An "I " Novel from The City Of Angels

Diary 『バンコク在住日本人ギタリストの日記』

すべては流れのままに

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昨夜 Bai Sha の撮ってくれた珍しく動きと表情のある写真。ソロの時は細かいことをやっているのでたいがいうつむいていて眉間に皺が寄っている。Joeとは長いのでなんとかなるしドラムパートを自分でやらなくてよいのでいつもより仕事が少なくて俺は精神的に解放されている。こんな顔自分でも初めて見たわ(笑)

昨夜も良いパーティーだった。機材は揃っていたし1番手だったのでGuitar amp + Bass amp 両方に突っ込んでのいつもよりアグレッシブなセット。年齢逆順で進行していたが、若くなるほど落ち着いた音になっていくってのが少し面白かった。

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2006年にひとりでスタジオに入って制作した『TRIP IN SUMMER』amatuti dub drawing space 以来作品を録音していない。いろいろなところひたすらその場で消えていく音楽を弾き続けていた。何度か録ろうとしたが、売り物を作るって以外の意味を感じなかったのでやめてしまった。昨今アンダーグラウンドの連中も毎年CDを作って売る為にツアーを周って…ってビジネス的なルーティンを真面目に繰り返してるけど俺はそれができなかった。楽曲を作らないからってのもあるけど、売る為に締め切りつくっていつまでに何曲録って云々ってメジャーの時みたいなやり方で進行するのが気分的に鬱陶しかったという理由が一番でかい。ただの天邪鬼だな。曲も歌詞も書かず音源も作らない。ライブでMCもほぼやらないしお客さんを煽りもしない。単純に商業音楽をやっている時にオーダーされたことをすべてひっくり返すと俺の今のスタイルになる(笑)

ここのところも作品を録りたいって衝動に駆られていたが、昨夜ライブ終わりでPOKさんと話していてやっと肚が決まった。何をどうやるかももうわかっている。今回ももちろん最終俺がまとめるが、ひとりでは録らずにPOKさんにも共同制作者として入ってもらうことにしていろいろなミュージシャンに協力してもらう。曖昧なイメージを積み重ねて曖昧なまま表現する方向だ。でも曲は書くだろうし歌も言葉も使う。今回は今までこだわっていた細かいことはどうでもよい。今できることをすべて注ぎ込んでみる。時間はかかりそうだけど、とりあえず様々なアーティストが揃っているし面白いものはできると確信している。機が熟したってそんな感じだ。えらく長い道のりだったなぁ…と、いろいろな場所や紆余曲折を思い出しながらなんだかクリアな気分だ。

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若いミュージシャンたちはルーパーに興味津々だ。どうやって踏んでるんだ?いつ切り替えてるんだ??って感じで質問が飛び交う。別に難しい踏み方はしていないけど、ループフェスティバルに出た時も他のループミュージシャンと使い方が違うという指摘を受けたので何か少し変なんだろう。何をどうしているかくらいはいつでも教えるけど、最終的にはループはたくさんあるアタッチメントのうちのひとつでしかないわけで、ルーパーを使ったから何でもできるってわけではない。先ずはメロディーやリズムやハーモニー、自分の音色といったミュージシャンとしてのベーシックな部分と音楽としてのクオリティーが無くてはいけない。正直、ループフェスの出演者の大半は機材が良いってだけでゲームのコンテストのようで音楽的な意味はほとんどなかった。手が動くとかうまくスイッチングできるとかは最終的には音楽とは関係ない。

俺がひとつだけ確信を持ってアドバイスできることはある。

マルチトラックレコーディングのようにバンドをひとりで再現するような使い方をするとクソつまらないし退屈で見る価値がないってことだ。なので、先ずは自分の部屋でループマシンを使って気が狂ったように弾いて弾いて弾きまくって、曲を自由に解体再構成できるようになってからステージに出ましょう。

 

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本日は以上