起できるような演奏をできるってのが理想だ。ただ、まだデカい音が出したいのでそれはもう少しジジイになってから考える。

本日は以上。良い週末を ♪

ツアーに関するなんだかんだ

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日々は往き僕たちは流される硝子の船に乗って…と昔書いた歌詞の一節が浮かぶ時がある。こんな風に夜中に目が醒めてひとりであれこれ考えを巡らせているともう20年程過ぎたんだなと改めて驚く。チェンマイも前回演奏してからいつの間にか1年経ってしまった。今回こそはゆっくりするぞ!と思っていたが、いつの間にか一日残してライブで埋まってしまったので、この残りの一日はオファーが無い限りはチェンマイの友人とセッションでもしようかな…と言う感じで自分からブッキングのオファーのメッセージを出すのは止めることにした。

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今回初めて訪れるチェンライはレコーディングとライブ。アメリカ人のスタジオミュージシャン/デザイナーのMattがオーガナイズしてくれているが、どうやら俺一人では集客が心配だったらしく(笑)バンコクでも即興プロジェクトで何度か共演しているタイのアーティスト Yui Cello もチェンライに召喚された。俺はチェンライではまったく知られていないのでありがたい。彼女は表現に対する集中力が凄まじい。演奏力だけでなくオリジナリティーも併せ持ったクラッシック系では稀有な奏者。人柄も素晴らしい。彼女のチェロは数百年前の楽器で存在感がある。毎回演奏の合間に置いてあるチェロを眺めるが、いつまで見ていてもぜんぜん飽きない。ふたりともソロもセッションも演れるのでお客さんも俺達も楽しめるイベントになるだろう。

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前々回のチェンマイのイベントにサイドユニットで出演していて一緒になった映像のバンド Rasmee isan soul のギタリストSatukan Tiya Tira と、今回タイミングが合えば一緒に演ろうと話している。彼は俺よりぜんぜん若いけど、ものすごく良い音を出すのでシンプルに尊敬している。初見から『おお!すげえ!いい音!!!』となって、いつものごとく機会があったらセッションしようと勝手に思いつつ時は経ち、今回メッセージを送ったら是非やろうっ!!て話になったが、前回会ってから彼等はガンガン人気が出てきてかなり忙しいはずなので、後は彼のスケジュール次第。実現すると嬉しい。ボーカルのRasmeeはタイ東北地方の民謡をベースに現代的なソウルをミックスしたスタイルの素晴らしい歌手。ビブラートが特徴的。

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面白い共演者と会うと、図々しいとは思いつつダメ元でオファーをしてみる。最初はこんなにイージーにアクセスしていいんだろうか…?と思っていたが、共演してお互いの演奏を見ているので、自己紹介がすっかり終わっているようなもので意外とスムーズに話は進む。こんな感じで流れのままに出会ってきたタイのミュージシャン達だけど、少しでも嫌な思いをしたことが無い。俺が幸運なのか、タイの国民性なのかわからないけど、演奏活動に関しては楽しいことしかない。感謝。

俺が儲かりもしない突貫ツアーやマニアックなミュージシャン達に不思議がられるような普通の人の集まる場所でも演奏を続けている理由はハッキリとしている。狭いサークルの中で演奏しているとすぐに閉じてしまう心を戒めて、無理矢理抉じ開ける為だ。音楽の持っているコミュニケーション力を阻害するのは悪い評価を恐れて境界線を作ってしまう自分の心だ。演奏しても何も伝わらない…というような場面に実際に立つのは正直しんどいが、結局はいつも新たな何かを得る楽しさの方が勝つ。人間も含めて世界にはまだまだ知らないことが多過ぎるので興味も尽きない。今年に入ってからは演奏内容を詰めてきたのでどんな場面に出会えるのかとワクワクしている。

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KOTA amatuti TAKI Solo Tour 
~ Free improvisation music in Chiang-rai / Chiang-mai ~

2018/10/17(Wed) 
Event at Gallery <Chiang-rai> 
Kota amatuti Taki
Yui Cello
Yui Cello FB Page >> https://www.facebook.com/YuiSaowakhon/

Youtube>>https://www.youtube.com/cha…/UCTdmuWK1NVRdXVcnhtGmKrA/videos

Confirmed ... More detail coming soon.

2018/10/18(Thu) 9 pm 
Solo at Minimal Bar <Chiang-mai> Confirmed
FB Page >> https://www.facebook.com/Minimalbar2007/

2018/10/19(Fri) …Now booking
Pls send message to me ♪

2018/10/20(Sat) 
Thapae East Venue for the Creative Arts <Chiang-mai>
HP >> https://thapaeeast.com/
FB >> https://www.facebook.com/pg/ThapaeEast/about/?ref=page_internal

Confirmed ... More detail coming soon.

2018/10/21(Sun)
Studio3 at SRIPRAKARD CHIANGMAI
【Soundscape for Sunday afternoon】

Confirmed ... More detail coming soon.

STUDIO3 HP >> http://studio3.c2ec.com/
Sriprakard Chiangmai FBhttps://www.facebook.com/pg/ศรีประกาศ-Sriprakard-Chiangmai-597232353720028/about/?ref=page_internal





Carrier Wave 2 Stylish Nonsense& Kota Amatuti Taki meets Arak Abakaz Open Reheasal 後記

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Arakさんの声はすげえぶっとい声だった。重なり合った倍音がめちゃ説得力があって、喋ってるだけでいいよな…と彼が最初に一声出した時に思っていた。Pok&Juneは毎度何も気にせずマイペースなので必然的に俺は狭間に立ってバランサーの役目をすることになる。やっぱり歌い手が歌おうとしているのを見ると何かフォローをしなくては…と思ってしまうのは本能的な衝動なので前半はかなり俺の脳内は混沌としていた。現れては消えていく曲の断片をつなぎとめるべきなのか捨ておくべきなのかと悩みに悩んだ。そうは見えなかったと思うが最近は腕のあるミュージシャンとの共演が多いもんで、結構自由になるまでにかなりの努力を要することが多い。楽しいんだけどね…。

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1stセッションが終わって休憩している時に4人が集まって次のセットについてなんだかんだ話している場面は打ち合わせのようでぜんぜん話が噛み合っていないところが結構面白かった。不思議な会話だったので映像に撮っておけばよかった。Pokは話を聞いている体で聞いていないし、Juneさんはほぼ聞いていないように見えた。いつもなんにも言わないのでわからん(笑)Arakさんはテンション高くアイデアを出していた。暖簾に腕押し状態ではあったが…。俺は相手はレジェンドだけど外人の利点を活用して『演奏気にしないで好きに歌ってよ。そうすりゃ俺たちはフォロー…しないかもしれないけどたまにするときもあるし(笑)とにかく何も気にしないでやってね』とこれまた曖昧な話をしていた。

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Arakさんは俺よりだいぶ年上だけどアーティストの常でピュアな人なので真剣に聞いてくれていたので俺も少しは歌いやすいようにやろうと思っていた。ところが、2ndセットの始まり方を打ち合わせしたのにも関わらず、頭っから全く違う入りをするっていういつも通りのスタイリッシュナンセンスのナチュラルボーンキラーなやり口に笑ってしまった。なんだか申し訳なくてしばらく俺もArakさんの方を見れなかったし。でも彼は子供のように新たな挑戦を楽しんでいた。アーティスト達はみんな子供みたいだ。とりあえず面白い夜だった。

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仕事の作曲の資料がボサノバばっかりで困っている。聞くのは大好きだけどやったことないし。まあなんとか消化するよう努力しましょう。

 

本日は以上。

2018年9月~10月のあれこれ

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KOTA amatuti TAKI Mini Tour 2018 

>> Free improvisation music in Chiang-rai / Chiang-mai 

2018/10/17(Wed) 

Gallery <Chiang-rai>   ... More detail coming soon.

2018/10/19(Fri) 

Solo at Live Bar <Chiang-mai> …Now booking. 

2018/10/20(Sat) 

Thapae East Venue for the Creative Arts <Chiang-mai>

HP >> https://thapaeeast.com/

FB >> https://www.facebook.com/pg/ThapaeEast/about/?ref=page_internal 

2018/10/21(Sun)

Studio3 at SRIPRAKARD CHIANGMAI <Chiang-mai>

STUDIO3 HP >> http://studio3.c2ec.com/

Sriprakard Chiangmai FB https://www.facebook.com/pg/%E0%B8%A8%E0%B8%A3%E0%B8%B5%E0%B8%9B%E0%B8%A3%E0%B8%B0%E0%B8%81%E0%B8%B2%E0%B8%A8-Sriprakard-Chiangmai-597232353720028/about/?ref=page_internal

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ここのところ体調がいまいち。3年前~2年前の時期に一度身体を壊しかけて落ち切ってしまった身体は少しずつ戻りつつあるが、悲しいかな同時進行で《老い》がキテるもんでバランスとしては一進一退。昼の仕事をしながら音楽のプロジェクトを同時に進めていくってのがこんなに大変だとは正直思っていなかった。曲作りの依頼を2件抱えただけで時間で既にあたふたしてるし…。要は若いころの気分でいたけど、若い自分と今の自分とには絶対的な生命力の差があるってのを思い知っているわけだが(笑)以前はシンプルに寝る時間を削って試行錯誤していた。今は完全に無理。寝ないと何も考えられない。嘆いても仕方ないのでこれも人生だと思って今の俺に合った創作スタイルをさがすしかない。一番の問題は想像力の部分。フルタイムのアーティストはすべての時間を割いて創作をしているが、今の俺は日々余計な情報をインプットしているもので濁っていく。己自身を先ずはニュートラルな状態に戻すという余計な時間が必要になるが、これがとても難しい。どうすればクリエイティビティ―を保てるかってのが現在の命題。

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今作っているのはバンコクの洒落たデパートの最上階にある日本のデザイナーが作った空間の為の90秒のイメージ映像に音を付けるって仕事と、チェンライ在住のアメリカ人デザイナー/スタジオミュージシャンの友人がオファーをくれた、レーザーウッドカービングを使って作ったカセットケースにアジアのアンダーグラウンドミュージシャンの作った作品をパッケージするってプロジェクトに使う20分ほどのサウンドスケープ。どちらも興味深いオファーで、俺の音を踏まえてのアーティストの依頼なのでやりがいがあるし、なんとか良いものを作らなくてはいけない。来月の《チェンライーチェンマイ》は後者のレコーディングの為に行くついでに組んだツアーで、チェンライは初めてだしチェンマイは1年ぶりってことでミュージシャンの友人達に会えるのも楽しみにしている。良い演奏を届けたいもんだ。

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壊れていたPCが戻って来たのを機に、FBに書いていた日々の諸々もブログに書くことに決めた。世間一般のブログのような紹介記事は書かないので、ほぼ個人的な音楽に関することと身の回りのあれこれしか書かない、まさに個人的な記録になっていくだろう。興味のある人だけ読んでくれたらそれで良い。年々通常の世界の興味の対象は狭くなっていって孤立が進んでいくがそれでいい。もうあれこれ見たところでやる時間もないので仕方ないし(笑)活動の中で出会う友人たちの活躍をSNS見ているだけで充分だ。

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2018/09/12(Wed)

Carrier Wave 2 SN Kota Amatuti Taki ArakAbakaz Open Reheasal

>> Free Improvisation with legendary singer songwriter of Thailand, Arak Abakaz

Special Guest ; Arak Abakaz

And 

Stylish Nonsense 

Kota amatuti Taki

最後に次の水曜日に開催のオープンリハーサル。タイのレジェンドシンガーソングライターArak AbakazとStylish Nonsenseとの実験的セッション。歌い手とのフリーフォームセッションはバランスがとても難しいのでほぼやらないが、このプロジェクトは興味深いので参加することにした。

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少し前にPok&Juneがタイのカラバオ世代の有名なギタリストの誕生日のパーティーに呼ばれて演奏をして、彼等から見たら祖父くらいの世代のアーティスト達に『君たちは宇宙人か?』と言われたという話を聞いて印象的だったので憶えていたんだけど、その時にArakさんに出会ったようだ。彼は成功して地位を得た今でも貪欲に新たな音を探し続けているが、以前にも書いたように若いタイのミュージシャンはリスペクトが強過ぎると自分を殺してしまってセッションにならない場合が多いので、彼等世代には理解不能宇宙人であるふたりに声がかかったらしい。そして、Pok曰く『KOTAは相手がレジェンドだろうと気にせずいつもどおり自由にやるだろ?』ってことで俺にも声がかかった。年齢を経ても安住せずに未知の世界に挑戦したいって彼のアーティストとしての心意気がかっこいいなぁと思ったし、混ぜるな危険!って感じの面白そうなセッションなので参加せずにはいられないだろう。何しろ、どうなるのか全く予想がつかない。

 

本日は以上。

久々の単なる日記

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写真はオーバーステイでのライブショット。今月末に10周年の大きなパーティーに出演する。山盛り出演者がクレジットされているが、間違いなくカオスな状況になるだろう(笑)完全に目をつけられている店なので警察の乱入だけが心配だ。

最近の暮らしぶりは早朝に仕事に行き夕方に帰宅、夕景を見ながらギターを弾き(雨季なので大概豪雨に雷って感じだが…)午後9時過ぎには寝て深夜2時過ぎに目覚める…というわけのわからないサイクルになっている。歌詞を書いていた頃は真夜中に歌詞を書くとファンタジーすぎて気持ち悪くて使えなかったので夜中の作業はアカンと思っていたが、右脳だけでイメージだけを追いかける分には静かな夜中の作業は悪くない。

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今週、バンコクに来て丸7年を迎えた。この国で演奏活動を始めてからはほぼ5年である。30年以上弾き続けて相変わらず売れていない俺のスタンスはほぼ変わらないし代り映えの無い5年間だが、若い連中の5年は激動だ。売れたやつ、止めたやつ、別の仕事で成功したやつ、相変わらずのやつ…。Woot Rootで5年間付き合いのあるインディーロック系のコミュニティーのライブパーティーにこの前出演したが、20代~30代に移行した連中は禿げたり腹が出たり子供ができて一気に老け込んだりで皆大変である。生活に追われて音楽にかけるエネルギーが一気に落ちるのはこの時期だ。大きな壁みたいなもんだ。そしてこの時期にたくさんのミュージシャンが夢を諦めて去っていく。同じような光景を何度も見ているので、パーティーの様子を俯瞰で眺めながら『あいつは残るな…あいつは消える』ってなことを冷静に考えていた。

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5年前はキレキレのベースを弾いていたフィリピン人の友人と久しぶりに会って挨拶を交わすと、

『KOTA、久しぶり!相変わらずたくさんライブやってるな。俺は子供ができて忙しすぎてなかなか演奏ができないんだよ…結婚なんてするもんじゃないよな(苦笑)』

と言うので、俺はいつものようにストレートにそのまま返事をする。

『子供ができたんだろ?写真見たぞ。素晴らしいことだよ。おめでとう!儲からない音楽より家族を持つ方が人生としては間違いなく正しいだろ。家族がいるのは羨ましいよ。俺は相変わらずひとりだし何も持ってない』

『子供はもちろん可愛いよ。でももっと音楽もやりたいんだけどね』

『やってるじゃん』

『でもKOTAと比べるとぜんぜんやってないし…』

『俺と比べるなよ。俺は変人だし(笑)』

彼は諦めたような呆れたような複雑な表情で俺の肩をポンポンと叩くと歩き去る。

よくある光景だ。

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この街ではスターになるか金持ちの子息か音楽好きの金持ちの首輪付き…みたいな状況でない限りはコピーやカバーをやらないとステージで稼ぐのがなかなか難しい。これはどこでも一緒だろうけど東南アジアは観光客相手の演奏が多いので特にその傾向が強い。少しずつ状況は変わりつつあるがミュージシャン達も端っから諦めムードなので良い音楽が生まれるわけもなく、出会った頃はオリジナルをやっていた連中も今ではすっかりカバーを中心のセット構成になっていたりする。今さら何も言わないが、内心は毎回ガッカリしている。特に、才能あるなぁと思っていた奴のステージがそんな方向に変わっているとすぐに見るのを止める。知ってるだけに後でキツいことを言ってしまいそうで嫌なのだ。皆それぞれの事情があるわけで悪いことなんて言いたくもない。少なくともみんなは俺よりはまっとうな人間なのでおこがましいし。あと、実際にその方がウケるし女の子にモテるので仕方ない(笑)バンドを始めるときの理由なんて単純で、モテたいって欲望が前面に出ている奴を見るとそれはそれでおもろいもんだ。

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間も無くバンコクの街も夜が明ける。今やっていることを完遂したら一度日本に帰るつもりだけど、もう俺の知っている街ではないんだろうな…とよく考える。ご先祖様には漂泊の人生をおくった人物がいるらしいが、俺もこのまま彷徨い続けるのかね…。

まあいいや。深く考えてもろくなことはない。