An "I " Novel from The City Of Angels

Diary 『バンコク在住日本人ギタリストの日記』

アジアで演奏する理由

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俺がタイを中心にアジアで演奏活動をしようとしている理由は単純明快で

生演奏できる場所がたくさんあるから である。

除夜の鐘がうるさいって言う理由で年越しの鐘が昼間に変更される国はハッキリ言って病気だ。日本の大多数の人がそうなっているからこそこんな狂った出来事が起きるわけで、正直頭がおかしいとしか思えないが、確実に少数派であろう俺の方が世間的には頭がおかしいんだろう。俺のやっているスタイルは閉鎖的でビジネスライクな日本のライブハウスではできないし、街の中で生演奏をできる場所は年々無くなっていくわけで、もう日本に住むって選択肢はほぼ無くなってしまった。

ぼくのりりっくぼうよみという若いアーティストが引退云々でファンとやり合った話を最初は笑いながら読んでいたが、ファンだという奴の『私たちがいるからあなたは食えてるんでしょ』的なコメントが載っていた。作品に対してお金を払っているのではなく、どうやら養ってあげているってな気分らしい。虫唾が走る。芸能人に対してモラルを求めてみたり何かにつけ文句を言ってみたり、お客様は神様ですって言葉が長い年月の間にねじ曲がってモンスターを養成してるような(笑)

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あとは現実的な理由として泊る場所が確保しやすくて移動が容易い。ホテルも飛行機もバスも安いし大概の場所ではミュージシャンの酒と飯は無料だ。ある程度スタイルを確立していればギャラは安くても渡り歩くことができる。下の記事はFBに上がっていたカンボジアシアヌークビルのゲストハウス併設のLIVE BARの出演ミュージシャン募集記事だが、機材は全部あるし部屋もあるよ…ってな感じで出演者への条件が書かれていて、BARの空間を作る要素の中にライブミュージックが含まれていることがわかる。お!?ええがな。演奏しに行こうかなって感じである。興味のある人は写真をクリックすると記事に飛べる。田舎だけど面白そうな場所だ。

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日本では前述のビョーキのせいでライブミュージックが通常の営業状態で存在していない。隣の生活音や子供の声で警察を呼んだり殺し合いに発展するような国なので仕方がない。なので日本ではライブは特別なイベントになる。日常的ななものではない。そして、先ず各地のホテルと交通費とギャラが高くつきすぎるので先ず金のことを考えなくては成り立たない。音楽=ビジネスという風に考えないとできないので必然的にミュージシャンは気に入られて金を得るためにガツガツしないといけないし、土地土地で誰かに頼らないと成り立たせるのが難しい。過去、俺はいろんな場面で怒っていた。音楽とはぜんぜん別の面で日々消耗していくからだ。

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要するに、メジャーシステムと同様に定期的に曲を作ってCD作ってツアーまわって…という1年毎のサイクルを確立してとにかく物を売らなくては成り立たないのだ。いつのまにか創作しているのか売るために作っているのかわからなくなってしまう。そして特定のお客さんの為に歌を考えて皆の好きそうなグッズを作って一体感を作って…って無理だ。俺はそんなことをするのは死ぬほど嫌だ。シンプルにやりたくない。皆そうやって金のことばかり考えているうちに一番大事な音楽そのものを失っていく。そんなことばかり考えているくらいなら演奏活動を止めて普通の仕事をした方が効率が良いし好きなものを大嫌いになることもない。

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メジャーでやった上で俺の出した結論は、POPSを好きな奴がPOPSをやるのが正しいってことだ。平たく言えば一般的な暮らしを理解している人にしかPOPS(特に日本においては歌詞)は書けない。俺は育ちがおかしいもので世間と感覚がずれているし、人にも物にも興味が無いのでメジャー向きの商品を作り続けることができなかったってことだ。おまけにスター性もない(笑)わかりやすくメジャーでやる為の才能が無かった。その証拠に未だにひとりで何も持たずに彷徨っている。こんな変人には世間の皆さんの心を打つ歌は作れない。自分に合った道を進んでいくしかない。色々考えた結果、今はアジアでやるのが自分には最良というだけだ。歌い手はぜんぜん違う。歌い手は自分の国で歌い続けるべきだ。逆に言うとそこにしか突破口はない。

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そういえば、映像用の曲は2回目に出したアイデアの中のどれかになることに決まった。ほぼ全部気に入ってもらえたようで良かった。タイの有名女優のインタビュー映像の後ろで使われるらしい。要するに、こういう仕事なら好きにやって相手も喜んでくれるわけで適材適所ってもんだよな。また仕事がとれそうな雲行きだし、ひとりで仕事のできる最低限の録音機材を揃えなくてはいけないようだ。10年以上自分で録音をやっていないので機材のことがぜんぜんわからん…また勉強だな。