An "I " Novel from The City Of Angels

Diary 『バンコク在住日本人ギタリストの日記』

Rendezvous at 12×12 <Nakarin Teerapenun × Kota amatuti Taki>

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2018/06/13(Wed)

Rendezvous at 12×12

Nakarin Teerapenun × Kota amatuti Taki

最近暑いのもあるけど近所で食えるタイ飯にことごとく飽きたようで食欲がなくてまた痩せてしまったもので、昨日は帰宅後にカロリーの高いものを食べようと日本の弁当屋さんにのり弁当の出前を頼んで無理やりたくさん食べたら疲れてしまって即寝てしまってさっき起きた。また生活のテンポがずれてしまった。真夜中に起きたらメッセージにキング&ゴルフさんのアートワークが届いていて『おお!今回もいい感じ!』と興奮して眠れなくなったのでもう起きることにした。今週はライブが無いのでブッキング関連の雑事とこのセッションのアイデアを練ることに大方の時間を割こうと思っている。

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この前タイのギタリストでレコード屋もやっている友人から『KOTA、君はよくわかっていないだろうけど、GOLFさんはタイの若いミュージシャン、特にギタリストの憧れなんだ。弟子も多い。みんなGOLFさんみたいになりたがっているんだよ』と真顔で言われたが、外国人であまり細かいことを気にしない鈍い俺でもさすがにそろそろわかっている。いろいろな場所でタイの若い連中が彼に対する時の態度は尊敬以外のなにものでもないし、バンコクの楽器屋でスタッフや出入りしているミュージシャン達に声をかけられるようになったのも彼と一緒にやりだしてからだった。彼は素晴らしいギタリストだけどその前に人間性が本当に素晴らしいので、若い連中が尊敬するのは良く理解できる。俺も素直に尊敬している…がしかし、あまりに尊敬が過ぎるので前回のセッションに参加した若い二人は良いミュージシャンだったけど演奏中に完全に固まっていた。写真で見るとわかるが、100パーセント彼のバックアップに集中している。先輩に敬意を払うのは素晴らしいことだけど、フリーフォームのセッションとなると話は違ってきて過ぎた敬意は少し邪魔だ。誰かが前を走っていたらそれをガンガン追い越していかないと展開しない。誰かの後ろで右往左往しているだけでは世界は広がらず膠着してしまう。タイでやっているとこんな感じになることは多い。先輩後輩の上下関係がとても強いからだ。俺はもちろんいつものように『何をやっても絶対に怒らないから好きにやってくれ』と言ったが、その真意はなかなか伝わらない。人として悪いことではないし長年の習慣でもあるのでその場で振り捨てるのはかなり難しいのだろう。

なので、今回はシンプルにふたりだけで演ることにした。

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個人的に俺が彼を尊敬している理由は音楽の理論をガッチリ勉強した上でそれをすっかり外して自由な発想で演奏ができるということだ。これが本物のミュージシャンってもんだよなぁと演奏中に感動することが何度もある。俺は知識に縛られるのが嫌だったし自分が不器用で楽器奏者としての才能に乏しいと理解していたので、無垢な状態を保つために音楽を学ぶことをある時期から完全に放棄しているが、これはある意味簡単で《何も知らない》のだからただの《素》である。innocentの意味を調べると純真、無邪気という意味もあるが無知とか馬鹿と言う意味もある。俺はどちらかというとこっちだ(笑) ただ、こんなアプローチをやり続ける奴はあまりいないので愚直さこそが俺の唯一の武器でもある。彼は天才で俺は愚直だ。悪くないコンビネーションだ。

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