An "I " Novel from The City Of Angels

Diary 『バンコク在住日本人ギタリストの日記』

今週のあれこれ

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週末に The Commons Thonglor - The BigChilli のパブリックスペースにてYOSHITAKE EXPEと共演することが決定した。ヨシタケくんとは昨年からバンコクと神戸で何度か一緒にやっていて今回も面白い企画なので楽しみにしている。

あまり一般的ではないタイプの音楽を公共の場でやるってのはコピーやカバーするのとは話が違ってある種挑戦的な試みで以前から大好きだ。なので、今回の話も即『やる!』って感じだった。特にタイではこのような場ではスタンダードとかポップスを演奏しているミュージシャンばかりなので緊張感があって良い。どうなるかな…。

 

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昨夜は急遽入った依頼で Sonia Hamza というフランス人アーティストのアートエキシビジョンのクロージングパーティーのチルアウトミュージックを担当した。Soniaは白塗りで日本髪に赤い花を乗せてタイの黒のシースルードレスっていうゴスと妖怪を足したみたいな恰好でうろうろしていて非現実的で笑えた。思わず紹介される前に自分から声かけて話してもた(笑)素顔を見ていないので次に会ってもわからないだろうな。

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ちょうどツアーで大阪から来ているボーカリスト RO‐HO にもタイミングが合ったので出演してもらった。彼はひとりで弾き語りするんだけど、アコギをガンガン叩きながらリズムを作って歌うので勢いがあって盛り上がる。オリジナル曲の間奏にソウルやR&Bの名曲とか放り込んでくるところも渋い感じで好みだ。お客さんはヨーロッパ人ばっかりだったけどみんな集中していた。いい腕だ。俺は逆にMUSIC BOXみたいにエゴを消してひたすら音を紡いだ。ライブの主役はミュージシャンだけどパーティーの主役はアーティストとお客さん…ってことで最近はスイッチを切り替えて演奏するようにしている。

昨夜の会場はフアランポーン駅の近くにある Gallery BARのSOYSAUCE BAR。この街には世界中から来るたくさんのアーティストがエキシビジョンパーティーを開催するので、少し変わったオリジナルを演っていて小さい設備でも演奏できるミュージシャンはショウケースをやってくれと呼ばれることが多い。アート関係のお客さんやオーガナイザーは基本的にオリジナルサウンドを好むので最近のバンコクではオリジナルバンドは Gallery でライブをやるという流れができつつある。

普通のレストランやBARではオーナーから有名な歌を演れってオーダーが出る場合がほとんど。それも1曲2曲の話ではなくて最低20曲って感じなので、気軽に引き受けるとコピーに追われる羽目になってえらいことになる。なので、俗にいう箱バンとオリジナルバンドはほぼ交わらない。別の職種だ。コピーと言ってもそれで飯を食っているので日本のアマチュアコピーバンドとは話が違う。いい店のバンドマンはジャンル関係なくびっくりするくらい上手いし容姿も良いし大人だ。

長い間夜を歩いていて、いろいろな種類のミュージシャンに会ったが、純粋であることと世間知らずの失礼な奴であることはほぼ一緒だなぁと思うことが多い。要するに若いうちしか許されない。音楽はあくまで個人的なものなので誰にも左右される必要がないしオリジナルをやり続けるべきだと思っているが、もしそれが伝わらないのであれば何かが足りていないからだと認識するべきで、お客さんに文句を言うような話では無い。『どうせわからないだろう』というような言いぐさも同じだ。20代までは我慢するがある程度年齢がいってるのにそんなことを言ってるヤツは一度しっかり自分の態度や向き合い方を客観的に見直した方が良い。伝わらないのは実力がないからだ。間違いない。