An "I " Novel from The City Of Angels

Diary 『バンコク在住日本人ギタリストの日記』

夢か現か幻か

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Rendezvous with Sergio Verdinelli at 12×12 BKK

12×12で開催したイベント【Rendezvous】でのセッションは良い感じだった。俺のギターがかなり古いので、後でセッション映像を見たら調子の悪い時のジミヘンのようなヘロヘロのチューニングで申し訳なかったが、彼のプレイはとにかく素晴らしくて観に来てくれたみんなは完全にぶっ飛ばされていた。彼自身もとても楽しんでくれたようで良かった。

今回はヨシタケ君の紹介で彼といきなり彼等のアジア旅行の中にふたつのライブを組ませてもらったわけだけど、フリーフォームのジャムセッションってのはいきなり自分のコアな部分をさらけ出す感があるので演奏が上手くいった後は以前から知っている長年の友人のような気分になってしまう。昨日は1日街を案内して歩いたが、セルヒオとジュリアナはとても仲が良くて可愛らしくて気持ちの良いふたりなのもあってリラックスした良い休日になった。ディナーの時にタイレストランでビールを飲みガイヤーンをたらふく食べた後で、陽気な彼等がテーブルの向こう側でくるくる表情を変えながらハイテンションで競い合いつつ俺に大好きなボカジュニアーズの話をする姿を愛おしく眺めながら、出会いってすげえなぁ・・・音楽ってすげえなぁ…と思っていた。

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この街は観光都市でもあるのでいろいろな国の人間と会う機会があるけど、普通に暮らしているだけではなかなか友人になる機会は訪れない。英会話のスキルの問題もあるし。それが音楽を介すと一気に解決してしまう。俺はバンコクに来るまでは俺は全く英語を喋ったこともなければ外国人の友人もほぼいなかったし人見知りの上にかなり不愛想なわけで、そんな奴が今まがりなりにも異国でたくさんの友人を作れているのは明らかに音楽のおかげだ。音楽ってのは言葉の要らない優れたコミュニケーション手段であるのは間違いない。出会った同種族の友人と短いけど密度の濃い時間を過ごすってのは人生の歓びだ。俺を取り巻く全てに感謝するしかない。

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演奏を終えて酒を飲みながらパーティーの中でひとりでチルアウトしているときに、ふとデジャブのように日本で見たたくさんの光景を思い出すことがある。もちろんパーティーなのでよく似た光景なんだけど、目の前の光景の中には日本人がひとりもいなくて皆が俺に英語かタイ語で呼びかけてくる。酔いも手伝って現実味が薄れていってとても不思議な気分になる。あれ?これ夢なのかな?って感じである。すると大概の場合は友人が現れて『KOTA大丈夫か?生きてるか?』って感じで俺を現実に引き戻してくれる(笑)バンコクの友人達は大概の奴は俺より若くて元気なので、ひとりで黄昏てないでテンション上げようぜって感じである。でも俺は全てを楽しんでいる。心配ない。

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3月29日に10年以上前に神戸のカタカムナで出会ったタブラ奏者のNaoto vavaとJAMで演奏する。おまけに俺の好きなタイのアーティストのひとりのチェロ奏者YUIさんも一緒に演奏する予定だ。これも俺の人生が現実だったと知らせてくれる出来事のひとつで、日々に追われてすぐに忘我状態になる俺のケツを誰かが『目を覚ませ!現実やぞっ!』て感じで叩いてくれてるのだと思っている(笑)

人生はたまにミラクルで相変わらず面白い日々だ。

ただ、毎回見送りだけは寂しくなるからいやだなぁ…。

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