An "I " Novel from The City Of Angels

Diary 『バンコク在住日本人ギタリストの日記』

いよいよ来週です

KOTA amatuti TAKI Solo Tour 
~ Free improvisation music in Chiang-rai / Chiang-mai 2018 ~

いよいよ久々に旅…と言ってもたった1週間だけのツアー。貴重な時間をできるだけ無垢な心で過ごしたい。今回はチェンライからの流れでほぼユイさんと共演する。ここはタイなのに日本人の俺がブッキングを先導しているのはなぜなんだ…なんだかバンコクと地方文化の断絶をリアルに感じる。知れば知るほどタイのコミュニティーってのはけっこう複雑なんだけど、外人はそれを気にしないで踏み越えるのでこんな場面がよくある。流石にこれだけいろんなシーンと交流すると少しずつ境界線が見え隠れするんだけど、そこを深く掘り下げるつもりは一切無い。音楽活動にはそんな知識は不要だ。境界線をガン無視して軽やかに踏み超えて有耶無耶にしてカオスを出現させることこそアートや音楽の役目だと思っている。なので、理屈っぽいことを歌ったり主張する連中は嫌いだ。音楽が濁る。俺は馬鹿でいい。鳥や虫のように音を奏でて歩ければそれで良い。

さておき、ツアースケジュール最新。旅の始めはチェンライのスタジオでのレコーディングなので今回はライブ4本だけ。セッションが増えるかもしれない。

f:id:amatutitaki:20180925071613j:plain

2018/10/17(Wed) 8pm~10pm
At 9Art Gallery <Chiang-rai>
FB Page >>https://www.facebook.com/9artgalleryarchitectstudio/ 
amatuti dub drawing space a.k.a.KOTA TAKI
Yui Cello
Yui Cello FB Page >> https://www.facebook.com/YuiSaowakhon/
Youtube>>https://www.youtube.com/cha…/UCTdmuWK1NVRdXVcnhtGmKrA/videos

チェンライ初ライブ。この日は抽象的な即興中心のセットになる予定。1時間くらいかな。地元のアーティストの記事によるとチェンライで初のエクスペリメンタルミュージックのライブイベントらしい。なので、期待に応える方向でやりたい放題弾く。

f:id:amatutitaki:20181009201627j:plain
2018/10/18(Thu) 9pm 
Kota amatuti Taki ~60 min' solo soundscape~ 

At Minimal Bar <Chiang-mai> Confirmed
FB Page >> https://www.facebook.com/Minimalbar2007/

Minimal Barはチェンマイ大学出身の若いアーティストやミュージシャンが集まっているBAR。前回いきなりメッセージを送って出演させてもらったので今回も直接お願いした。良い空気を作る感じで1時間のアンビエントセットを演る予定。

f:id:amatutitaki:20181009202838j:plain
2018/10/20(Sat) 
At Thapae East Venue for the Creative Arts <Chiang-mai>
HP >> https://thapaeeast.com/
FB >> https://www.facebook.com/pg/ThapaeEast/about/?ref=page_internal

<Live Music>
KOTA amatuti TAKI
Yui Cello

ここは基本はJAZZ小屋。ちょっとハイソな感じ。ゲストハウス併設でとても洒落た空間。ライブ小屋なので1時間のライブセット。ここも好きにやる

f:id:amatutitaki:20181006105421j:plain
2018/10/21(Sun) 11am ~ 5pm

Sunday Fermentaition Vol 3

~ ambient music for Sunday afternoon ~ 
At Studio3 at SRIPRAKARD CHIANGMAI
KOTA amatuti TAKI
Yui Cello
STUDIO3 HP >> http://studio3.c2ec.com/
Sriprakard Chiangmai FB https://www.facebook.com/pg/%E0%B8%A8%E0%B8%A3%E0%B8%B5%E0%B8%9B%E0%B8%A3%E0%B8%B0%E0%B8%81%E0%B8%B2%E0%B8%A8-Sriprakard-Chiangmai-597232353720028/about/?ref=page_internal

最後は今回のツアーの最長セットを演る。ユイさんも出演するが演奏時間は30分程なので俺は残りの5時間30分、休みを挟みつつひたすら弾き続ける。セッションは...彼女の気が向いたらあるかも。

f:id:amatutitaki:20170127164251j:plain

さて、今夜もトレーニングして終了で。本日は以上。

 

【追記】

本番のテンションでリハーサル…と思ったら、ノイズアンビエントとドローンギターだけで曲を1曲もやらずに1時間セットが終わってしまった…ぜんぜん整理がつかない。もう1週間切ってるしまとめるのは無理かもしれん。音はええ感じ。当たり前やけど今までで一番良い状態にある。2時間は無理かもしれんけどゆるやかに1時間半くらいは会場をロックできるかもしれない…とりあえずできる限りは研ぎ澄ませてから全部忘れよう(笑)

 

アジアで演奏する理由

f:id:amatutitaki:20181006212833j:plain

俺がタイを中心にアジアで演奏活動をしようとしている理由は単純明快で

生演奏できる場所がたくさんあるから である。

除夜の鐘がうるさいって言う理由で年越しの鐘が昼間に変更される国はハッキリ言って病気だ。日本の大多数の人がそうなっているからこそこんな狂った出来事が起きるわけで、正直頭がおかしいとしか思えないが、確実に少数派であろう俺の方が世間的には頭がおかしいんだろう。俺のやっているスタイルは閉鎖的でビジネスライクな日本のライブハウスではできないし、街の中で生演奏をできる場所は年々無くなっていくわけで、もう日本に住むって選択肢はほぼ無くなってしまった。

ぼくのりりっくぼうよみという若いアーティストが引退云々でファンとやり合った話を最初は笑いながら読んでいたが、ファンだという奴の『私たちがいるからあなたは食えてるんでしょ』的なコメントが載っていた。作品に対してお金を払っているのではなく、どうやら養ってあげているってな気分らしい。虫唾が走る。芸能人に対してモラルを求めてみたり何かにつけ文句を言ってみたり、お客様は神様ですって言葉が長い年月の間にねじ曲がってモンスターを養成してるような(笑)

f:id:amatutitaki:20180527134458j:plain

あとは現実的な理由として泊る場所が確保しやすくて移動が容易い。ホテルも飛行機もバスも安いし大概の場所ではミュージシャンの酒と飯は無料だ。ある程度スタイルを確立していればギャラは安くても渡り歩くことができる。下の記事はFBに上がっていたカンボジアシアヌークビルのゲストハウス併設のLIVE BARの出演ミュージシャン募集記事だが、機材は全部あるし部屋もあるよ…ってな感じで出演者への条件が書かれていて、BARの空間を作る要素の中にライブミュージックが含まれていることがわかる。お!?ええがな。演奏しに行こうかなって感じである。興味のある人は写真をクリックすると記事に飛べる。田舎だけど面白そうな場所だ。

[http://:title]

日本では前述のビョーキのせいでライブミュージックが通常の営業状態で存在していない。隣の生活音や子供の声で警察を呼んだり殺し合いに発展するような国なので仕方がない。なので日本ではライブは特別なイベントになる。日常的ななものではない。そして、先ず各地のホテルと交通費とギャラが高くつきすぎるので先ず金のことを考えなくては成り立たない。音楽=ビジネスという風に考えないとできないので必然的にミュージシャンは気に入られて金を得るためにガツガツしないといけないし、土地土地で誰かに頼らないと成り立たせるのが難しい。過去、俺はいろんな場面で怒っていた。音楽とはぜんぜん別の面で日々消耗していくからだ。

f:id:amatutitaki:20181008070056j:plain

要するに、メジャーシステムと同様に定期的に曲を作ってCD作ってツアーまわって…という1年毎のサイクルを確立してとにかく物を売らなくては成り立たないのだ。いつのまにか創作しているのか売るために作っているのかわからなくなってしまう。そして特定のお客さんの為に歌を考えて皆の好きそうなグッズを作って一体感を作って…って無理だ。俺はそんなことをするのは死ぬほど嫌だ。シンプルにやりたくない。皆そうやって金のことばかり考えているうちに一番大事な音楽そのものを失っていく。そんなことばかり考えているくらいなら演奏活動を止めて普通の仕事をした方が効率が良いし好きなものを大嫌いになることもない。

f:id:amatutitaki:20170929083627j:plain

メジャーでやった上で俺の出した結論は、POPSを好きな奴がPOPSをやるのが正しいってことだ。平たく言えば一般的な暮らしを理解している人にしかPOPS(特に日本においては歌詞)は書けない。俺は育ちがおかしいもので世間と感覚がずれているし、人にも物にも興味が無いのでメジャー向きの商品を作り続けることができなかったってことだ。おまけにスター性もない(笑)わかりやすくメジャーでやる為の才能が無かった。その証拠に未だにひとりで何も持たずに彷徨っている。こんな変人には世間の皆さんの心を打つ歌は作れない。自分に合った道を進んでいくしかない。色々考えた結果、今はアジアでやるのが自分には最良というだけだ。歌い手はぜんぜん違う。歌い手は自分の国で歌い続けるべきだ。逆に言うとそこにしか突破口はない。

f:id:amatutitaki:20180430130043j:plain

そういえば、映像用の曲は2回目に出したアイデアの中のどれかになることに決まった。ほぼ全部気に入ってもらえたようで良かった。タイの有名女優のインタビュー映像の後ろで使われるらしい。要するに、こういう仕事なら好きにやって相手も喜んでくれるわけで適材適所ってもんだよな。また仕事がとれそうな雲行きだし、ひとりで仕事のできる最低限の録音機材を揃えなくてはいけないようだ。10年以上自分で録音をやっていないので機材のことがぜんぜんわからん…また勉強だな。

 

SUKHUM MUSIC FESTIVAL

f:id:amatutitaki:20181006100827j:plain

www.khaosodenglish.com

3年以上前に一時帰国した日本からタイに戻った時に初参加したライブシリーズ Come pn is such a joy スクンビットエリアでフェスを開催する。フェスのメインゲストは日本のサイケレジェンド ACID MOTHER TEMPLE他にも日本人のゲストが数組とヨーロッパ、近隣国のアンダーグラウンド/エクスペリメンタル系アーティストも参加する。バンコクで一番ラグジュアリーなエリアでゴリゴリのアンダーグラウンドミュージックのフェスをやってしまう主催者Pokのハードコアな感性と彼のキャラクターを愛する皆さんの空気を読まないコラボレーション企画。なんと素晴らしい。俺はGOLFさんとドラマーとのバンド体制で出演する予定だが決まりごとは無いのでセッションメンバーは増えるかもしれないしふたりきりかもしれない。まあどないでもなる。

Nakarin Teerapenun × Kota Takif:id:amatutitaki:20180507194655j:plain

Nakarin Teerapenun × Kota Taki

f:id:amatutitaki:20181006131124j:plain

GOLFさんはハイシーズンに向かって彼のメインバンドであるビッグバンドT-BONEのライブが増えてきているのとトリオのフリージャズユニットで忙しい。俺は俺でソロのツアーやら録音やらでバタついているので打ち合わせはないだろう。もうセッションの回数も重なってきたが、彼がこのユニットに望んでいるものを表現するには手合わせがまったく無いくらいがちょうど良いのではないかと思っている。長らくユニット名が無いし思い付きでDIS-COMMUNICATIONSって名前にしようかな…と軽く検索したら、この言葉って和製英語なんだな…ぜんぜん知らなかった。

www.facebook.com

T-BONEのフロントマンのGAPIさんは今年の朝霧ジャムやらZETTAIMUに出演している。ふたりともがソロワークも成功していてスゴイ兄弟だよなぁ。

f:id:amatutitaki:20181006105421j:plain

いろいろあるが、俺は変わらずひとり無人の荒野を行くがごとく愚直に先の見えない歩みを続けるわけである。タイの友人達のおかげでたま~に華やかな場にも出られるようになってきたが、ソロに関しては一般的なミュージシャンとは根本的に違うことを目指しているようなので、自分で試行錯誤しながら演奏する場所をさがして、誰かに呼ばれたらどこにでも行くって感じで、あくまでもメインのステージはひとりで立つ小さなステージになっていくだろう。会場にいる全員に気が届く小さな空間だ。思い描いている境地にたどり着くまではこのままサバイバルを続けよう…と、昨日お参りに行ったお寺の本堂で夕方の勤行の声を聞きながら決意を新たにした。

www.facebook.com

そんなわけで今日も一日中脳内の迷宮を彷徨う俺である。皆様良い週末を。

 

10月の徒然

f:id:amatutitaki:20181003195728j:plain

明日はオカンの命日なので仕事終わりでお寺に行く。家族とぜんぜん連絡を取らない浮浪雲なのにこの日だけはずっと忘れずに毎年こんなことを書いているのが不思議だ。

今日はヒルの仕事終わりで録音の打ち合わせの為にBrownstone Studioに行ってTommyとミーティングをして帰って来た。もともとは録音の予定だったが、昨日ディレクターに送った5つの新しいトラックの評判が良くて、どうするか悩んでるからもう少し時間をくれってことで、クリアになるまで無駄な作業をするよりは寝ようってことで打ち合わせのみ(笑)まだまだ若くてイケイケなTommyの日々スケジュールは俺の比ではなくてマジでそのうち死ぬで…って感じなのだ。早く寝ろよと言いながらなんだかんだ話しているうちに2時間ほど過ぎて雨が降りだしたので慌ててバイクに飛び乗って帰った。

f:id:amatutitaki:20180210083559j:plain

BTSでトンローに向かっていたらこの前のパーティーで会ったポーランド人の美人さんから『ありがとう!この前の演奏は本当に感動した。私は生きてるって思ったし心に何か伝わって来た!!』って最上級の感謝のメッセージが届いて、電車の中でとても幸せな気分になった。こちらの方が感謝しかない。初めて会った誰かに、自分の弾いた音だけで何かが伝わるってのは本当にうれしいもんだ。昨夜会ったパーティーの主催者のTaksinaからも『パーティーで演奏してもらえて私たちはラッキーだった。KOTAの音楽で私の友達が5人も泣いてたわ』と言われて、褒められ慣れていない俺はめちゃめちゃ嬉しいのに返事に窮して当たり前の言葉しか返せなかった。遺憾よな。

f:id:amatutitaki:20180207214103j:plain

昨夜送った5曲のトラックにしても、この前のパーティーの演奏にしても、俺の感覚はぜんぜん世間とずれているんだなぁと思ったのは、パーティーだからと脱力して演奏した方が伝わって皆が感動していたり、これはいけるだろう!と思ったトラックはダメでこれは好きにやり過ぎたからボツだろうな…と思っていたトラックに『一番好きなのはこれ!最高!!』ってディレクターのコメントがついてたりしてわけがわからん。色々な場面で同じようなことが頻発するのでこれからどうしていったらよいのかわからなくなりつつある。俺はひたすら演奏して曲を作って、判断は誰かに任せた方が良いんだろうな。マネージャーってほんまに大事やわ。

f:id:amatutitaki:20181004223245j:plain

とりあえず俺は気合を入れるとすべるみたいなので、常に脱力を心掛けて今回のツアーはいってみようと思う。何も考えずに没入する方が良いのかもしれん。

 

 

Whimsical後記

f:id:amatutitaki:20180930142619j:plain

昨夜は雨が降っていたけどフリーダムな空気のある良いパーティーだった。お客さんの年齢も様々で妙に居心地が良くて、DJ ANDREA というDJのプレイ、特にキックの音の作り方がツボだった。

f:id:amatutitaki:20180930191151j:plain

俺は最近のセットと同様にスマホのノイズをMIXしていたので録音はできなかったが、終わった時の拍手に熱が合ったのでけっこうええ感じのセットだった。パーティーのお客さんの中には以前に別のパーティーで演奏を見たというお客さんも何人かいて、終わった後で話をしに来てくれた。混沌としたパーティーの最中に初めて見たエンターテインメント要素皆無のミュージシャンの音を憶えてくれているというのは嬉しい話だ。今度からはWebで上がるライブの宣伝を気にしてみてくれるだろうし地道だけど弾き続けるってのは大事だな~。

途中でだいぶ酔っぱらった状態で近くに飯を食いに出たら先輩に会って珍しくめっちゃ喋った。ひとりでしっぽり日本酒を飲んでいたところに乱入してワーワー言ってたので先輩はだいぶ面倒くさかったはず(笑)

www.facebook.com

そんなこんなでしっかり最後まで楽しんで帰ってからも飲んで最終目が回って寝た。アホや。けどたまにはいいかな。最近あんまり酔っぱらってなかったし楽しい夜だった。ツアーが近づいてきた。昨夜の演奏の感触だと調子も悪くない。あとは集中力と体力のみ。気合入れて整えよう。

www.youtube.com

 

【10/1 追記】

soundcloud.com

スマホ使ってるしレコーダーねえし今夜も録れないな…と諦めていたが、DJ達が録音してくれていた。須磨に住んでいる時にできた【凪】って曲とか最初の即興作品に入っている【ハレノヒ】とかTrip In Summerに入っている【夢の跡】もやってるし、ここ2年くらい弾き続けている題名の付いていない曲に虫の声や水音にクジラの歌声もミックスしてつなぐところは即興で作っていて初期のamatuti dub drawing spaceのアップデート2018年版って感じで好きだ。ただ、タッチミスがめちゃめちゃ多い。相変わらずギター弾くの下手くそだわ。脳みそにプラグ直結で音が出りゃいいのに。ただ、セットの構成はけっこう良い。緩い音のままで普通のお客さんをロックしていた。調子は悪くない。タッチに関しては日々のトレーニングが足りていないだけだな…ってそれぜんぜんあかんがな。

今回はパーティーだったし女性が多かったので封印したダークノイズ/トリップホップ/エクスぺリメンタル&パンク成分を足してボコーダーで歌って歪み系の機材をもっと整備して高音質の90分セットができたらパーフェクト!!…ってまだまだやらなあかんことが多いなぁ…まだ歌は無理だし。まあ地道にいきましょう。

KOTA TAKI Improv solo tour - Chiangrai to Chiangmai -

今日サンプラーが2台戻って来たので機材は現状ではパーフェクト。ここから2週間でコンディション上げてツアーでは即興要素を増やせば久しぶりに新曲が降りてくるかも。

 

Peaceful Laboratory Experiment

f:id:amatutitaki:20180925071613j:plain

チェンマイのホテルはブッキングしたがチェンライが初めてで土地勘ゼロなのとやたら広いのでどこが良いのか全くわからない。おまけにレコーディングに使うスタジオは郊外にあるらしくてどうしたもんやら相談しつつもう一件振っているライブの返事を待っているわけだが、決まっているライブのフライヤーが上がって来た。コンサート告知っぽい真面目でしっかりしたデザイン。あとは演奏の準備を整えて人が集まってくれることを祈るしかない。知名度が無いので現地に行ってその場に立ってみないと何もわからない。このイベントは会場がギャラリーで酒場ではないので純粋に演奏を見に来る人しか集まらないし、チェンマイもそうだが地方都市の夜は早く観光客は多いが現地人は少ない。商売人が多いので集まるのは2時間程度で一気に終了する。人づてや物珍しさでやって来る様々な年代の様々なみなさんに知っている曲や耳馴染みのある音楽を1曲もやらず言葉も使わずに1時間集中してもらって何かを伝えられるか…というのが長年続けている俺の挑戦だ。飽きさせたら一気に崩れ去るし、かといって音の大きさや奇をてらったパフォーマンスではたかが数分しか持たないので、じっくり話を聞いてもらうような演奏になる。ずっと追いかけてきたのはこの状況を突破できる音楽なので、今回の状況は個人的にやりがいがあってとても嬉しい。

f:id:amatutitaki:20180430130202j:plain

バンコクでは実験的ミュージシャンのような扱いをされることが多いので、必然的に《エクスペリメンタルミュージックが好きな人にエクスペリメンタルミュージックの演奏を見せる》ということになりがちだが、これは《アイドル好きにアイドル》《レゲエ好きにレゲエ》《馬に人参》《猫にまたたび》《おっさんにゴーゴーバー》的な当たり前のエンターテインメントの構図で実験的とは言い難い。音楽を愛している人ほどきっちりとターゲットに狙いを定めたオーガナイズをするもので、それはもちろんとてもありがたいことなんだけど、宣伝段階で来る人ががっちり選別されているわけで、たまに何かが足りていないような気分になる。単純にどちらもやりたいのだ(我儘)

www.youtube.com

相変わらず遊びにも行かず誰にも会わない日常で、ライブが無かったら俺は人としてほぼ終わってるよなぁと帰り道を歩きながら思う。何が怖いってそれを苦にしていない自分の感情がどこか欠けているような気がして怖い。みんな誰かの為に生きているというのに俺にはそういう部分が全く無いって状況なわけで『俺は本当に生きているのか?』と疑いたくなる。そして誰かに演奏を依頼されて自分の生存を確認しているわけだが、そのうち呼ばれなくなる日が来るだろうし、さてどうしたもんだろう…?と考え出すと真っ白だ。チェンライの星空はスゴイらしい。良い機会なのでゆっくり考えてみよう。

本日はたいして意味のない日記

f:id:amatutitaki:20170502153103j:plain

昨日は良い天気で風が乾いていて雨季の終わりも近いのかな…と思わせた。いつものサイクルで考えるともう少しかかると思うけど、雨が降るとその後サウナみたいな状態になる俺にとって最悪の時期が終わってくれるだけでありがたい。電気機器の壊れる時期ってのはなぜか重なるもんで、今月は壊れまくった機材とPCの修理代で久々に出費がかさみ過ぎて困窮している。なんとか耐えきれるとは思うがとても大変な状況である。

ここのところ録音用の資料で送られてきた洒落た音楽を聴くことが多かったが、飽きてきたのでINUを聞いていた。80年代の作品だけどガラが悪いしやさぐれ感がスゴイ。曲が始まる前の喧嘩が始まりそうな殺伐とした客とのやりとりの末にオチがつくところが関西人らしくて良い。俺のイメージの中のパンクはこの感じ。アウトローだ。なので、昨今巷でパンクと呼ばれている音楽は音のでかいポップスでしかない。当の町田町蔵町田康と名前を変えてすっかり文化人の体なわけで、もうこのようなやりたい放題みたいなバンドの時代は終わっているようだが、このようなバンドを見て衝撃を受けて『ミュージシャンになろう!』などと言う大きな人生の選択ミスをした俺としては、たまにアンダーグラウンドで異様にテンションが高くてそれが故に人気の無いバンドを見ると応援せずにはいられない。

ここのところの英語教材は Cowboy Bebop の吹き替え版。これはこれで90年代臭がスゴイ。この作品は1998年の作品で好きな作風だけど俺はほとんど内容を知らない。なので英語だと内容を把握するのが大変。勉強には良い。興味が無い教材は見るのが苦痛だし。この作品が話題になっている頃はちょうどデビューに向けてのオーディションが続いていて曲を作るので手一杯で、肉体労働のバイトをしながら深夜に曲作りの作業をしていてテレビを見ている暇がぜんぜんなかった。サントラが売れたことでも有名な作品だけど、それを知ったのも2000年代に入ってからだった。

f:id:amatutitaki:20180922093034j:plain

宮市亮が大きなケガから復帰した試合でゴールした。ゴール後のセレモニーの写真の表情は決意に溢れている。チームメイトが復活を祝福する表情も心から嬉しそうで泣けるシーンだった。

f:id:amatutitaki:20170827112927j:plain

今日、明日は録音の仕上げに向けた足りない部分の曲作り。安易に模倣せずに自然体でコマーシャルな音楽を創るってのは長年我流の音を演り続けている俺にはとても難しくて、どうしても妙な力が入ってしまう。今回の録音の相方を頼んだラスベガス出身だけどほぼ中身がタイ人になりつつあるアメリカ人のトミーは10代の頃から才能を認められて色々な形でずっと作品をリリースしている生粋のアーティストなので純粋な彼とやるのは楽しい。5年前に出会った時から彼は人の評価を気にせず全く己を曲げずに進化し続けている。俺が尊敬している若いミュージシャンのひとりだ。作業の合間に作りかけの新曲を聞かせてもらったが既に素晴らしい音だった。

www.youtube.com

今回依頼されて作っている音楽が今後どのような評価を受けるかは正直わからない。気に入られれば大きな仕事もあり得るが、『きっちり創る』ことを優先すると決めてやっているので気に入られない可能性もある。『仕事だから…』とか日本にいる頃は過剰に思っていたが、今は少し違う。もちろんできる限り期待に応えようとは思っているが、あくまで俺の基準において作る。結果が次につながらなくても良いと思っている。若い頃は生活で苦労していたので、金が欲しくていろいろ意見を聞きすぎて誰が作ったんだかわからない作品を作ってしまう事が多々あった。あれは双方にとって意味が無かった。全員と理解し合える人間はいないし、感覚的なことであれば特にありえない。妙な雇われ根性は結局邪魔になるだけだ…ということで最後に最近感銘を受けた元政治家の座右の銘を書く。

うるせぇ By 杉村太蔵