An "I " Novel from The City Of Angels

Diary 『バンコク在住日本人ギタリストの日記』

気合の入った女性にはかなわない

www.youtube.com

言葉ってのは常套句として繰り返されるたびに形骸化していってしまう。なので思い入れもなくリスペクトって言葉をやたらと口にするのも口にされるのもあまり好きではないのだけど、ジャマイカで活動している日本人女性レゲエシンガーの Rankin Pumpkin には素直に言える。彼女はスゴイ。

Respect !!

www.loopjamaica.com

彼女がジャマイカの人気番組に出演した初の日本人コンテスタントであるとか、出場しただけでなく勝ち抜いているとか、もちろんそれ自体も素晴らしいことだけどそういうことがスゴイと言っているわけではない。動画で見ればわかるが、彼女はスキルではなく言葉でジャマイカのお客さんの心を掴んでいる。同じ番組の他の動画を見比べればわかるが、お客さんが地元のシンガーのステージとは明らかに異質な反応をしている。

例えば俺は言葉がない音楽をしている。音だけならば万国共通だ。下手に言葉を入れるよりシンプルに伝わるので逆に異国での活動には向いていると自分でわかってやっている。外国で活躍している日本人にテクニックで押していくミュージシャンが多いのはそのせいだ。要するに母国語ではない言葉で歌って観客に何かを伝えるってのは本当に難しいことなのだ。

FBに書かれた本人のコメントによれば、コンテストを勝ち抜いていく過程で顔が売れていくにしたがってジャマイカのネット上では賛否両論喧々諤々。日本でいうネトウヨのような輩たちの書き込む悪意のあるコメントも多いらしい。その悪意に負けるどころか、それを逆手にとって「Dem Vex(彼らは気に食わない)」というリリックでもう一発パンチを打ち返すってのは矢面に立つ勇気と確固たる意志が無くてはできない。でも彼女は俺が書いているみたいにごちゃごちゃ考えてやっているわけではなくて、自分の目標の為にどうすれば良いかを考えて真っ直ぐにそれをやっている。胆の据わった女性は強い。感動してしまった。

www.youtube.com

ちなみに、バンコクの俺の周りで一番仕事をしている日本人DJも女性である。DJとギター弾きで少し違うとはいえ、俺のステージの数は彼女のこなしている仕事の半分にも満たない。これまたかなわんなぁと思うのである。