An "I " Novel from The City Of Angels

Diary 『バンコク在住日本人ギタリストの日記』

写真)クアラルンプール、チャイナタウン

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先週火曜日の夜からビジネスビザ取得の為にマレーシアの Kuala Lumpur にあるタイ大使館に向かった。先々月からの就職のゴタゴタで出入国による旅費が嵩んで死にそうになっているので、今回は飛行機を諦めてバスで向かうことにしたわけだが、往復50時間以上の連続バス移動は想像以上にきつかった。もし時間に余裕がある場合は先々で宿泊しながら進んでいけばとても有意義で良い旅になると思う。バスが進んでいくにしたがって人種、文化、宗教の混ざり具合が変わっていって日本では見られない大陸の光景が楽しめる。

 

写真)ハジャイのバスターミナル

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詳しい理由はわからないが今回入社する会社の規定で Kuala Lumpur、もしくは東京、大阪でのみビザを取得できるという条件だったのでバンコクから一番経費の掛からないマレーシアに初めて行ったが、ムスリムの国なので仏教国タイとはかなり文化が違う。国境の町HAT YAI (ハジャイ)に着いた時点でヒジャブ(イスラム教徒が頭を覆う布)姿の女性がものすごく多くて、タイ仏教様式のお寺もあまり見かけなくなり既に別の国のようだった。タイ南部は日本大使館から渡航注意の勧告が出ている危険な地帯で日常的にテロが多い。俺の行っていた時期にも小さな爆弾テロがあった。宗教による文化の違いという意味ではマレーシアといっても良い地域でタイ政府もあまり良い扱いをしておらず、常に揉めている理由はそのあたりにあるようだ。通過しただけなので危険なことは何もなかったし現地の人も少し荒っぽいけど皆親切だったが、バンコク以北との雰囲気の違いは肌で感じることができた。

 

写真)KLセントラルの路地

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マレーシア入国からクアラルンプールの街までは9時間ほどかかった。とても自然が豊かな国で地域によってココナツ畑ー水田ー果樹園ー工業地帯…という感じで良く整備されていて道路もゴミが少なくてとてもきれいだった。カンボジアプノンペンからバスで帰っているマレーシア人のDinというおっちゃんが隣の席で、暇なのかずっと通りすがりの街について説明をしてくれたので退屈しなかった。ただ、どこに行ってもハエが多くて屋台等はかなりヤバい。途中休憩に寄ったドライブインで、でっかいハエのたかった料理を食うのはなかなか抵抗があった。かといってなにも食わないわけにもいかないので、嫌々食っていたわけだが、結局お腹を壊すこともなく無事帰って来たので、そういう意味では俺には結構耐性があるようだ。流石に水には気を付けたが…。そんなこんなでとにかく時間はかかったが問題無くクアラルンプールに着いたが、予約したゲストハウスをさがすのにチャイナタウンを2時間ほどさまよう羽目にはなった。1軒だけ雰囲気が違って浮いていたレゲエバーを見つけて、スタッフの親切な兄ちゃんたちのおかげでなんとか目的地にたどり着いた。その後の手続きはほぼ問題なかった。東南アジアの街中は日本よりFree Wifiが充実しているので、情報を得るのが容易い。目的地へのポイントをメモさえしておけば、あとは通行人や駅のスタッフとコミュニケーションをとるだけでなんとかなる。アジアの人は基本親切で目に見えるような差別もないので、大概の人は尋ねれば答えてくれるし案内してくれるケースも多い。たまに悪い奴もいるのでそこだけ気を付ければよい。 

 


到着した次の日に大使館でビザを申請して、その次の日には受け取り。書類は揃っていたのでこれも問題なし。ただ、大使館でのやり取りには少しだけ英語ができないとバタつくかもしれない。とにかく無事にビザを受け取って電車で帰路のでっかいバスターミナルへ移動。前日にチャイナタウンの旅行社で帰りのバスの予約を頼んだが、向こうの英語が怪しくて案の定、日にちを間違えていた。カウンターで代わりのバスをさがしてもらったがその日の分は満席で次の日の朝の便になった。仕方ないのでセントラルステーションに戻って駅の周りの安宿をさがして泊まった。改築に次ぐ改築でビルの内部が迷路のようになっていて、火災が起きたら死ぬなぁと思ったが予定外の宿泊だったし予算の問題もあるので諦めた。

 

写真)クアラルンプールのバスターミナル(TBS)

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クアラルンプールからタイ国境に向かうルートは大渋滞していた。行きは9時間で着いたのだけど、帰りは12時間以上かかって午前8時に出発してハジャイのバスターミナルに着いたのは午後9時前。国境を越えてからバスターミナルまでの道もけっこう渋滞していたのでバンコク行のバスに間に合わないと踏んで、ミニバスはあるかとか国道でトラックをヒッチハイクできるかとか駅まで行って列車の有無をチェックするかとかいろいろ考えていた。バスターミナルに着いてバスから降りて走ってチケットカウンターのお姉さんに『バンコク!帰らなあかんねん!』と日本語で捲し立てるとおばちゃんがやれやれという表情であちらだと指さすので走りながらバンコクバンコクと連呼して、振り向いた若い兄ちゃんを掴まえてターミナルの外にあるカウンターに案内してもらった。

『Ticket to Bangkok!! From now !!』
『OK.10 min' later. Hurry up !!』
『Thanks !!!!』

…ってな感じで携帯の充電もできず飯も食えず水も買わずでそのままバスへダッシュ。けっこう空いていたのでゆっくり座れて助かった。

バスに乗ってる間は何もすることがなかったので、帰ってすぐに出演するライブセットのシュミレーションを作っては壊し作っては壊し…帰路の間にノート2ページほどびっしりメモを書いた。バンコクの部屋に戻ってビールを1本飲んで倒れるように寝て起きてメモを見直したら、もうすっかりそのセットには興味が無くなっていた(笑)

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ライブはローカルエリアで開催されたが日本のバンド2組とタイのアーティストと俺の組み合わせで日本人客が多くて不思議な感じだった。とりあえずイベントが無事終了して帰ってからひたすら寝た。長時間の移動はやっぱりしんどい。飛行機って値段の分楽だわ。

 

さっきバンコクから日本に移住して高校の先生をしているアメリカ人ASIAから近日バンコクに遊びに来るというメッセージが届いた。日本はとても良い国で快適に暮らしているけど北朝鮮の核問題を心配していると書いてあった。ここで暮らしていると日本にいる頃とは比べ物にならないくらいたくさんの国の人と会うが、大概は良い人間で個人レベルでは争い事をほとんど見ない。基本的には戦争は憎しみから始まるわけではなく多国籍企業の経済活動の為に勃発するのだということを感じている。北朝鮮に関しては国のシステムが特殊過ぎるので理解するのが難しいけど…。

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