An "I " Novel from The City Of Angels

Diary 『バンコク在住日本人ギタリストの日記』

ヨルアルク -バンコク篇‐

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昨夜の会場は高カロリーアメリカンフードのお店 Fatty's ってことで肉食のお客さんで満員の店内は熱気でムンムンしていた(笑)店内をうろうろしつつ食事の種類でお客さんの感じも変わるんやなぁとちょっと面白かった。俺ちっちゃ!って感じである。肉厚アメリカン達に混ざるとひょろひょろのガリガリのしょぼしょぼでまたもや大型犬に混ざったマメシバの気分を味わった。どちらかというとロックなお店なので強面の男も多くてそれも関係しているが…。Woot Root は相方の Joe がパワフルなので音がでかいのでロックなお客さんに強い。昨夜も悪くない感じでトリを務めて終了。警察がうるさいらしくて0時にお客さんを追い出しにかかる店のスタッフとカウンターに張り付いてぜんぜん帰らないお客さんとのバトルが笑えた。最後はマイクで『さっさと帰れこの阿呆ども!』と叫んでいたが『Yeah~!』って感じでぜんぜん帰らないし。このあたりで俺は店を出てトゥクトゥクで夜の街を爆走して帰った。

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たまにBARでカバーユニットを手伝うダニーのバンド Count The Thief が新メンバーを迎えて活動を再開してから初めてライブを見たがパワフルでとても良かった。あたりまえだけどへなちょこカバーよりオリジナルのロックの方がぜんぜんかっこいい。なかなか仕事にはならんけど。新メンバーがええ感じだったのでこれからステージが増えるだろう。

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俺たちのライブが終わると今度七夕のイベントに出演を依頼したシンガーのジョン・ウィル・セイルが酔っぱらってええ調子になっていた。彼はニュージーランド出身でお国柄なのか、いつでもどこでもとにかく明るくて人気者だ。

『ようジョン、今度出てもらうイベントは七夕って日本のお祭りだ。浴衣の可愛い女の子がたくさんいるかもよ』

『マジか!KOTA、俺は是非日本人のやさしいガールフレンドを作って結婚して子供を3人くらい作って忙しくても心安らぐ幸せな日々をすごしたい…クレージーで嫉妬深いガールフレンドはもうたくさんだ』

『たしかにクレイジーなのは困るな(笑)でも日本人だからって女性はどこの国でも一緒だぞ。結局年月が経てばケツ叩かれて働かされるんだよ。日本の女性は基本的にやさしいけど堅実だし怒ると怖いぞ』

『そうか…でもタイの金持ち娘のクレイジーっぷりよりはぜんぜんマシだろ(笑)』

『そらそうだろうな…ってなにがあったんだお前(笑)』

酒場での会話ってのはだいたいこんなもんでどこに行っても変わらない。

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Fatty's の主 MATTHEW FISCHER は昨夜は周年フェスの連日のバカ騒ぎのせいかお疲れ気味だった。彼の音楽は派手ではないけど、初めて見た時からとても好きだ。ベーシックがきっちりあるアメリカンルーツミュージック。ギタリストとしても素晴らしい。そういえば、昨夜一緒にやったJoeと初めて演奏したのは開店したばかりのFatty'sだった。そういう意味では今付き合いのあるバンコクのロックシーンに関わっていくスタート地点だったわけで6周年のパーティーで演奏できたのは嬉しい話だ。

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ライブセットに放り込むノイズをさがしてレアグルーブをチェックしているうちに、20代の頃に好んで聞いていたけどあまり聞かなくなってしまった古いファンクを良く聞くようになった。フリースタイルのセットにカッティングリフ一発で跳ねる感じの曲を放り込んでみようかなと思っている。今年は呼ばれているイベントが偏っていたので実験的な方に走りがちになっていたが、ソロセットにはできることは全部放り込んだ方が見てる方も楽しいやろうからロックもファンクもフォークもなんでもやっちまえって感じだ。来週のフアヒンはいろいろやってみるつもりだ。

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先輩たちにやらされていた感のあった若い時期はあまり好きではなかったこの曲が最近すごく好きで良く聞いている。ブルースも同様だった。原曲をあまり知らなくて酒場で酔っぱらった先輩たちのやってるのばかり聞いていたもので、なんやったら《嫌い》くらいの感じだったし(笑)いろいろ思い出しながら年下の連中と何かをやる時は俺も気をつけなあかんなぁとつくづく思う今日この頃だ。

LIVE SCHEDULE JUN 2018

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2018/06/13(WED)9 pm ~2 am
Rendezvous

Nakarin Teerapenun × Kota amatuti Taki
Improvisation music by
Nakarin Teerapenun aka Golf T-Bone
Kota Taki -amatuti dub drawing space-

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2018/06/15 (FRI) 9 pm~2 am

IRIE STYLEE #12 
~Spinna B-ILL Live In Bkk~

Attention please !!!!!
Bangkok original international reggae party "IRIE STYLEE" is back !!
Special guest is ''Spinna B-ILL'' 
He is a wonderful Japanese singer who jumps over the walls of music genres while mainly reggae style.
This time is a special session live with a great guitarist"Shingo Nagasaki".
and there are other live showcase by U-KEY&Friends as well.
Of course, attention also to DJ/Selectors!
Jah Hi Powa from Tokyo and Woken and K9 ...They all play wicked selection by vynyl records. 
Aaaanywaaay !!! Don't miss this Irie Stylee #12 ♬

★Special Guest★
Spinna B-ILL Shingo Nagasaki

●Live 
U-key & Kota "Amatuti Dub"Taki

●Selector
Jah Hi Powa (from Tokyo)
Woken (Bkras/NZ)
K9 (Bkras/TH)

9PM-Late 

ADM:300B

 

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2018/06/16 (SAT) 17:00~0:00

Fatty's Fest Ⅵ

Can you believe it's been six years!? Come and join us for the celebrations! Two days of feast and music with a bunch of fun thrown in there!

Woot Root 《Joe Delaney × Kota amatuti Taki》

Fatty's Fest VI

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2018/06/23 (SAT) 21:00 START

"ILL's CLUB" Hua Hin

 Kota amatuti Taki solo freestyle looping guitar

Happy,Lucky, Crazy lovely ,,
Ready you guys ?! "" I'LLs Club"!!

Saturday 23rd JUN. 
Seenspace huahin+Vaccine
See you there!❤️ START 9 PM

"ILL's Club" Hua Hin
〜居留守倶楽部〜 
@ Seen space Huahin+Vaccine
Saturday 23rd 
open 9pm
ENT: Free! Tipping live! 
-Special Act-
⚫️eico
⚫️Amatuti dub drawing space - KOTA TAKI
⚫️Trance America (Gary Hall)
⚫️Wanorn art House 
⚫️Dr.Doon 
=live paint=
⚫️Art by Karma

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2018/06/30 (SAT)-07/01 (SUN)  

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2018/07/01 (SUN)  7~9 pm 

BANGKOK UNDERGROUND FILM FESTIVAL

7-9pm, Saturday 30 June 
7-9pm, Sunday 1 July  -improvisation session -

We are currently accepting submissions via Film Freeway: https://filmfreeway.com/BangkokUndergroundFilmFestival2018

This screening is part of Norm Market by Noise Market 2018, organised by Noise Market.

Event cover image cr: Graham Meyer

 

Rendezvous at 12×12 <Nakarin Teerapenun × Kota amatuti Taki>

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2018/06/13(Wed)

Rendezvous at 12×12

Nakarin Teerapenun × Kota amatuti Taki

最近暑いのもあるけど近所で食えるタイ飯にことごとく飽きたようで食欲がなくてまた痩せてしまったもので、昨日は帰宅後にカロリーの高いものを食べようと日本の弁当屋さんにのり弁当の出前を頼んで無理やりたくさん食べたら疲れてしまって即寝てしまってさっき起きた。また生活のテンポがずれてしまった。真夜中に起きたらメッセージにキング&ゴルフさんのアートワークが届いていて『おお!今回もいい感じ!』と興奮して眠れなくなったのでもう起きることにした。今週はライブが無いのでブッキング関連の雑事とこのセッションのアイデアを練ることに大方の時間を割こうと思っている。

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この前タイのギタリストでレコード屋もやっている友人から『KOTA、君はよくわかっていないだろうけど、GOLFさんはタイの若いミュージシャン、特にギタリストの憧れなんだ。弟子も多い。みんなGOLFさんみたいになりたがっているんだよ』と真顔で言われたが、外国人であまり細かいことを気にしない鈍い俺でもさすがにそろそろわかっている。いろいろな場所でタイの若い連中が彼に対する時の態度は尊敬以外のなにものでもないし、バンコクの楽器屋でスタッフや出入りしているミュージシャン達に声をかけられるようになったのも彼と一緒にやりだしてからだった。彼は素晴らしいギタリストだけどその前に人間性が本当に素晴らしいので、若い連中が尊敬するのは良く理解できる。俺も素直に尊敬している…がしかし、あまりに尊敬が過ぎるので前回のセッションに参加した若い二人は良いミュージシャンだったけど演奏中に完全に固まっていた。写真で見るとわかるが、100パーセント彼のバックアップに集中している。先輩に敬意を払うのは素晴らしいことだけど、フリーフォームのセッションとなると話は違ってきて過ぎた敬意は少し邪魔だ。誰かが前を走っていたらそれをガンガン追い越していかないと展開しない。誰かの後ろで右往左往しているだけでは世界は広がらず膠着してしまう。タイでやっているとこんな感じになることは多い。先輩後輩の上下関係がとても強いからだ。俺はもちろんいつものように『何をやっても絶対に怒らないから好きにやってくれ』と言ったが、その真意はなかなか伝わらない。人として悪いことではないし長年の習慣でもあるのでその場で振り捨てるのはかなり難しいのだろう。

なので、今回はシンプルにふたりだけで演ることにした。

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個人的に俺が彼を尊敬している理由は音楽の理論をガッチリ勉強した上でそれをすっかり外して自由な発想で演奏ができるということだ。これが本物のミュージシャンってもんだよなぁと演奏中に感動することが何度もある。俺は知識に縛られるのが嫌だったし自分が不器用で楽器奏者としての才能に乏しいと理解していたので、無垢な状態を保つために音楽を学ぶことをある時期から完全に放棄しているが、これはある意味簡単で《何も知らない》のだからただの《素》である。innocentの意味を調べると純真、無邪気という意味もあるが無知とか馬鹿と言う意味もある。俺はどちらかというとこっちだ(笑) ただ、こんなアプローチをやり続ける奴はあまりいないので愚直さこそが俺の唯一の武器でもある。彼は天才で俺は愚直だ。悪くないコンビネーションだ。

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日々の光景とおじさんからおじさんへのちょっとしたディス

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たまには日常的なことを書いてみる。タイではパンツを買ってもユニクロくらいしかその場で裾直しをしてくれない。なので、裾直しは路上でミシンを走らせている露天商かショッピングモールのお直しショップに行ってオーダーする。部屋の掃除をして洗濯のついでに服の整理をしていたら、2年以上前にアウトレットで買ったまま面倒臭くて放置していたラングラーのパンツを見つけた。とりあえず放置していても仕方ないのでタイ在住の男性のブログを見つけて読んでみると路上での裾直しのことが書いてあって値段は200バーツしたという。ちょっと高いよな…と思いつつアパートのオフィスに行って近所に露店が出ていないか尋ねると歩いて3分くらいのソイ・エカマイの路肩に出ているという。なので裾の長さを決めて持って行ってみた。

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日曜なのでおばちゃんがミシンを構えている周りを孫と娘と近所のおばちゃんが囲んで井戸端会議のような状態。『サワディーカップ!』というと全員がこっちを見たのでとりあえず笑顔で『タムガーンダイマイ?(仕事頼める?)』と言うと『ここで待てる?』というので『ダーイ(待てる)』と言って女性の輪の中へ。おばちゃんはぺちゃくちゃと話をしながらも淡々と作業を進めて10分もかからずに裾直し終了。糸の色もしっかりパンツに合わせて変えてくれたし出来上がりは上々。『いくらですか?』と聞くと『30バーツ』という。『30バーツ?お釣りある?』と100バーツを出すと崩して来いというので飯を買って崩してお支払い。えらく安いなぁとびっくりしつつ冷静に考えてみると、下町なので近所のマーケットではジーンズが200バーツで売っているわけで、裾直しに200バーツかかるわけがない。『どうもありがとう!』と丁寧に礼を言って帰った。バンコクではよくあることだけど、地域によって値段はピンキリなのである。ブログ主が日本人ってことで吹っかけられた可能性は否めないけど、それにしても金額としてはたかが知れているので大した問題ではないが、同じ作業で30バーツと200バーツではだいぶ違うよな。俺は10分で終わったが場所によっては数時間~数日かかるらしいし。そういや昨日移動中に雨宿りに入ったデパートで靴を見ていたら、店員が全篇タイ語でセールストークするので、いつ気付くんだろうな?と思っていたら最後まで喋り切った後でどうですか?って顔をしたもので『ごめん。タイ語はあんまりうまくないんだ』と言ったらめちゃめちゃ慌てていた。どうやら俺は服装がタイ人になっているらしい(笑)ものすごく謝られたので『マイペンライカ~ップ』と言ったら後ろで見ていた他の店員が笑っていた。タイ人に見えるとぼったくられることが減っていいかもね。

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スコールが止むまでの一時間ほどデパートの中を見回って休日を楽しむ日本人のオジサンたちをたくさん観たが、俺は同朋である日本人のオジサンたちにひとつ言いたい。

鏡で自分の顔をよく見て服装を決めろ!!

ぜんぜん似合ってないぞ!!

バンコクは暑いのでカジュアルな恰好をしている場合が多いので特にそのズレがひどい。例えば、スポーティーなテニス青年みたいな服装なのに腹は出てるし髪型は7・3分けでできそこないのアイコラみたいだったりして本当に意味が解らない。

マジで酷いぞ!醜いぞ!!

基本的に顔と合っていればどんな服装でも良いと思うが、おじさんは多分20代のままの気分なんだろうな…もちろん洒落たおじさんもたくさんいたが、比率は8:2くらいで自分のことを把握できていない人が多い。身内の誰かが言わなくてはいけない。たまに行き過ぎてギャグマンガのキャラクターみたいになっている人もいるがあれは面白いので良い。多分彼等は鏡を見て試行錯誤の末にあの姿になっていると思う。

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俺もわけのわからない格好をしているので人のことは言えないのだけど、皆さん稼いでいるんだし同じ金をかけるならもう少し洒落た格好ができると思うので余計なお世話だけどディスってみた。本日は以上。

In the Night -Smalls 後記-

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Photo by David Jacobson

この日のSmallsはとても賑わっていて、個性的なお客さんたちがリラックスして空間を共有していた。Smallsは数年前から写真を見て知っていて一度行ってみたかったが機会が無かった。回転扉を抜けて店内に入るとスピーカーから流れているわけでもないのにMilesのBitches Brewが聞こえてくるような素敵な異空間だった。俺は現場に到着する前から睡魔に襲われていたので、ほとんど酒も飲まずにコーヒーを山盛り飲んでド素面で演奏した。そんな状態だったので演奏内容の記憶はあいまいだし最後は携帯まで忘れて帰ったくらい疲れていたが、そこに集まってくれた満員のお客さんとセッションメンバーと濃密な時間を共有したという感覚だけは残っている。

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店のオーナーで個性的なフォトグラファーでもあるデイヴィッドさんとは以前にメッセージでやり取りをしたことがあったが、セレブなお客さんの集うBARの雰囲気は俺の地味な修行僧のような生活様式とはかけ離れていて、要するに無名の貧乏ミュージシャンが普段気軽に飲みに行くような場所ではない。世界は明確に不平等でコミュニティーを切り分けているいるのはわかりやすくMoneyだ。陽があるうちは街のあらゆるところで見え隠れしているこのやっかいで強固な境界線が陽が落ちると少しずつ曖昧になってくる。夜の始まりだ。

coconuts.co

俺たちは演るとなったらもちろん場所に関係なくいつものように自由に音楽を奏でる。空気は読まずやりたい放題。今を切り取っては投げ捨てるような刹那的な音楽。皆が知っているような気の利いたフレーズや名曲など欠片も出てこないしコード感も明確なリズムもない。今回はPok&Juneがいきなり演奏を始めたので演奏前の挨拶すらなかった(笑) 俺はもう若くないし最近は意外と常識人であるので彼等に目で『お客さんに挨拶しないのか?はじまってるのか?』と尋ねてもPokは笑ってるだけでJuneは既に演奏に集中していて目も合わせてくれない。気が付くと一番大人なはずのGOLFさんも骨折をした左手を固めているギプスで弦を叩いてノイズを奏でていた。こうなるともう笑うしかない。

小粋な服を着て見目麗しい女性の多い洒落たBARで飲んでいたところにいきなりわけのわからないノイズをぶっ込まれたわけで、明らかに『なんなんだこいつらは…?』という迷惑そうな顔も見えた。眠気で半覚醒状態で演奏の始まりがわからずフワフワとした気分でメンバーと会場を眺めていた俺はギターを抱えたまま面白がってその怪訝な表情を眺めていたが、彼はその顔のままずっと最初のセットの終わりまで演奏を見て最後に表情を緩めて拍手をすると、強い酒を頼んで結局最後まで演奏を見て何も言わずに千鳥足で帰っていった。

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セカンドセットは生のドラムだったのでテンション高め。そろそろ終わりかなとギターの弦をすっかり緩めてOrangeのアンプのゲインをマックスにして短かく轟音フィードバックノイズを出すと、それを合図にしたかのようにPokがテーブルに飛び乗って終了を宣言してEND。すると、ライターだというアメリカ人が飛び出してきて『これは物語だ!音の中に俺の人生が見えた!…』としばし難解でハイテンションな演説をかまして皆が『???』となりつつも拍手を送って宴は終了。始まりの時点で予定のタイムラインは崩壊していてけっこう長時間の演奏だったが、最後までいてくれたお客さんはみんな酩酊していてとても良い笑顔をしていた。

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真夜中を過ぎる頃には境界線はすっかり消え失せている。最初は整然と座っていたお客さんたちも思い思いの場所で眺めたり身体を揺らしたり写真を撮ったりというカオスな空間が出来上がっている。昼の仮面を外して素になって混ざり合う多種多様なお客さんの顔を眺めていると、地元の友人の歌う『まるでmusicはMagic~♪』というフレーズが毎回頭の中でリフレインする。後で写真や映像を見るとそんな時決まって俺は口元に薄く笑みを浮かべて演奏している。ご満悦って感じだ(笑)

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演奏が終わると人が一斉に動き出して混乱していて片づけができなかったので、とりあえずビールをゲットしようとカウンターに行くとデイヴィッドが酩酊状態で歩み寄って来た。

『Hey…君たちは』と言うと彼はしばらく絶句して左右に首を振りながら

『ああ、すまん。今夜みたいな演奏は初めて見た。とにかく最高だ。ありがとう』

『こちらこそありがとう。この店は最高に雰囲気がいい。ソロも演らせてよ』

『もちろんだ。連絡してくれ』

『OK。また連絡するよ』

うん。結果は上々だ。

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次は間も無くギプスが取れるGOLFさんと12×12でギターデュオ。そろそろソロのブッキングも始めなくてはいけない。

眠れない夜

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早い時間に寝てしまって真夜中に目が覚めた。明日…というか今日はセッションがあるもので昼夜働いている状態になるし、木曜金曜もけっこうなスケジュールなのでがっちり寝るべきなんだけど、届いていたメッセージに返信しているうちに完全に起きてしまったものでもう無理だ。あとは気合で乗り切るしかない。

明日のSMALLSでのセッションはStylish NonsenseにGOLF T-BONEも加えたいつもの4人編成になった。この面子でやるセッションもそろそろ数をこなしつつあるので、何か次の展開が生まれる匂いがしている。数年前のこの街にはフリーフォームのインプロのライブはほぼ無かった。唯一それをやっていたスタイリッシュナンセンスのふたりに声をかけて12×12でのセッションを開始して、一昨年にゴルフさんに出会ってからも各々が演奏の機会を持ち寄る形で少しずつ演奏機会を増やしてきた。

昨年あたりからいろいろな場所での演奏機会が増えつつあるのは面白くなってきたという証拠だろう。それも、最初はミュージシャンでもある観客を相手に演奏しているような場面がほとんどだったが、ここ半年は普通のお客さんに対して演奏する場面が増えていて、これは凄く良い傾向だ。やっと始まったのかな…?と言う感じだ。3人だけでアプローチしていた頃はかなり試行錯誤していた。迷走していた時期もあって、あまりに意味不明すぎて12×12のヒロシに『もう少しわかりやすくしてくれ』と怒られるくらいわけのわからない音になっていた。ただ、何でもありが基本の音楽なのでやり続けることでクリアしていくしかないので音楽的な話し合いは皆無だったが…(笑)

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『良い音はどんな人にとっても良い音だ』と思っている。なので、常に良い音楽を奏でて心を開いていればそれが抽象的であっても伝わるものだ。心を閉じてひとりで弾いてしまうとただの発表会になってしまってせっかく来てくれた皆と感覚を共有することができない。様々な場所で様々な人を前にして曲の無い演奏をやり続けながら感じた実感なので間違いない。歌もない、曲もない演奏をやっている奴らが自由に表現する歓びを伝えなかったら観客は『何を楽しめば良いんだ?』ってな感じになる。それでは遺憾。

演奏に関するあらゆることはミュージシャンの個人的な問題で日々のトレーニングでしか解決しない。一番大事なのはライブにおいてその場にいる全員を意識の中に置くという一点に尽きる。なので、日々トレーニングをした上で、日々の中で作ったすべてをライブの前に全部捨てる。自分の部屋やスタジオとライブ会場では状況がまったく違うわけで同じ音になるはずがない。即興である限り当たり前の話だ。

誰も知らない音楽はスタート時に全員が同じところに立っているという意味で分け隔てなく平等。毎回ゼロからのスタートだ。どんな場所でも、どんな人がいても、演奏者ですら何が生まれるか知らない。俺達は同じ空間に集って音楽が生まれる瞬間を共有する。とてもシンプルで良い。

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音楽は知れば知るほど素晴らしい。無限だ。ただ、昨今はビジネスに取り込まれ過ぎている。学校も基本はクソだ。若いミュージシャンの発想の多様性が花開く前に殺してしまう。若くて腕のあるミュージシャンたちから、ビジネスモデルにハマるように計算された作品制作のプランを聞く度に心底がっかりする。それはただのビジネスの話だ。先ず自分の理想とする音楽があってそのあとに全てが起こるべきなのだ。情熱と衝動によって作品は作られるべきで、マーケティング先導で作られるものは音楽とは言わず製品とか商品と呼ぶ方がふさわしい。卵と鶏みたいな不毛な話なのかもしれないけど。

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さておき眠れない夜に思うのが愛しい女性のことではなく音楽の話ばかりってのも人としてどうなのかね…やっぱり音楽は不治の病やな。

 

5月の徒然

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写真は今回の内容とはぜんぜん関係ない。

 

5月はライブ5本だけ。それもセッション中心だったのでソロが少ない。ソロの能動的なブッキングを止めたままなのでそらそうだ。来たのを受けてるだけじゃこうなる。単純に体力と時間の問題なので俺がブッキング再開すれば良いだけなんだけど、もう少しで新たな扉が開きそうなのでひたすらトレーニングを繰り返していた一ヶ月だった。8月分からブッキングを再開する予定なのでそれまでには新たなソロセットの概要を詰めるつもりで弾き続けている。

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知り合いのアメリカ人のデザイナー/ミュージシャンから面白い話が来ている。今週末にミーティング。言い回しが流暢すぎて彼の英語は理解しきれないんだけど、内容はEPリリースの話なので今の俺には渡りに船と言う状況なので、とりあえず詳細を聞いてみることにする。今回タイミングが合わなくても彼のプロジェクトは今後もリリースを続けていくようなのでそのうち何かにつながるだろう。

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加齢とともに体力が落ちていっていることを激しく実感中である。もう少し活動を活性化するためにも食い止めなくては…(涙)