An "I " Novel from The City Of Angels

Diary 『バンコク在住日本人ギタリストの日記』

アドレナリンハイ

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先ほどディレクターのPからOKのメッセージが届いたのでWEBのCM映像にライブループ一発録音で完パケというタイトなお仕事が終わった。スタジオでしっかりやりたかったがスケジュールの都合で不可能だった。月末締め切りと聞いていたので割と余裕こいてたんだけど、ツアーから帰って月曜に仕事に行っている間に、木曜までに仕上げなくてはいけないってメッセージが入っていた。めちゃビックリ。スタジオの手配もできないしトミーはバンコクにいないしで2日間で仕上げる手段は一発録音しかなかった(笑)たまたまツアー用にハンディレコーダーを手に入れていたのでマジで助かった。まさに不幸中の幸い。がしかし、音質的には小さなアンプの前にレコーダーを置いての直録りなわけで、クリアな音が当たり前の今時あり得ない無茶苦茶ラフな録音。おまけに今日の夕方届いた映像を見たところ、仮編集で入っている俺のデモ曲の雰囲気が明らかに映像に合っていない。出演している女優さんのインタビューの声とも当たっていた。仕方がないので映像を見ながら今から新曲を作ると決めて格闘すること2時間。奇跡的に素晴らしく出来の良いミニマルループができた。それをベースに展開を考え始めたが俺の機材はメモリーの機能が無いし電池で動いているので点けっぱなしで弾き続けるとタイムリミットは5時間程度。そして一度音を重ねると一からやり直しでまったく同じループは二度と作れない完全な即興仕様。奇跡的に録れたループをベーシックに一発で録音を決めるために脳内でギターフレーズとスイッチングのシュミレーション。映像を睨みつつ2時間かけてタイミングを憶えてから気合を入れて録音スタート…ヤバイところもあったがギリギリセーフで切り抜けて2分半の綱渡り終了。PCに落として映像と音を合わせてみたら悪くない感じ。マスタリングすらしていないデータを送ってしばらく脱力…そして返信。『Beautiful !! We got it !!』久々に頭の奥が痺れた。でも結局マスタリングすらしてないまま採用されたけど大丈夫なのか?マスタリングソフトダウンロードして待ち構えてたんだけど…。

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明日も朝早いのでさっさと寝ようと思ったがテンションが上がってうまく眠れないのでビールを飲んでいる。ツアー、録音仕事終了でとりあえず一段落。金曜日はトンローの居酒屋で弾く予定だがこれまた何やればいいんだ?ってシチュエーションだけど今は考えたくない。明日は仕事に行ってから旅で出た山盛りの洗濯物をやっつけてさっさと寝たい。

【2018/10/25追記】

今回録った音は Central Embassy の最上階のOpen HouseというスポットのWEB宣伝の映像に使われる予定。いつから流れるのかはよく知らない。ミーティングに現地に行ったが、とても気持ち良い空間だった。

marikochan.jp
無事に終わって再び連絡。10年以上前に録ったCD『TRIP IN SUMMER』のオープニング曲がバンコクのデパート Emporium のアートプロジェクト Let's Talk Art の宣伝映像に使われた。古い音源なので出来上がった映像を見ると作品を作った時の俺の中の景色とタイの景色が混ざり合ってかなり不思議な気分になった。作品リリースを全然していない俺としてはこんなこともあるのね…と驚きつつ軽く反省である。演奏修行みたいな活動だけでなく音源の制作についてもう少し考えるべきだったな(当たり前)。映像関係の連中からアクセスが多いし、小作品は今の俺なら量産できると今回の一連でわかったので、編集とマスタリングのできる最低限の録音機材を揃えましょうかね…。