An "I " Novel from The City Of Angels

Diary 『バンコク在住日本人ギタリストの日記』

8月はチェンマイに行く

f:id:amatutitaki:20170729094448j:plainThapae East -Venue for the Creative Arts MAP

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日程が取れそうだったので、急遽8月11日~14日までの4日間チェンマイに行くことにした。前回のツアーでGOLFさんと演奏してお世話になったArt Space Thapae East  (参照ページ Thapae East - Venue for the Creative Artsへ行く前に!見どころをチェック - トリップアドバイザー )ではソロと地元アーティストとのジャムセッションをオーガナイズしてもらっていて、もう1件は神戸にいる頃に演奏していた FARM HOUSE CAFE で出会ったマキノ夫妻がチェンマイでやっているオーガニックレストランのある SRI PRAKAD HOUSE(参照ページ CREATIVE CHIANG MAI 、FB PAGE https://www.facebook.com/%E0%B8%A8%E0%B8%A3%E0%B8%B5%E0%B8%9B%E0%B8%A3%E0%B8%B0%E0%B8%81%E0%B8%B2%E0%B8%A8-Sriprakard-Chiangmai-597232353720028/ )という古い中国式古屋を改造した素敵な空間での長時間のアンビエント演奏になる予定。神戸で出会ってから双方が紆余曲折を経てチェンマイで一緒にイベントがやれるってのは奇跡的でとても嬉しいことだ。良い時間を創れるようにしっかり準備して良い演奏をしたいと思う。現在あと数か所声をかけてみているが、急な話なので余った時間は新作の録音に使うアンビエントノイズの採集に使う予定だ。 

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ナイトマーケットや普通の人の集うお店でも弾いてみたいと常々思っていて、日々資料を送ったりしているんだけど、当たり前ながらマーケットでは商売人の皆さんの思惑が絡んでいて個人レベルでは最初のアプローチがすごく難しい。特に俺のように事務所と契約していない、歌を歌わない、有名な曲をやらない、おまけに自身が日本やタイで有名なわけでもないという塵芥のような小物は一度実際に演奏を見てもらうしか手はないのである。非効率的なやり方だとは思うが、今までそうやって進んできたので今さら変えることもできないわけで、ただひたすら弾き続けるしかない。

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Woot Root at Noise Market in BACC

BACCでの演奏は気持ちよかった。サイアムのど真ん中のステージってのはそこに立ってビルの谷間の空を見上げるだけでも楽しい。本当に良いステージだった。ソロはやっていないのにWoot Rootの演奏を見てCDを買って行ってくれたライターのお客さんがいて、その後ネット上にCDレビューが上がっていた。記事を読んでみたら楽しんでくれたようで良かった。10年以上前の作品だけど、初めて聞いたみんなにとっては新作なんだよな…と、今さらながらバンコクでの活動初期にCDを一切持ち歩いていなかった傲慢且つやる気のない俺に呆れた次第。レビューは下の記事に載っている。

davecrimaldi.weebly.com

今月は意味もなく酒を飲むという行為を止めてみた。禁断症状に苦しむなんてこともなく意識がクリアで調子は悪くない。ただ素面の時間が多いので考える時間が増えた結果、最近感情が年々すり減っていっていると感じていたことがすごく気になりだした。特に若いバンドと共演すると顕著に感じるのだけど(笑) 以前は小さなことでナーバスになる自分の心がただただ鬱陶しかったが、経験を経て図太くなっていくことと心の感度が悪くなっていくことは表裏一体なのだなぁと思ったりしている。生き続けるためには鈍感であることも大事だとは理解しているが、それが高じて無神経な輩になっていないかと日々自分を戒めて佇まいを正す必要がある。

 

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ブライアン・イーノアンビエント作品に関する記事を読んでいたら、『わざわざ自然の中に行かなくても自分の部屋で音楽を聴くだけで自然を感じることはできる』という事をブライアン・イーノが語ったことに関して、現場主義のライターによる反論が書かれていた。スノップな都会生活者の机上の音楽というような論調だ。

今までさんざん山や川や海で演奏して録音してみて思うが、俺はブライアン・イーノの言葉の意味はその言葉通りの単純な意味ではないと思う。自然の中で演奏するのはとても気持ちが良いしいろいろなことを理解できる。しかし、自然を模倣した演奏をしても意味はない。自然の音はそのまま録れば良いしそのままが一番無垢で美しい。それは表現ではなく記録であってアーティストやミュージシャンの仕事ではない。何もないところから自分の感性を基に何かを作り出すことが表現であるわけで、都会の部屋にいながら別の場所にいるようなフィーリングを得られる音楽を創り出すことに意味があるからだ。もし俺が自然の中で演奏して録音する機会があるならば、あくまでも不自然な異物として自然の奏でる音を別の何かに変えてしまうような演奏をしてみたいと思う。あくまで個人的なとらえ方で、ブライアン・イーノが本当はどう思って語ったのかは知らんけど。

 

本日は以上。

Carrier Wave → Merchandise dayyyyy yeah yeah

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同じような衣装を着続けているのでいつでも写真が似たような感じになるのはいかがなものか…まあ今さら変える気もないんだけど。木曜の Carrier Wave - Stylish Nonsense x TPSM x KotaTaki x Tengger は12×12のいつものイベントの雰囲気とは少し違っていて面白かった。タイのBARでやるLIVEイベントにしてはけっこうしっかり入場料を取っていたので、ただふらっと飲みに来たお客さんじゃなくてセッションを見に来ているお客さんなので集中力が高いってのが一番大きい要因だろう。初めて一緒に演奏したPhoto Sticker Machine はレジェンドクラスのタイの有名プロデューサーだと会場に来ていた若いタイのミュージシャンに聞かされてマジかよ…と軽くビビりつついざ本番…さすがの腕前。いろいろな光景を喚起させる素晴らしい展開力。それとシンプルな機材だけど音色がとにかく美しい。POKさんJUNEさんも演奏に徹している感じでいつもよりCRAZY成分控えめだったけど皆集中していて楽しい時間だった。また機会があればぜひ一緒にやってみたい素晴らしいミュージシャンに出会えて嬉しい。TENGGERも良いユニットだった。最後に全員でのセッションもあって、それも面白い音が出ていた。映像が上がっていたので貼っておく。ついでにTPSMの曲も。

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明日はサイアムのBACC Bangkok Art & Culture Centre | bacc.or.th にて今日から2日間開催されるイベントに WOOT ROOT (Kota Taki × Joe Delaney) で出演。依頼された当初はソロで出るつもりだったが、主催者のPOKさんのリクエストに応えることにした。仕事としてはソロの方が良い状態だし今後の活動を考えるとソロ出演の方が憶えてもらいやすいし利があるし、フリーセッションユニットは出来不出来がその場次第ってことで悩みどころではあるけど、やるからには空気読まずにぶっこむ方向。

heavy69.com

出番は午後3時。ここのところ良く降っている暴風雨にならないことを祈る。

風邪で寝込んだのでドキュメンタリーばかり見ていた

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風邪で寝込んだので部屋に籠っていたが、なぜか突然思い立ってオウム真理教の事件の特集や70年代80年代90年代の日本の大きな事件の特集映像ばかり見ていた。改めて見るとあの事件が日本の管理体制をより強固にした一番の原因だと再確認した。見直してみるとまだまだ結構ずさんと言うか曖昧な部分がまだ多かったんだなという印象だ。

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日本赤軍についても見直したが、大学生や大学出たばかりの若い連中の小さなグループが世界中で無差別テロやハイジャックに政府相手に莫大な身代金要求に仲間の釈放要求とまさにやりたい放題である。ある意味おおらかな時代と言うか無法地帯がまだたくさんあった時代。まだ数十年前の話だとは到底思えない。今と比較して世界の変わりように少しビックリしてしまった。冷静に振り返ると5年間でバンコクの景色も人の様子もぜんぜん変わったわけで当たり前の話ではある。

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FBで日本のアンダーグラウンドの伝説的サックス奏者である阿部薫のことを書いた記事を見てこれも久しぶりに聞いてみた。俺が生まれる前年1968年にデビューして10年後にオーバードーズで亡くなった孤高の天才と言われているミュージシャン。20歳前後の頃に存在を知っていろいろな記事を読んだり聞いたりしたけど、その頃は音楽としてはよく分からなかったなぁとかその頃の気持ちを思い出しつつ聞いたが、めちゃくちゃな人だったようで世間にはまったく馴染めず早くに亡くなっているので若い音しか残っていないもんで苦悩が濃すぎてちょっと辛い気分になる。もう少し生きていれば円熟してもっとスゴイ音が聞けたのかなぁとか勝手な想像をしてしまったが、70年代の世界ではみだしていた人が今の時代に生きられるわけもない。

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てなわけで、生ける伝説キース・リチャーズ。健康的なミックと違ってこのむちゃくちゃなロックンローラーが生き延びて未だ新作を作ろうとしているのは奇跡としか言いようがない。一度会ってみたいんもんだ。

Carrier Wave - Stylish Nonsense x TPSM x KotaTaki x Tengger

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20日の木曜日は12×12で開催のこのイベントに出演する。ソロをやるのかセッション中心なのか詳しく聞いていないんだけど、どちらにしろ良いアーティストが揃っていて面白い夜になるでしょう。バンコクにいる方は是非遊びに来てください。チケット限定なので予約してください。

FBのイベントPAGEはこちら。

Carrier Wave - Stylish Nonsense x TPSM x KotaTaki x Tengger

Carrier Wave
Limited Ticket 400THB for 50 audiences only, 
recommend advance ticket please contact or message direct to Stylish Nonsense's inbox
this July 20th Thursday, 2017
at new 12x12 Bar Thonglor Soi Thararom2. 
/ Door open at 8pm / showtime start at 9pm end at midnight
Don't miss this music journey experience.

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ヨーロッパツアー後の Stylish Nonsense はバンコク帰還後も精力的にライブ活動を繰り広げている。今回の主催者は彼等だ。

今回のイベントの出演者として認識するまでよく知らなかったタイのアーティスト The Photo Sticker Machine はとても洗練された音で女性ボーカルの声もクールで良い雰囲気。今回はギタリストが参加するはず…内容の確認が甘いので曖昧(笑) いろいろ曲を聞いてみたが、良い曲が多いので、もし機会があったらバンド編成のライブを観に行ってみたい。

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そして韓国のアーティスト Tengger 。彼等は前回バンコクに来ていた時に面識はあるが実際に音を聞くのは初めて。よく考えたら韓国出身の韓国のアーティストとやるのも初めてだな。日本でも活動しているようなので知っている人もいるかもしれない。

参考にと思っていろいろな音源をチェックしたらスタイリッシュとT-BONEとSticker Machineのかなり前のセッション映像があった。2007年の音楽番組の映像。

 

ここのところ音楽の在り方についていろいろ考えていましたが、

最終的には BE HERE NOW ! ってことでおちついたので、

今ここにしかない音を奏でるという一点突破で集中していってみたいと思います。

本日は以上。

ライブスケジュール

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2017/07/13(Thu) 20:00~

ººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººº
Yantra Mandir X Amatuti Dub Drawing Space
ºººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººº
Jerom El Duderino VS Kota Amatuti Taki
ºººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººº
Live Ambient & Experiemental Music
ºººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººº 
@ Twelve By Twelve - Thu. 13. July
ºººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººº
200B Entrance
ºººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººººº

f:id:amatutitaki:20170709131102j:plain

STYLISH NONSENSE proudly to introduce these great pioneers and musicians who gonna do collaboration for this concert "Carrier Wave" host by "come on is such a joy" at 12x12 Bar

"TENGGER" (from Korea), “electronic/psychedelic drone duo of musical travellers” (presently they have third member is their beautiful child)

formed under the name of "10" in Oct, 2005 Korea and has been touring extensively in Asia (Korea, Japan, China, Singapore, Malaysia, Thailand, Philippines, Vietnam, Indonesia), Europe (UK, Ireland, Iceland, Sweden, Spain, Portugal, Italy, Belgium, France, Germany, Czech), USA (east coast). THE WIRE, TimeOut, WFMU, Resonance FM, to name a few, introduced their music to Europian and American experimental music fans. 

"TENGGER" in Mongolian it means infinite sky, while in Hungarian it means ocean. 

As TENGGER, they are doing many projects about the sound art and analogue interactive performances.

https://www.facebook.com/tenggerland/
http://tengger.net/
https://www.youtube.com/watch?v=2lasXwORi7U

"KOTA TAKI" aka "AMATUTI DUB DRAWING SPACE" (from Japan presently base in Bangkok)
Electric guitarist (musical improvisation) /Composer/Song writer

Japanese born in 1969. Learnt classic piano since 1974 for 10 years. Composed since 1984 and started original song writing since then. Major debut from VICTOR ENTERTAINMENT (JAPAN) singed an exclusive artist contract in 1998. Solo career from 2003 and performed "Dub drawing space musical improvisation" about 1,500 times all over Japan. Immigrated to Thailand in 2011 and started musical activities from 2013.

https://www.facebook.com/kota.amatuti.taki/
https://www.youtube.com/watch?v=kD5Agm-H3Kg
https://soundcloud.com/kota-amatuti-taki/01-harenohi-01-2004

"Vichaya (s) Vatanasapt" AKA "The Photo Sticker Machine", Thailand legend electro-dub-lounge producer /composer, won Suphannahong National film awards for best film score over and over (2014-2016)
https://www.facebook.com/tpsmstudio/
https://www.youtube.com/watch?v=oE2Wgpg_GDQ

and on this July 20th the concert and collaboration with Stylish Nonsense will happen in Bangkok at 12x12 Bar Thonglor Soi Thararom2. If you are in Bkk, Don't miss this music journey experience.

Limited Ticket 400THB for 50 audiences only 
/ Door open at 8pm 
show start at 9pm end at midnight

recommend advance ticket please contact or message direct to Stylish Nonsense's inbox

more history and credits of Tengger oversea performance
Opening Acts : Lightning Bolt, OOIOO, Xiu Xiu, Sun Araw, Carsick Cars
Collaboration Artists : Li Jienhong, Li Daiguo, Shou Wang, Xiao He, Vavabond, Li Tieqiao, Sulumi, Yan Jun, Choi Taehyun, Kuang Program, Danpyunsun, Park Hoonmin, Miiin, Tenderign, Lee Hanjoo, Brown Wing Overdrive, Matthias Erian, Gil Dionisio, Doddodo, Ryosuke Kiyasu, Sato Yukie

Festivals : Dashanzi Internatonal Art Festival (2006 Beijing), 2pi Festival (2007 Hangzhou), Midi Festival (2006,2007,2008 Beijing), Experimentaclub (2007 Madrid), Infamous Carousel (2007 Paris), La Gaite Lyrique (2011 Paris), Manpower Festival (Lisbon 2014), Otherworlds (2016 Blackpool), Les Siestes Electroniques (2016 Toulouse), WSK (2016 Manila)

event's photographic by POK

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  •   f:id:amatutitaki:20170709131126j:plain

    Merchandise dayyyyy yeah yeah

    7月22日~7月23日
    7月22日 10:00 ~ 7月23日 21:00
    Bacc หอศิลปวัฒนธรรมแห่งกรุงเทพมหานคร
    939 Rama 1 Road, Wangmai, Pathumwan, バンコク 10330

ライブスケジュール

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2017/07/13(Thu) 20:00~

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Yantra Mandir X Amatuti Dub Drawing Space
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Jerom El Duderino VS Kota Amatuti Taki
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Live Ambient & Experiemental Music
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@ Twelve By Twelve - Thu. 13. July
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200B Entrance
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STYLISH NONSENSE proudly to introduce these great pioneers and musicians who gonna do collaboration for this concert "Carrier Wave" host by "come on is such a joy" at 12x12 Bar

"TENGGER" (from Korea), “electronic/psychedelic drone duo of musical travellers” (presently they have third member is their beautiful child)

formed under the name of "10" in Oct, 2005 Korea and has been touring extensively in Asia (Korea, Japan, China, Singapore, Malaysia, Thailand, Philippines, Vietnam, Indonesia), Europe (UK, Ireland, Iceland, Sweden, Spain, Portugal, Italy, Belgium, France, Germany, Czech), USA (east coast). THE WIRE, TimeOut, WFMU, Resonance FM, to name a few, introduced their music to Europian and American experimental music fans. 

"TENGGER" in Mongolian it means infinite sky, while in Hungarian it means ocean. 

As TENGGER, they are doing many projects about the sound art and analogue interactive performances.

https://www.facebook.com/tenggerland/
http://tengger.net/
https://www.youtube.com/watch?v=2lasXwORi7U

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"KOTA TAKI" aka "AMATUTI DUB DRAWING SPACE" (from Japan presently base in Bangkok)
Electric guitarist (musical improvisation) /Composer/Song writer

Japanese born in 1969. Learnt classic piano since 1974 for 10 years. Composed since 1984 and started original song writing since then. Major debut from VICTOR ENTERTAINMENT (JAPAN) singed an exclusive artist contract in 1998. Solo career from 2003 and performed "Dub drawing space musical improvisation" about 1,500 times all over Japan. Immigrated to Thailand in 2011 and started musical activities from 2013.

https://www.facebook.com/kota.amatuti.taki/
https://www.youtube.com/watch?v=kD5Agm-H3Kg
https://soundcloud.com/kota-amatuti-taki/01-harenohi-01-2004

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"Vichaya (s) Vatanasapt" AKA "The Photo Sticker Machine", Thailand legend electro-dub-lounge producer /composer, won Suphannahong National film awards for best film score over and over (2014-2016)
https://www.facebook.com/tpsmstudio/
https://www.youtube.com/watch?v=oE2Wgpg_GDQ

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and on this July 20th the concert and collaboration with Stylish Nonsense will happen in Bangkok at 12x12 Bar Thonglor Soi Thararom2. If you are in Bkk, Don't miss this music journey experience.


Limited Ticket 400THB for 50 audiences only 
/ Door open at 8pm 
show start at 9pm end at midnight

recommend advance ticket please contact or message direct to Stylish Nonsense's inbox


more history and credits of Tengger oversea performance
Opening Acts : Lightning Bolt, OOIOO, Xiu Xiu, Sun Araw, Carsick Cars
Collaboration Artists : Li Jienhong, Li Daiguo, Shou Wang, Xiao He, Vavabond, Li Tieqiao, Sulumi, Yan Jun, Choi Taehyun, Kuang Program, Danpyunsun, Park Hoonmin, Miiin, Tenderign, Lee Hanjoo, Brown Wing Overdrive, Matthias Erian, Gil Dionisio, Doddodo, Ryosuke Kiyasu, Sato Yukie

Festivals : Dashanzi Internatonal Art Festival (2006 Beijing), 2pi Festival (2007 Hangzhou), Midi Festival (2006,2007,2008 Beijing), Experimentaclub (2007 Madrid), Infamous Carousel (2007 Paris), La Gaite Lyrique (2011 Paris), Manpower Festival (Lisbon 2014), Otherworlds (2016 Blackpool), Les Siestes Electroniques (2016 Toulouse), WSK (2016 Manila)

event's photographic by POK

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    Merchandise dayyyyy yeah yeah

    7月22日~7月23日
    7月22日 10:00 ~ 7月23日 21:00
    Bacc หอศิลปวัฒนธรรมแห่งกรุงเทพมหานคร
    939 Rama 1 Road, Wangmai, Pathumwan, バンコク 10330

バンコクの音はどんな音?

だいぶ前の話だけど、最初のソロ作品を作る為にアンビエントノイズを録ろうとマイクとレコーダーを持ってヘッドホン装着してひとりで山に入った。奈良県大峰山という女人禁制の修験者の修行場として有名な山だ。冬は山に慣れた人でも遭難するような厳しい山なのだけど入ったのは夏だった。俺が録りたかったのが鳥や虫の声や葉擦れの音や水音のような自然の中にあるノイズだったのが夏に行った理由だけど、あの頃の分別の付いていない視野の狭い俺ならば思い立ったら冬の山にでも入っていっただろう。雪の降り積もる音を録りたい…とか思ってなくてよかった。そんなことになっていたら今頃すっかりお山の土になっていただろう(笑)

登山口には結界の大きな鳥居があってそこから先は女性は入れない。その鳥居をくぐると本当に空気が変わる。聖域と言うのは本当にあるんだなぁと実感した瞬間だった。

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今考えるとかなり妙な状況だった。録音中は俺は録音機のスイッチを入れて数分間じっと息を潜めて録り終わるまで待つわけである。山に登る格好をしていないヘッドホンをしてマイクを掲げ持った男が山の中に突然座り込んでいるわけで奇人変人レベルである。大峰山は今でも修験者の山なので山伏姿の修験者が錫杖をシャンシャン鳴らしながら山道を速足で歩いていく。修験者は独特の挨拶をする。山の中ですれ違う度に『ようおかえり』って言われたのはかなり印象的だった。俺は山に帰って来たんだ…って感じで感動したのを憶えている。実はびっくりしてたんだろうな…自分でも思い出すと気持ち悪いし。でもあの時は自分の目的を達成することに必死でまるで周りが見えていなかった。ひどいもんだった。

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大峰山で録音した音は力強くて生命力に溢れていて美しかった。でも実際の音は俺の持っていた機材で録りきれるスケールの音ではなかった。巨木が立ち並ぶ森の中には周期的に霧が立ち込めては消え、生き物の鳴き声が生息している高度によって何層にも折り重なって音楽を奏でていて、それぞれのタイミングで明滅しながら互いに絡みあって巨大な生き物のように蠢いていた。どう足掻いても小さなコンデンサーマイク1本ではその素晴らしい音像のほんの一部しか録れなくて、なんとかして木に登ってみようかとか枝にロープをかけてマイクを釣り上げてみようかとか考えて山中をうろうろしてはみたが、深い山の中でひとりという状況である。結局何もできるはずがない。そのまま1時間ほどその場に立ち続けてその音を記憶することしかできなかった。音を録るという目的は達成できなかったが、そこに立ち続けた事はとても良い経験だった。森の中で俺は完全に異物だった。自分の事しか見えていないという心の状態も含めて完全に浮いていた。『おお!?俺はいったい何なんだ?』って感じである。今になってわかるが、あの時自分がとても小さい存在だということを理解したのだと思う。『なんだよ俺ぜんぜんたいしたことねえな』って感じだ(笑)なのでその後煮詰まるとよくひとりで山を歩くようになった。心の調整に良い。

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その後は方針を切り替えて小さな音を集めた。小さな音をコラージュすれば自分なりに大きな世界を描けるだろうと考えたからだ。とにかく山の中まで来たからにはやれるだけのことをやらなくてはもったいないしとにかく進むしかない。道を外れた険しい場所に入らないと人が歩く音が入ってしまうので荒らさないように気を付けながら入っていくんだけど、午後になるとなんだか歩きにくい…と足元を見ると山歩きにまるで向いていないごついリングブーツで山に入っていた。そんなことにすら気づいたのは山に入っただいぶ後だったのだ。頭が悪すぎた。水も1本しか持ってなかったし、食料はほぼ持っていなかった。なので夕方頃には空腹と疲労でぼーっとしてくるし膝はガクガクだし寒くなってくるしでもはや遭難寸前である。

山を下りた時にはブーツはボロボロで歩くのにも苦労するくらいの靴擦れで足は傷だらけで腫れ上がっていた。ただ、テンションが上がっていたので痛みに気づいたのは再び結界を通り抜けて一般道路を下り始めた時だった。靴を脱いだら足がえらいことになっていてそこから忘れていた痛みが襲ってきて登山口からキャンプ地までの道のりは地獄だった。壊れた靴を両手に持って靴下で下って行った。洞川温泉と言う修験者向けの温泉街にたどり着いた時は街の灯りが桃源郷に見えた。

収穫は持って行っていたメモリーカード4枚分のデータ。でもこの登山の後で少しマシな考え方をするようになったのでそちらの方が収穫だったかもしれない。

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そんなわけで今回も街の音を採集するところから製作開始。

バンコクの音はどんな音だろうな…。