An "I " Novel from The City Of Angels

Diary 『バンコク在住日本人ギタリストの日記』

ツアー後記

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チェンライのイベントはGalleryで開催。いろいろな人が来ていて終始和やかで美しい光景だった。ゲストハウスのスタッフも含めて良い人ばかりで良い土地だなという感想。郊外の景色もとても美しい。有名なホワイトテンプルや他のええ感じのお寺にも連れて行ってもらったが、何よりもたくさんの朗らかでおおらかな人に会えたことが一番印象的だった。空も広くてとても綺麗だったし。

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会場の9ART GALLERYでは初めてのイベントだった。初めてにしてはマニアックな出演者ではあったけど(笑)この日は俺はどちらかというとチルアウトに近いプレーを演奏した。ライブも初めてというような人が見えたのでゆっくりした展開を心掛けての1時間セット。

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おおむね好評だったと思う。会場を見に行ったが、良い塩梅で整備された湖畔のスペースを使った野外パーティーの企画があるようだし、スタジオでソロの録音をやらせてくれるそうなので、スケジュールを作ってまたチェンライには行くことになるだろう。

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前回は移転したばかりと言うこともあって雑然とした雰囲気だったが、今回のMINIMAL BARは時の経過で前回より落ち着いた雰囲気のLIVE BARになっていて、お客さんたちが演奏をしっかり見てくれていた。共演のJOE ENSOはとても良いギタリストなのでそのうち一緒にもやってみたい。ノイズマッシュアップを混ぜた1時間のセットはあっという間に終わってしまったが、お客さんからももう少しと言う声があったようで次回は2時間演ってくれと言われた。12×12のイベント【Chill Ppd】で作って来たBAR ambient setがしっかり出来上がってきているようでうれしい反応だった。

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Thapae EastにはMINIMAL BARとは別の系統のお客さんがたくさん集まってくれた。ここはライブ小屋なので一番展開の早い即興セットを演奏。オーナーのPaulがジャズサックス奏者なので阿部薫エリック・ドルフィーの音を途中で使ってみたりして楽しみつつの1時間。最後はYuiさんとのセッションで締め。

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Yuiさんとは3ヶ所で共演して毎回最後に10分ほどの『Monologue of Oppenheimer』というセッション曲を演った。彼が原爆開発者として公開の念を語っているモノローグを中心に展開して最後は柔らかく着地するってシンプル決まりだけがあった。権利問題があるだろうし音源にするのは難しいだろうけど、会場の反応は良かった。Yuiさんのチェロの音には悲劇が良く似合う。俺は無感情にひたすら平穏に弾き続ける。悪くないバランスだった。美しいメロディーもあるのでソロでも弾き続けて熟成したらどこかでまた共演するときに披露できるだろう。

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最終日は毎度おなじみStudio3にて超長時間アンビエント演奏。途中でYuiさんも参加したが彼女はもう1箇所ステージがあったのである程度の時間で一旦セッションを締めて、その時点でイベント終了っぽくなってお客さんも帰って行った。その後2時間ほどは夕方5時までのひとり旅。モノローグのように個人的な音楽を弾き続けていた。演奏しながら旅の中で感じたことが整理されていくのか、自分でもほぼ聞いたことのないフレーズを自分の指が勝手に奏でている状態はとても楽しい。30分1曲のドローンノイズを演奏させてくれる場所はなかなかないし、超長時間演奏の果てにしかこの忘我状態は訪れない。なのでお客さんがいてもいなくてもひたすら時間と空間に対して弾き続ける。今回で3回目になるイベントとも言えないくらい放置されたこの空間がアンビエントミュージックに一番似合っているなぁと最後の曲を弾きながら思っていた。

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