An "I " Novel from The City Of Angels

Diary 『バンコク在住日本人ギタリストの日記』

フアヒンの話

f:id:amatutitaki:20171220053158j:plain23日はフアヒンのVIRUS Dr.Doon Studioでライブ。この店というか空間の主であるDr.Doonは個性的な奴の多いタイでも一風変わった雰囲気の男で、ギターを弾くしイベントやパーティーでMC(ラップじゃなくてほんまに喋る方ね)もやるし番組なんぞもやっていて髭もじゃもじゃで洒落た恰好で喋りもうまいのでとても目立つが、特に主張が強い感じでもなくてすごく自然体な良い感じ。

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昨年の12月にフアヒンに初めてライブに行ったときに会って流れで次の日にいきなり遊びに行ってSeen Spaceの中庭で弾かせてもらって、すぐにノイズマーケットでも会ったくらいでそう長い時間一緒にいたわけでもないんだけど、とても印象に残っている。要するに、良い空気を身にまとっている感じなのだ。久しぶりに会えるので楽しみ。

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今回のライブはバンコクで出会った日本人の歌い手 eico ちゃんのお誘い。数年前にフアヒンに移住していて俺はそれを知らなかったが、昨年ライブに行ったらそのイベントに出てた。おお!?久しぶり!!って感じでだった。世間は狭いのだ。今回は急遽何曲か一緒にやる予定になったが、歌のバッキングはまたしばらくやってないしどうなることやら…まあ歌の邪魔せんように気を付けよう。

あと、昨年はフアヒンでアンドレという同い年の友人ができた。ライブが終わった後で一晩うだうだ飲んだ。音楽が好きで設計の仕事をしているという彼は、次の日にちょうど用事でバンコクに行くからと真夜中にフアヒンに部屋を手配してくれて翌日俺を車で送ってくれた。話が通じているようないないような状態なのに一緒にいられるってのは気が合うんだろうということでこれも印象的な出来事だった。彼も洒落者だ。いい感じで帽子を着こなしていた。最近思うけどみんなお洒落なんだよな…俺はステージ以外はどうでもよいのですぐに冴えない感じになるので気を付けているが、やはり年々地味になっていく。おっさんこそ気合入れとかんと日々容姿は衰えるしねぇ…。

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今回も1泊2日の短い滞在だけど、最近の自分の調子は悪くないし、久しぶりの友人に会える嬉しさもあるし、ロケーションも抜群だし気候も良い。新たなミュージシャンの友人Garyとのファーストセッションの予定もあるし、慌ただしいながらも気分よく弾けるだろう。昨年は行き当たりばったりだったけど今回は部屋もチケットも手配済みで既に無問題。朝からバスでフアヒン行ってゲストハウスにチェックインして現場入ってソロ1時間弾いてセッション2発やって酒飲んでゲストハウスに帰って寝て起きてセッションRECやって夕方からバスでバンコクに帰って来るだけである…って現地滞在時間24時間でこれはけっこう予定きっついな(笑)とりあえずいろいろ楽しもう。

 

最後に、ライ・クーダーについて語るDr.Doonとアーティストのローレイさん。

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蟋蟀

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たまには週末ゆっくりすごして…とか結局暇なだけだった。ハイシーズンだからイベントだらけで友達のライブ映像とか見てるとストレスたまるし(笑)楽器弾きは童話のキリギリスのようにろくでなしで四六時中鳴いている生き物なのだ。

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なので結局部屋で弾いてるし…もっと普段弾ける小さなステージを見つけよう。

続・最近いろいろ聞かれて面倒なので、タイに来て演奏したいという皆さんにストレートに私見を書いてみる

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昨夜部屋に戻る時にアパートの大家さんとエレベーターで一緒になって少し話した。

『Hi。ダイエットの具合はどう?』

蕎麦屋の前の狸のようなお腹をしている彼は今ダイエット中である。すると、明治のロウファット牛乳を俺に見せながら

『これいいんだよ。ご飯ばかり食べてると痩せないからね~これ最高。でもまだこんなお腹だ。プンプイ ナ(とお腹をポンポン叩く)』

ちなみにプンプイとはポッコリ出たお腹を意味するタイ語だ。可愛い言葉だよな。

エレベーターが8階について『おやすみ』とあいさつして別れた後に、ここ数日の間に会ったいろいろな人を思い出してみると、みんな良い笑顔を向けてくれたことに気付いた。単純に仕事の仲間にも良く話しかけられたし音楽仲間にも街で良く出会った。悪い流れから脱しつつあるのだな…と思いつつ、単純に俺の醸し出している空気の問題だろうなとも思う。この1年は基本不愛想モードに入っていたし、終始ひとりでいる感じだったので『話しかけるな』という空気を出していたんだろう。そりゃ流れも悪くなる。

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タイのTRIP HOPユニット RAMINTRA のMV。彼等とは昨年くらいからイベント界隈でよく会う。90年代からTRIP HOPの気怠い女性ボーカルものは個人的に好きだ。タイではあまり見たことなかったタイプなので気になる。

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続・最近いろいろ聞かれて面倒なので、タイに来て演奏したいという皆さんにストレートに私見を書いてみる

最近またいろいろ聞かれたりブッキング関係の話をすることが多いので約1年経って最近の私見を書いてみる。前回の記事は下記リンク。

最近いろいろ聞かれて面倒なので、タイに来て演奏したいという皆さんにストレートに私見を書いてみる - An "I " Novel from The City Of Angels

今年何度も感じた事だけど、バンコクのインディーシーンに資本が投入されて体制が整っていっている感がある…上の記事の Fangjai ってサイトもそうだけど、新世代のバンドやアーティストが続々台頭してきていて、若い経営者達がそれを後押ししてこの国に新たな流れを作ろうとしているように見える。もちろん以前からの流れなんだろうけど、日々大きくなっていっている感じがしている。中国に関しても同様の流れを良く耳にするが、トップがやると決めたら資金も潤沢なのであっと言う間に話が進むのが共通の特徴で、とにかくイケイケで話が早い。同じような世代の各分野のトップが話し合って、やるぞ!となったら即システム構築、見切り発車!っとなるわけで、会議ですり合わせに時間がかかってうだうだ…とかが無い。立派なおっさんである俺が言うのもなんだけど、要は保身に必死になりがちな目上のおっさん達のご機嫌をうかがう必要が無い。素晴らしきかな。そんなわけで、音楽だけではなくて様々な分野で動きがあるのを日々実感している今日この頃である。しばらく軍政の続いていたタイで来年久しぶりに選挙があるが、それを機にタイはさらに活性化するだろう。それが良い方向なのか悪い方向に向かうのかは予想できないが…個人的には良くなると信じている。

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あと、昨今は作品の制作も早い。旧世代の俺としてはすべてが分業で進む感じが抜けなくて『ミュージシャンは音楽だけつくりゃいいだろ…』ってな感じでどうしても大仰に考えてうだうだするが、これはダメな見本だ。若いバンドはすべてPCでやっちまうのでなんでもスピーディー。皆音楽系の学校を出ているので演奏はできるしとにかく録音してパッケージして出しちまえ。ついでにグッズも作ってMVも作って宣伝して…って定番の流れをすべて仲間内でまかなってさっさと作ってしまう。そして当初から自国だけではなく周辺国での活動まで視野に入っているので自国の言葉の歌だけでなく英語の歌も当たり前に収録されている。何よりも、自分の力で好きなことをやっているのでイケイケで楽しそうで輝いていて良い感じ。見ているお客さんも幸せになる。

ついでにもうひとつ Cat Expo という大きなインディーイベントをやっている CAT RADIO のページを貼っておく。いろいろなタイのバンドの曲が聞ける。youtubeに上がっている映像を見てみるとスターもアイドルもインディーアーティストも世代からなにからごちゃまぜなで整理されていないのがなんともタイらしくて良い。

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俺は基本的にはこれからも地下を這いずりまわっている感じの活動だろうけど、これからタイ、アジア諸国、世界で活動をしようって目標を持った日本のインディーアーティストは、先ず活動の基盤として小さくても良いので会社(レーベル)を設立するか事務所と契約するべきだ。そうしないと音楽の仕事の話がしてもらえない。音楽を聞いてもらう前にあっさり門前払いをくらう。出演交渉どころではない。あと、当たり前すぎて書くのも面倒だけど、良い音が出せないと話にならない。ライブシーンで活躍しているタイのバンドの演奏のレベルはとても高い。映像等しっかり見て判断しましょう。

奴隷に奴隷だと気づかせないための似非平等思想がまかり通っている日本にいるとわかりにくいが、基本この世界は厳然たる階級社会である。タイにおいては身形は待遇に確実に影響する。なので何をするにも最低限の形は必要。バンコクにおいてはだらしない奴、不潔な奴、貧乏くさい奴には良い仕事は来ないのである(笑)なのでうだうだ言わずにそこは嫌でもやるしかない。

自分たちのスタイルがしっかり表現された資料や音源も必要だ。そして状況を作ったら即コンタクト開始だ。これから野外フェスも増えてくるだろうし、間違いなくシーンは活性化するのでとにかくガンガン挑戦だ。フェスのシーズンは乾季の11月~2月くらい。3月、4月は死ぬほど暑いのでお勧めしない。まだアーティストが充分には足りていないのでオーガナイザーは常に新しいネタをさがしているので思っているよりも簡単に大きなステージに出る機会を得られるだろう。現地在住の日本人に相談するのは決して悪くはないが、どうしても話が小さくなる。最初からタイの連中と直接交渉して自分達で正面突破する方が話が早いしステージもでかい。あとはライブで結果を出せば次の展開が見える。結果が出なかったら仕上げ直して再チャレンジ。めちゃシンプル。ただ、急がなくてはいけない。今後どんどん入り口は狭くなる。他の国のアーティストも狙っているからだ。

国境を越えて音楽活動を展開したい連中は急げ!

今すぐ飛び込め!!やれるぞ!!

あ、もう1箇所忘れてた。

BANGKOK UNDERGROUNDシーンにおいて異彩を放っている箱を忘れてはいけない。

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The Overstay – Bangkok Artspace, Venue & Room Rental

 

The Overstayは非メジャー臭の漂うあらゆるジャンルのインターナショナルなバンドやアーティストが出演しているLIVE BARでありゲストハウスでもある魔境だ(笑)特にパンクバンドにはお薦め。イスラエル人オーナーのYuvalを中心に現在はこの箱の他にチャオプラヤ川に浮かぶ大きなパーティー船を作っている最中という面白すぎる連中だ。

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ビル一棟使ってさんざん好き放題遊びたおした挙句、昨年末に警察に思いっ切り手入れくらってめちゃ叩かれたのに1年後には船作ってるって…ほんまに心臓が強い。尊敬するわ。見た目はいかついけどフレンドリーな連中でアクセスフリーなのでとりあえずバンコクに来たら泊まってみるってのも面白いかも。

…ということで、今回は以上。周期的に俺の頭の中でずっと鳴っているブルーハーブの名曲を最後に貼っておく。皆様良い週末を。今日は昼から来週のフアヒンのイベントに行く為の長距離バスのチケットを買いに空港へ。地味で孤独なライブ活動はまだまだ続くのである。タイミングが合ったらどこかでお会いしましょう ♪

 

↓↓↓アジアのブッキングの手掛かりになるFBコミュニティー

The OverStay worldwide Connection
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Musicians Looking for Work in Asia and Middle East

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DIY Booking Asia

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幸運な男

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昨日、POOKのことをブログに書いて数十分後にPOOKからメッセージ。

『KOTA!セッションしよう。今レコーディングの為に1ヶ月だけタイに帰って来てるんだ。Tommyの部屋に泊まってるからセッションして録ろう』

『いつがいいの?今日か週末なら行けるよ』

『今日!今から!』

『おお!?マジか!…OK!タイミングいいし行くわ』

てな感じで即決して部屋の掃除を終えてから機材を携えてOn Nutの奥にあるBrown Stone Studio/Ageha Cafeへ。

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Soi On Nut のスカイトレイン付近は日本人も多いエリアなんだけど、ソイの奥の方は完全にローカルエリア。アクセスが悪くていつも渋滞している界隈なんだけど、最近はなぜかミュージックショップができたり新しい小奇麗なインターネットカフェができたりしていて微妙に賑わいつつある。一軒家を改造した施設で1階にカフェバーとスタジオとGallery スペース、2階には部屋がふたつがあって、TommyとJoeはここに住んでいる。庭にも席があって、今の季節は気持ち良い風が吹いていてゆっくり飲めるし、ノイズミュージシャンでもある店主の選ぶマニアックな音楽が結構な音で流れている。

前回JAMで共演したときはコーヒーミルで轟音のノイズを奏でつつコーヒーを淹れて最後にみんなでまわし飲みっていうパフォーマンスをしていてだいぶおもろかった。彼は少し変わった雰囲気のアンビエント系のイベントをオーガナイズしているので是非呼んでくれと頼んでおいた。来年出演予定。

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店の隣にはライブハウスもあってそこに続く路地の入り口にミュージックショップがあるのでアクセスの悪さ以外はミュージシャンが住むにはパーフェクトな雰囲気のスポットだ。昨日も庭で犬やら子猫が駆け回っててタイの若いミュージシャンや近所の子達がパソコン広げてまったりしていて良い雰囲気だった。

ここができたばかりの頃にJoeにガーデンパーティーに誘われて、オープンセッションでTommyとSticky Riceのメンバーと初めて会った思い出深い場所でもある。Sticky Riceはバンコクに来て面白いタイのバンドをさがしている時に既に見ていたので、現場で会った時は『おおっ!本物発見!』って感じだった。

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そんなわけで昨夜はひたすらセッションを録音した。音源が数時間分はあるだろうからどこかは使えるだろうって感じだ。昨今の録音の時は俺はとにかく深追いしずぎずにいろいろなフレーズを放り込んでいく。大概の場合は後でPCで編集するので、ネタとして使えそうなフレーズを切り取りやすいように、且つ軽くなり過ぎないよう適度な深さまで掘り下げる感じ。何度も何度もやったので後半はふたりとも楽しくなってしまって原曲から逸脱して別の曲になってたけど…。まあ新曲のネタになるかもしれんし悪くはない。ただ、選ぶために聞き直すのが大変なだけである(笑) POOKはぶっ飛んでいて普通の男ではないが、終始良い空気を醸し出していて心地の良い男だ。長年の相方のTommyとのやりとりも見ていて微笑ましくて時間を忘れて楽しい夜だった。ヨーロッパに帰る前にどこかでセッションしたいね…ってな話になって実現する方向で日程を考えている。面白いので実現したら遊びに来てほしい。

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なんだかんだで昨日もライブで出会ったタイの若い友人達とたくさん会った。4年間コンスタントに年間50本以上は演奏し続けているので、不愛想な俺でも流石に知り合いが増えてバンコクでは活動しやすくなってきた。来年は新作を携えて新たな展開をできるよう精進しよう。

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ともかく、これでバンコクに来た頃に映像やライブで興味を持ったタイのインディーアーティスト Stylish Nonsense のふたりに Sticky Rice の Pook と Tommy、T-BoneGOLFさんや Yui Cello さんと共演して、おまけに作品のレコーディングにまで参加しているわけで俺はとても幸運な男だと思うの今日この頃である。

 

2017年12月

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Photo) Session at Bar 12×12 (BKK/Thailand) 2017/12/09(SAT)

常夏の国の1年は早い。季節が無いのでなんだかわからないうちに過ぎていく。今年のライブを数えてみたら今決まっている年内のスケジュールを合わせて67本だった。5月からはフルタイムでやれていないのでちょっと少ないが、今年も生き延びたってことで最悪の状況ではない。俺を呼んでくれた皆様には本当に感謝しています。これからも俺にしかできない演奏を提供できるように日々精進したいと思っています。

写真は先週土曜日の真夜中のセッション。パーティーの主催者のHexthree のメンバーにStylish Nonsenseのふたり、それに俺とヨーロッパからたまたま遊びに来ていたジュリアンってベーシストも混ざって国籍もジャンルも世代もいろいろで良い空気感だった。この日のお客さんはみんなすげえ若かった。俺は多分店にいた全員の中で最年長(笑)ギター弾いてなかったら絶対出会わないだろうな。機材トラブルやら演奏中の停電やらあったけどそんなことはタイでは良くある話で気にしても仕方ない。転んだら立ち上がってまた歩き出せば良いだけである。下の映像は停電で唐突にブラックアウトする。そのままループを回し続けて復帰した瞬間に演奏再開したけど消えた瞬間はかなりびっくりした。

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開始前にサウンドチェックしてたら出演してる若いミュージシャンがかぶり付きでワークショップみたいで笑えた。タイ人だけでなくバンコクで出会う新世代のミュージシャン達はみんな礼儀正しくて洒落てて可愛らしい。パンクの連中でも同じである。面倒な奴を見たことが無い。ミュージシャンと言えば変わり者で面倒な連中ばかりってイメージを持っている旧タイプのミュージシャンである俺は、ここのところ頻繁に『時代が変わったんだなぁ』としみじみ思うのである。出会った中でアクの強い連中は大概同世代だし(笑)それと、やはり移動が簡単ってアドバンテージはでかいなぁと思うんだけど、20代のバンド連中が頻繁に他の国にツアーに出ている。もちろんアジアの国からこの街にもたくさん来ている。別の国で演奏する経験や他の国のミュージシャンと関わることで得られる情報はとても多い。確実に創作活動に良い影響を与える。羨ましい限りだ。世界が広いってことを体感するだけでも十分意味があるし。

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1年前の今日の今頃はフアヒンのサウンドライブラリーという店のパーティーに出演するためにWOOT ROOTのJoeと仲間たちと車で向かっていた。この1年の間に会場の主のPOOKはポーランド人の嫁さんとヨーロッパに移住してしまったが、クリスマス辺りにまたフアヒンで演奏する機会をもらえたので楽しみ。しっかり決まったらまた告知します…って日本語のこのブログ見てタイのフアヒンに来るってのは稀な話だよな。

自分の背丈よりも長いドレッドヘアーを持つタイで出会った中で間違いなくNO.1に個性的で面白いミュージシャンPOOKはヨーロッパに移住してからの方が水を得た魚のように生き生き活動していて面白い。背も高いし絵になる男だ。タイで彼の本質的な音楽をやるのは難しかっただろうし、大変だろうけど良かったなぁと思う。

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しかしすげえ髪だよな。怪獣みたいやわ。

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Yusef Lateefの音楽に刺激されたのか窓の外からええ感じで鳥の囀りが聞こえる。今タイは本当に良い季節だ。遊びに来るなら今くらいから1月中が最高。

 

 

SUNNY DAY SUNDAY ~バンコクの日常のお話~

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個人的なタイの日常

今日も良い天気だ。今週はライブ無し。崩れ切った体調を整えるのにちょうど良かった。今日は音楽と関係ない日常的なことを書いてみる。でもまともな暮らしぶりとは言い難いのであまり参考にはならないだろう(笑)

朝起きてしばらくぼ~っとした後、毎週運河の端の広場で開催される日曜の朝市で朝飯とTシャツを買って来た。Tシャツ2枚で330円くらい。一般的なタイ人向けの服はとても安い。工場流れの品物だろうな…ってな感じだけど選べば普通に着られる。ただ、露店の場合は保存がどうなってるのかわからないので、一度洗ってから着用しないと縫い目に南京虫が潜んでいる可能性があるので危険。甘く見ると2週間くらい痒くてひどい思いをすることになる。暑い国なので汗をかくたびに叫びたくなるくらいかゆい。ちなみにこれに一番効くのはショウガをアルコールに漬けたタイの薬だった。市販のかゆみ止めでは全く効かなかった。

食事は1人前40バーツが基本。日本円130円くらい。ただ、化学調味料使用しているし油があまり良くないので多分身体にはあんまりよろしくない。とにかく安いので300円も出せばフルコースって感じ。お菓子やケーキも売っているが口に合わないだろう。特にケーキは冗談ではなく眩暈がするくらい甘い。毎夕この市場で飯を買うが、生の肉や魚には巨大なハエがバンバンたかっていて潔癖症の人にはたまらん苦痛な光景やろな。生カエルが腹を上にして山盛り並んでいるし、コオロギが箱の中にうじゃうじゃいてリンリン鳴いてる横で新鮮なまま素揚げにされて売っていてタイらしい光景ではある。ここからほんの百メートルの場所には洒落たワインバーや高級レストランや会員制クラブが建ち並んでいて、そんなエリアにこの市場があるって現状がバンコクの貧富の差とかタイの都市計画の適当さを象徴していて気に入っている。

市場のすぐ横には建築現場で働いているミャンマーカンボジア人の住むバラックが並んでいて小さなスラムを形成している。その一角のすぐ横には現在高級コンドミニアムが建設中である。トンローと言うエリアは日本人街と言っても良いくらい日本人だらけだが俺の住んでいるエリアにはあまりいない。同じエリアなのに家賃が10倍以上違うわけで、生活レベルが違うので買い物の場所から違うので当然そうなる。

最近ではほとんど友人と会う余裕すらなかったので昨今のバンコクの日本人社会についてはほとんどわからない。相変わらず日系の店は増えているし(もちろんその分潰れてもいる)日系のホテルも進出している。日本フェアみたいなものも多いし、よほどの政治的な変化が無い限りはタイは観光地、移住先として良い国なんだろう。

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普段の1日

朝5時に起きる。日本時間の仕事をしているので朝が早い。就職するか起業しないとビザとWP(労働許可証)が手に入らないので出たり入ったりしないと行けなくてかなり面倒だ。金もかかるし落ち着かない。昨今は取り締まりも厳しいので出たり入ったりもそう長くは続けられない。いきなりもう入れないから出て行けと言われるとそれまでの苦労もあっという間に水の泡である。定着するならばとりあえずこの点だけは押さえた方が良い。金がある奴は何も気にしなくて良い。半年タイで遊んで残りは周辺国を周遊していれば問題ないからだ。

さておき、仕事に向かうにはバスとBTSバンコクスカイトレイン)を使う。駅までのバスは片道7バーツ(24円くらいかな)の赤バスBTSは片道23バーツ(70円そこそこ)で4キロくらいなので涼しくなると運河沿いを歩いて通う。バスはクーラー無しなので渋滞時は暑さと排気ガスで息苦しい。雨の日は蒸し暑いし渋滞で進まないしで最悪だ。それでもお客さんはみんな整然と乗っている。タイの人は基本は列に並ぶし騒がずおとなしく待つので気が楽だ。みんな身綺麗だし問題はない。問題は運転の荒さ。乗ると座る前には走り出す。急発進。ガンガン飛ばすし車線変更も気儘でいきなりだ。チケットは無くて朝は運転手が集めに来るか降りるときに払うかで気分次第なので決まっていない。ちなみに、他の路線バスを使った時も案内に出ていた行く先について乗ってから車掌の女性に聞くと『その手前までしか行かないよ。降りてから他のバスさがしな(タイ語)』ってな感じで不愛想極まりない。英語は一切通じない。まあ乗って降りるだけなのででかい声で行く先を連呼していればそのうちたどり着けるが…かなり面倒くさい。お客さんは親切な人が多いのでお客さんに聞く方が良い。BTSとMRT(地下鉄)は問題ない。すべて案内が出ているし英語も通じる。ネットで見れば駅も全部出ているので必ず着く。クーラーも良く効いているしマナーも悪くない。

仕事をして昼休みになると向かいのビルの地下にある食堂に行く。これまた40バーツくらいで食べられる。ただし昼時に行くとパニックである。長蛇の列で席の取り合いに相席当たり前。慣れないとわけがわからない。でもオフィスワーカーがひしめき合う光景は現在のバンコクの一つの側面としては見て面白い光景なのかもしれない。日本人はアジアの他の国を基本下に見る傾向があるので、商売をしようと考えている人は考えの甘さを矯正するには良いかもしれない。日本は下り坂の年寄りだ。今では他の国の方が伸び盛りだし勢いがある。整然としていることが必ずしも良いわけではないと最近よく思う。ここでも目につくのは騒然としているけどやいやい言いながらも譲り合って収まっていくタイ人の一見バラバラのようだけどそうでもないという独特の協調性。篇に我慢ばかりしなくても最終的にはどないかなるんやなといつも感心する。我慢ばかりさせられて細かいことばかり気にして病気みたいになるよりはぜんぜんマシだ。

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先週の金曜にコンビニでコーヒーを買って店の前で飲んでいた時に盲目の夫婦がタイでよく見る電車遊びの体制(奥さんが杖を持っている旦那さんの肩に手を置いて縦列で歩く)で歩いてきた。朝の道は露店がたくさん出ているので障害物が多いので歩くのには危ない。すると新聞売りのおじさんが手を引いて目的地まで連れていく。旦那さんは買い物に店に入る。奥さんは外で立って待っている。おじさんは自分の露店から椅子を持ってきて奥さんを座らせる。旦那さんが出てくると奥さんは椅子を持って露店の叔父さんに返しに行ことする。おじさんは走って来て『ありがとう』と言って夫婦も『ありがとう』と言ってまた電車状態で歩き去る。こういう光景は日常的にあらゆる場面で義務的では無く自然に行われる。こういう部分が日本人がここに定着できる一番の理由だと思っている。当たり前に自然に行われる気遣い。良い国だ。

オフィスに戻ると夕方まで仕事。終わると帰りは1時間ほどかけて歩く。運河沿いまで街中を歩くと夕刻の回転に向けて店が慌ただしい。道は裏通りまで大渋滞。タイの道は日本の道のようにつながっていない。道の作り方が適当なので憶えるまでは行ったり来たりしながらだいぶ時間がかかった。それと、基本的に歩くように作られていないのでいきなり歩道が無かったりするのは当たり前。横断も大変。排気ガスもひどい。なので、運河沿いの遊歩道に着くとホッとする。イスラム教徒が多いので学校帰りのヒジャブかぶった女学生や仕事帰りの姦しい集団やおしゃべりをしているおばちゃんたちの間をブラブラ歩く。おばあちゃんが洗濯をしていたり爺ちゃんがじっとタバコを燻らしている。歩行者を縫うようにしてバイクがバンバン走ってくる。運河を船が行き交い跳ね上がる汚水を避けながら30分程歩くと市場に着く。夕方の市場は足の踏み場もないほど込み合っている。ゆっくりと歩きながら今夜の飯をさがす。露店の不機嫌な顔をした体格の良いおばちゃんの子供が10分の1スケールのミニチュアみたいで不機嫌な顔まで瓜二つで可愛らしい。足元を猫が走り抜ける。態度のでかい犬が道の真ん中で寝ている。みんなそれを踏まないように避けて歩くくせに人間は避けない。下町のサインは野良犬、野良猫、半裸のおっさんだ(笑)仏教系の入れ墨だらけのおっさんが屋台の人でごった返す軒先で車座になって飲んだくれている。夕食を手に入れると市場を抜けて、船が通ると汚水が2mほど跳ね上がるアクションゲームのような難所の橋をタイミングを見計らって順番に走り抜ける。するとスラムの商店と食堂が見えてくる。作業服を着たミャンマー人の独特の言葉が耳につく。食堂の太った毛玉のようなヨークシャテリアが猫を追って走って来るがめちゃめちゃ遅い。それを見て笑っていたら食堂のおばちゃんと目が合ったのでご挨拶。食堂のおばちゃん達はとてもたくましくてきりりと男前揃いだ。ここを抜けるともうアパートだ。アパートの前にある店でいつも座っている少し惚けが始まっている可愛らしいおばあちゃんに挨拶をして店主の双子のおばちゃんの片方に声をかけてビールを買う。アパートのセキュリティーと目くばせであいさつを交わしてアパートのオフィスのオーナーとアニメ声の娘さんと挨拶をしてエレベーターホールへ。帰宅。

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こんな感じで普段の俺の1日はとてもシンプルだ。ライブがあればこの後機材を担いで再びごった返す市場を潜り抜けて出かける。夜のバンコクの繁華街はまたぜんぜん違う顔を持っている。多種多様な人種に多種多様な個性が渦巻いていてまさにカオスって感じで以前にも書いたが90年代のサイバーパンク系映画の近未来都市みたいな光景がみられる。日本では繁華街の外れに住んでいたのでこの街のネオン街のど真ん中に住んでみたいという欲求が疼くときもあるが、それはもう少し落ち着いてからだな。

11月のスケジュール後記

写真は12×12の時のもの。11月最後のライブはインディーロック系のイベントに触発されたのか懐かしのシューゲイザー的な音でちょっとツインピークスって感じの導入部の後は流れでポストロック→ノイズってな感じのけっこうわかりやすいセットだった。アメリカのインディー映画のクルーがイベントのドキュメンタリーを撮っていて、なんだかいつもよりもさらに雑然とした雰囲気だったけど、混沌=バンコクって感じではあるし、昨夜の会場はパッポンのゴーゴーバー Black Pagodaなわけで、気を使うことはまるでなく、ただ好きに弾いて場のテンションを作る役目を楽しんだ。途中からはノイズセットの様相になって最後はギターの弦も切れ飛んでチューニングべろべろで不協和音にハウリングノイズって状態で終了。高速ビートのノイズ演奏をやるとギターを叩き折ってみたくなるが、長年の相棒335はちょっとした衝動では流石に叩き折れない。

最後のバンドまで見て、その後夜中3時から8キロの道のりを機材を担いで2時間かけて徒歩で帰って来た。ギャラが週明けてからの振り込みってことで単純にタクシー代が無かったのである。今月はマジで修行でしかなかった。なけなしの金を払ってギターを弾いて歩いているようなもんで精神的にもとてもきつかった。2日間飯を食っていない残エネルギーゼロの状態で今朝明け方に帰宅して背中のギターを置いた瞬間、身体を壊す前にブッキングのやり方を変えようと真剣に思った。今もそのまま飯を食っていないが、限度を超えてしまって空腹を感じていないだけである。もう少しきっちりやらないとめちゃめちゃ働いてるのに飢えて死ぬことになる。シンプルに危ない。てか最低限飯は毎日食いたい(笑)

Woot Root at Black Pagoda 

今月は9本弾いたんだけど、カフェやBARやギャラリーでやる ambient/chill out set と Loud/noise set とが完全に別テイストになってきているので、このまま両方詰めていく方向。毎回ライブが終わるとドラムマシンを使ってみたくなるんだけど、これ以上演奏方法を複雑にするのも鬱陶しいし何より重たいので保留している。小さい現場で使うならば明らかに i-pad のほうがイージーだしソロの仕事を増やすなら後者だな…。

Solo at Fatty's Bar

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今月から導入した TC Electronic のFlashback 2 Delay は音が良くてかなり便利。俺はまだ機能を把握できていないが、フットスイッチが特殊だったりセッティングを読み込んだりもできるようだけどまだぜんぜん把握できていない。とりあえずかけときゃええ感じの音色になるので演奏をサボってるような気分になるが、その分他のことが弾けるので結果は良好。

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マロン君とやった初セッションはゆるくて良い感じだった。同い年ってのはけっこう関係あると思うけどナチュラルに音が馴染む感じの時間があった。またそのうちやってみたい。

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ドキュメンタリーはインタビューも収録するらしい。英語だよな…英語で音楽について話すのってきっついなぁ。