An "I " Novel from The City Of Angels

Diary 『バンコク在住日本人ギタリストの日記』

Endless Summer (仮題) 制作開始

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さっきメッセージでやりとりをしていて、来週から新作の制作を開始することにした。俺ももちろんやるが、今回はひとりではなくてタイのアーティスト/プロデューサーであるPOKさんと一緒に制作する。作業を始める前からなんだけど、完成にはかなり時間がかかると思っている。事前に作曲してそれを一般的な作業手順で録音するって気がまったくないので、まだ漠然としたイメージしかないってのもあるが、その漠然としたイメージだけでもかなり手ごわい感じなのだ。前作の録音も大変だったし、実際にやってみると今思っているよりえらく大変だろうな…と以前からずっと二の足を踏んでいた。

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バンコクでPokさんとJuneさんに会って3年近くなるが、最初はバンコクで開催された初回のASIA LOOP FESTIVALで初めてスタイリッシュナンセンスのふたりと会って、ふたりのファンになってとりあえず声をかけた。最初の数回は『ふたりとも最高!』って感じで勢いがあり過ぎてドラムのJuneさんは少し引いていた(笑)そのうち一緒にイベントへの出演やらしているうちに『セッションしよう』って話になってトリオユニットのCHAOS JAMが始まった。なんだかんだやっているうちにいろいろ具体的なイメージが湧いてきて、今年になって『新作できるかも…いやできるな』となって会う度に何度か話をして、今月からやっと制作開始である。別でギターソロは一発録音で一枚作るつもりなのだけど、今ここに書いている作品は世間一般的な呼び方で言うところのSoundscapeになるはずだ。前作もそんな感じだったけどもっと情報量が多いものになる予定で下地ができたら外国人であることとベテランであることをフルに使ってお願いして、俺の好きなタイの若手ミュージシャンには各パートで参加してもらう予定である。勝手に言ってるだけだけど(笑)

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神戸にいた頃から同様のイメージはあって、その為にずっとセッションイベントを繰り返していたんだけど、あの頃の俺ではあらゆる意味で実力が足りなくて実現できなかった。今もギターはたいした腕前ではないが、ライブを繰り返して少しはマシになったし、妙な成り行きで辿り着いた異国タイのバンコクで奇跡的に縁がつながったプロデューサーがこの雲をつかむような曖昧な制作過程を(なんとなくだろうけど)理解して話に乗ってくれているわけである。これは運命だと思ってやるしかないだろう。彼とは世代も違うし立場も違うし話すことと言えばほぼ音楽の話だけで普段まったく遊ぶわけでもないが、俺にしては珍しくとても近い友人だと感じている。これは自分のことながら本当に珍しい感情だ。同類にあったような気分なのかもしれない。

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最近は最初俺の勢いに引いていた Juneさんも『KOTA、スタジオ入ろうよ』とか普通に話してくれるようになった。普通になるまでに3年近くかかったけど(笑)

週末は彼等とT-BONEのギタリストGOLFさんやアジアのジャズ界隈でも有名なスーパースキルフルなキーボーディストのBUMPや若い友人シラチャーロッカーズのTOMMYにsasiのBankとジャズミュージシャンのKITとフリーセッション。面白い音が出るといいけどな。そういや明日タイの女性からインタビューを受ける。タイの音楽やアートの情報を載せた日本向けの本らしい。今のところ何を聞かれるのかよくわからないけど。

 

とりあえず、いろいろなことが起こっていて整理するのが大変だ。とりあえず悪くはない感じの現在だ。

チェンマイ弾丸ツアーの顛末

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3日間で4か所。合計10時間の演奏。詰め込まれ過ぎていて何から書いたら良いのかわからない(笑)ねている時以外はずっと動いている感じなので観光要素は皆無。一応、道すがらチェンマイで一番気に入っているお寺にお参りだけはしたけど。

DAY 1

1日目はThapae East と Minimal Bar。ホテルまでは何の問題もなくスムーズに到着。部屋も値段に合わないくらい良い部屋でビックリした。少しゆっくりしてから夕方にThapae east に向かおうとタクシーかトゥクトゥクをさがしていたが見つからないうちに雨…ヤバいなと思ったら目の前にバイクが止まって『KOTAだろ?俺明日一緒にやるよ。で、どこ行くの?乗っけてくよ』ということで TuKu didgeridoo band のリーダーに拾われて現場へ向かう途中で一歩通行の罠にはまってぐるぐるさ迷っていると、ナイトマーケット付近でタイ式サイドカーに乗ったマキノファミリーに遭遇。雨中の車上から挨拶をかわしつつなんとか到着。19時から1時間のサウンドスケープ開始。12日の予定がキャンセルになって嘆くオーナーの Paul の為に無理やり弾きに行ったようなものだったし、早い時間の演奏だったので当然人は少なかったが、ウォームアップにしてはがっちり演奏できた。映像を撮ってもらったのでそのうち上がるだろう。

【追記】映像見つけた。

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慌ただしかったので写真は撮り忘れた。終了後すぐに Paul のバイクでMinimal Barへ。

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Minimal Barは全くコネクションが無かったが、面白そうだなと思ったのでいきなりメッセージを送ってブッキングしてもらった。予備知識ゼロで行ったんだけど、オーナーは音楽科のあるチェンマイ大学出身で Minimal Recordってレーベルもやっているってことでお店にもええ感じの雰囲気があって若い出演者の演奏スキルがものすごくハイレベルでびっくりした。出演者の中には前回演奏に行ったときにライブを見てくれた子やスタイリッシュ ナンセンスの友人のミュージシャンもいたりして、そんなこんなですんなりブッキングできたようだ。ものすごく礼儀正しい子たちで丁寧に世話してくれて恐縮した。ここでも1時間のチルアウトソロセット。お客さんにもスタッフにも楽しんでもらえたようでなにより。オーナーの奥さんが日本人女性で、出番前に旦那さんとの出会いの話を途中まで聞いて盛り上がりつつあるところで出番になってしまった。次回は続きを聞かなくてはいけない(笑)音楽やアートの好きな人の集まる良いお店だった。

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チェンマイのライブシーンは小さいんだけど、小さなコミュニティーの割にバイオリン奏者が多いのはチェンマイ大学があるからなんだろうな。とてもロマンティックで劇的でチェンマイの空気に良く似合う。

DAY 2

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2日目はSu-Jay Gallery&Music でのソロアンビエント&ライブペイントとのセッション。これも急に決めたのにあれよあれよと言う間にイベントになって出演者多数で楽しい夜だった。昼間は人が少なすぎてひとりで演奏しているみたいな時間も多かったけどそれはそれで面白い音が出ていた。最近、ライブでのアンビエント演奏のコツみたいなものを掴みつつある。ただ、それには状況の設定が必須でもある。ライブは観てもらうものでアンビエントはそこに在る音なのでまるで別物。ライブバンドの音楽と混ぜるべきではないのだろう。なので大事なのは状況設定だ。さておき、宴の夜は徐々に人も集まって最終的には1枚目の写真のような良い景色になった。

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今回紹介してくれたチェンマイのアーティストTAWくんのおかげで前回出演したけど今は無くなってしまったGossip Barで会った歌い手のポーやその仲間たちも集まって、ミュージシャンの宴会みたいで楽しかったな。みんないろいろな仕事をしつつ音楽でもきっちり稼いでるので力強いベーシックががっちりあってもちろん上手い。初対面で最初少し壁を作っていた気難しそうな奴が、演奏を聞くと笑顔になって急に壁が無くなる感じが好きだ。初対面の挨拶の時に懐疑的な表情を見るとわくわくする。演奏を聞けばきっちり音楽をやってきた奴かどうかってのはわかるもんだし、絶対に伝わるはずだと思うからだ。そうやって楽器弾き同士は結びついていく。

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昨年からイサーンソウルシンガーとしてじわじわ有名になりつつある Rasmee Rasmee Isan Soul のバンドのギタリスト Kong satukan がタイの伝統楽器ケーン奏者とやったユニットの音楽が繊細ですごく美しくて良かった。ケーン奏者のスキルの高さも半端なかったし。バンコクに来る時は連絡をしてもらうので、機会があったらバンコクでイベントに出演してもらおうと思っている。

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あと、前回も会って思ってたんだけど、ギタリストでマルチミュージシャンでもある Pod Chiangmai(下の写真) のプレイも良かった。単純に好みだ。センス良いしキャラも最高に立ってるし目が離せない。

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この日来ていたお客さんからついさっきメッセージですごく良い雰囲気のライブスポットを紹介してもらった。次回は11月の予定で1週間で7本くらい演れる感じやけど、俺のスケジュールを作るのが無理そう…まあ焦らずぼちぼちやるさ。

DAY 3

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3日目は古民家 Sriprakart House Chiang maiを改造したオーガニックレストラン STUDIO3 での演奏。写真の美しい光景の中に実際は黒服のおっさんが入るわけだが、昼から5時までの間にソロのアンビエントセットを4回って感じでひたすら演奏していたので写真が無い(笑)

1、2セットは食事中のお客さんが多かったので繊細に緩やかに。3セット目は演奏を期待しているお客さんの為に少し派手目。最後は夕刻なのでドラマチックに…って流れ。年配の方や子供が目の前にいたので特に我慢に我慢を重ねて抑制を効かせて弾き続けた2セット目のエンディングに実験的且つチルアウトで今まで一度も弾いたことのない良い演奏がやれた。その場に完全に溶け込んだある意味理想的なアンビエントセットだったけど、うまくいきすぎてマキノ夫妻以外気づいてくれていないので自画自賛しておく(笑)この家のオーナーである上品なご婦人も楽しそうに最後のセットまでフルセット聞いてくれていた。やっぱり普通の皆さんにわかりやすくない音楽を聞いてもらう為には、繊細なコントロールができることはとても重要だ。荒っぽい演奏は当然拒絶されるし、ゆっくり飯を食ってるときには鬱陶しいだけだよな。俺でもそう思う。

良い経験をできた。呼んでくれたマキノ夫妻に感謝。自分の理想の音を実現する為にはまだやれることがたくさんあるのである。特に公共の場所においての演奏の可能性と、まだまだステージの数が足りていないことを感じた。これってマネージメントの問題だよな…どこかに所属するべきなのかな…それに追われて音楽について考える時間が削れてしまうと本末転倒なので難しいところだ。

その他

帰りは飛行機がディレイでえらく待たされた。今後 air asia は極力使わない方向だ。ありゃろくでもない。ドンムアン空港に着いた頃には既に動き続けた身体の節々に疲労から来る痛みが…おっさんの悲哀。今月は29日にオランダはアムステルダムから演奏に来るギタリスト Arvind Gangaとの共演が入った。なんだか面白そうな奴だ。デン・ハーグで撮られた野外での演奏の映像を見たら、途中から犬がノイズに興奮してずっと吠えていて笑えた。そんなことをしているうちにその彼からメッセージが届いて『Hey!楽しみにしてるぜ!』『おう!俺もだぜ!』ってな感じで軽々とボーダーラインを越えて俺たちは日々音楽でつながっていくわけである。悪くない話だ。

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Rendezvous in Chiang mai

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KOTA amatuti TAKI play ambient music at Chiang mai Thailand.
Rendezvous in Chiang mai】
I am grateful to all of my friends who help me.
Thank you so much!!
If you want me to play the music, anytime call me.

See you soon !!
ผมตั้งตาคอย ที่จะได้เจอคุณ

2017/08/11 (FRI) 7pm ~ 8pm free entry
【60 minutes improv】at Thapae East - Venue for the Creative Arts
https://www.facebook.com/ThapaeEast/

2017/08/11 (FRI) 9pm ~ 10pm free entry
【60 minutes improv】at Minimal Bar 
>> Time Line
20.00-21.00 : forgetful man
21.00-22.00: Kota Amatuti Taki
22.00-23.00: Beep Beep
https://www.facebook.com/Minimalgallery/?fref=ts

2017/08/12 (SAT) 2pm ~ midnight 
【Rendez-vous in Chiang mai】at Su-Jai Gallery Live Music
https://www.facebook.com/Su-Jai-cafe-457129914618588/

Special session with live painting by Tuwsur Keehasae (Taw) from 8 pm.

I'm gonna play ambient music every 2hours from 2pm to midnight.

If you would like to jam together, come and join us !

 

2017/08/13 (SUN) 12:00~17:00 free entory
【5 hours soundscape for Sunday afternoon】at STUDIO 3 at ศรีประกาศ Sriprakard Chiangmai
https://www.facebook.com/aeeeeeeeeeeen/?fref=ts      

https://www.facebook.com/ศรีประกาศ-Sriprakard-Chiangmai-5…/…

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チェンマイバンコクの友人達の協力で楽し気な3日間の弾丸ツアーのスケジュールが出来上がった。特にチェンマイのアーティストTAW 君は祝日のお酒の販売規制の煽りで無くなってしまった12日のスケジュールの件でいきなり相談したにも関わらず、快く友人のGallery café Su-Jai Gallery Live Music に話をしてくれてとても助かった。12日の夜には彼のライブペインティングとセッションもやれることになったので楽しみにしている。彼がダイレクターをやっているチェンマイのGalleryのページを貼っておく。アートの好きな人にはチェンマイの街を歩く時の手掛かりになるだろう。

MATOOM ART SPACE http://www.matoomartspace.com/

タイに来てからチェンマイには何度も足を運んでいて、以前1週間かけて市場やいろいろな店をさがしてまわったこともあるので、どこに行けばどんな店があるかってのもかなりわかっている。庭や家の垣根に色鮮やかな花が咲いている家が多くて歩くのは楽しかった。バンコクとは全く違ったのんびりして平和な雰囲気だけど、タイの古い都で観光地で、リゾート地でもあり移住者も多いのでただの田舎町でもない。いろいろなコミュニティーの微妙な混ざり合い方が独特で面白い。ゆったりした歌を歌うフォークシンガーが多いのが特徴で、チェンマイの広い空と山のある景色に良く似合っている。住みやすいので高齢の日本人がかなり多いらしいが、動くエリアが違うのかあまり会う機会がない。犬や猫がのんびりしていて可愛かったな。

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とはいえ、演奏に行くのはまだ2回目だ。今回のやり取りの中でバンコクもそうだけど世代のせめぎあい的な空気が感じられて興味深い。前回はGOLFさんという少し先輩のタイの有名ミュージシャンと演奏しに行ったわけで、個人的なコミュニケーションはポー君というアーティストに限られていてチェンマイのみんなとはそれほど深く関わっていなかった。自分で直接数か所のオーナーと話してみると気づくことは多いし、実際に一緒に演奏すれば違った街の顔が見えてくるだろう。

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最終日のSTUDIO3 の入っている家 Sriprakard Chiangmai はライブを抜きにしても興味深い場所だ。木造の旧家を改造したマーケットスペースに日本人のマキノ夫妻の経営するオーガニックレストランだけでなくいろいろなお店が入っている。もともとはチェンマイの街を発展させた有力者の家で、以前はホテルでもあったらしい。歴史を紐解くだけでも面白そうな場所なのである。

大阪で暮らしていた彼等がどういう道筋をたどってチェンマイでレストランをやるようになったのかって話を聞くだけで一晩酒が飲めるな(笑)記事を見るとわかりやすいんだけど、どこを撮っても絵になる美しい空間なので特に女性にお薦めです。ここでやる時はパンク気質は封印して繊細に繊細に最大限気を使って美しい演奏をするつもり…まあ最終的にどうなるかはぜんぜんわからんけどできる限り空間を共有する皆さんの為に良い演奏をしたい。
最近演奏中に勝手に弾きたくなるメロディーがあって弾くたびに『なんの曲だったっけ?』と思っていた。3日ほど前にあるDJのCHILL OUT MIXを聞いていたら見つけた。ボサノバの名曲 Berimbau だった。

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クールだ。

今夜のイベントは延期。次の金曜から3日間チェンマイミニツアー等々

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今夜のイベントはオーナーの女の子の出産が重なったので延期。赤ちゃんの誕生はめでたいのでそれでいいのだ。出産予定日あたりなのにイベントを決めてしまうところがタイである。タイの女性は出産前日まで働いて出産の次の日には出勤したりするらしい。タフだよな。昨夜雨が降るなかを2歳くらいの男の子が走り回っていた。滑ってこけたが立ち上がってジャンプするとまたものすごい勢いで走り去っていった。めっちゃ小さい子供も足腰がしっかりしていることにいつもびっくりする。日本の子供より成長が早いように感じるけど気のせいなのかな…。

 

そして次の金曜からチェンマイ

2017/08/11 (FRI) 7pm ~ 8pm free entry
【60 minutes improv】at Thapae East - Venue for the Creative Arts
https://www.facebook.com/ThapaeEast/

2017/08/11 (FRI) 9pm ~ 10pm free entry
【60 minutes improv】at Minimal Bar 
>> Time Line
20.00-21.00 : forgetful man
21.00-22.00: Kota Amatuti Taki
22.00-23.00: Beep Beep
https://www.facebook.com/Minimalgallery/?fref=ts

17/08/13 (SUN) 12:00~17:00 at STUDIO 3 at ศรีประกาศ Sriprakard Chiangmai
【5 hours soundscape for Sunday afternoon】free entry
https://www.facebook.com/aeeeeeeeeeeen/?fref=ts      https://www.facebook.com/ศรีประกาศ-Sriprakard-Chiangmai-597232353720028/?fref=t

チェンマイには3日間滞在するが、真ん中の2日目がタイの女王様の誕生日で酒類販売禁止ってことで夜の店が閉まってしまうのでライブが前日の11日に2本ってことに変更になってしまった。残念。なので、昼間演奏できる場所はないかとさがしている最中だ。チェンマイに友人は多くないが、前回のライブを見てくれた人やワンダーフルーツで見たというチェンマイのアーティストからメッセージをもらったので協力要請。大変だけど今回も基本的に独自のコネクションをたどってさがしている。日本から来るミュージシャンのスケジュールなどで他の場所も知っているんだけど、誰かを間に挟むと面倒をかけてしまうので全部自力でやってみようってことだ。

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そういえば、バンコクに来てから気づいたけど『日本人はサービス過剰な状態に慣れ過ぎている』と思う。なんでも当たり前にやってくれると思っているが甘ったれにしか見えない。昨今、過剰要求ってのが話題になってるけど、あの感じが行動全般に見られる。日本の感覚の方が異常なので気を付けた方が良い。一から十まで人に聞くのは正直かなりみっともないし、おまけにタイ人が親切なのを良いことに他人の貴重な時間を使っていることを自覚せずに妙な上から目線とかやめましょう。礼儀正しく振舞うってのが日本の美徳ちゃうかったっけ?と最近よく思うのだ。とりあえず言っておこう。

何様や!恥ずかしいぞ!自覚しろ!

自分の事は自分でやるか金を払って世話してくれる人を雇いましょう。

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ロバート・フリップのループマシンを使った演奏を最近になって聞き出した。イーボーの音が懐かしい。以前使っていたがタイに来てすぐに壊れてしまってそれ以来使っていない。壊れた時に中身を見たが、あれは多分電気工作の得意な人ならすぐに作れるような単純なものなんだろうけど異様に値段が高い。でも、ギターを普通に弾いても出ない持続音や独特の弦の鳴りは場面転換をするときにとても効果的。

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一昨日ソイトンローを歩いて帰っていて、歩きにくかったので珍しく鞄を背中に回した。しばらく歩くと背中に違和感を感じたのでパっと振り向くと至近距離にタイ人のおっさん。そして鞄のジッパーが少し開いている。『あ、やられかけた』と思って無言で見合うこと数秒間…おっさんはじりじり下がって遠ざかっていった。確認したら何も盗られていなかったが、ソイトンローはお高いお店が多いし治安も悪くないとちょっと油断してた。反省。

泰式居酒屋 YOISHO にてイベント【LOOP AT NIGHT】PAINT & MUSIC

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TINY EVENT (CHILL CHILL)
SUNDAY 6 AUG 2017 AT Yoisho Thaistyle Izakaya
5 PM. Painting the wall of YOISHO THAIIZAKAYA
10 PM. Music by KOTA TAKI AND TEMPARETURE IN SEPTEMBER (SERVE ONLY DRINKS)

明日の夜は数日前に突如決まったミニイベントLOOP AT NIGHT。会場は俺の住んでいる部屋から徒歩10分ほどの場所にあるタイオーナーのタイスタイル居酒屋 よいしょ(ロゴがかわいいよな)で内容はというと居酒屋なのにライブペインターに即興ルーパー2名にラッパー1名とマニアックな編成。なんでやねんって感じでちょっとおもろい。

超イケイケな出店数でバンコクで猛威を振るっている日式居酒屋チェーン『シャカリキ432¨』 の影響か、最近はタイの若い連中は居酒屋でみんなで飲むのである。タイオーナーの居酒屋も増えていて最近町を歩いているとよく新店を見かける。よいしょもタイ人の若い女性オーナーがやっているそうだ。FB上の写真を見ていて、近所にあるタイオーナーの居酒屋でマニアックなイベントやってるなぁと面白がって記事をシェアしたら、この前弾いたポエトリーリーディングのイベントでセッションをした若い子で、『いつかいっしょにライブをやってみたい』というシェアへのリアクションに『簡単だよ。俺を呼べばすぐに一緒にやれる』と返事したら数時間後には日程と会場が決まっていた。勢いあるなぁと思って悩むこともなく引き受けた。その後同じイベントで出会ったラッパーくんが俺もやるとなったらしくて追加参加。

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タイの若手はしっかり基礎技術を習得していて洒落た服装で良い楽器を持っているのが特徴である(笑)俺が彼らくらいの年齢の頃は金が無くていつも小汚い格好をしていたし、大概の奴は我流で楽器も塗装の禿げたようなビンテージに憧れていてなんでもピカピカじゃないほうがかっこいいと思っていた。時代はすっかり変わったのである。正味な話、プレイヤーとしての演奏技術面では彼等の方が良く訓練されているし俺よりぜんぜん上だろう。知識もある。いろいろな奴と会って一緒に弾いてみて最近よく実感する。コードフォームやフィンガリングなんかがみんなめちゃ綺麗だ。音も雑音が無くてクリアだし。どんなことになるのかはわからんけど、やる気に溢れていてテンションが高いってだけでも楽しそうで良い。それにご近所やし(笑)こういう雰囲気の時はリラックスしているので逆にいつもと違う面白い演奏ができたりするもんだ。

フリーエントリーなのでご近所の方は気軽に遊びに来てください。お店の場所はソイエカマイの19を過ぎたあたり。地図は下記URL参照。22時より演奏開始。

https://www.google.co.th/maps/place/%E3%83%A8%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%A7%EF%BC%81/@13.7363289,100.5882122,15z/data=!4m5!3m4!1s0x0:0x7d920a7b3de987b8!8m2!3d13.7363289!4d100.5882122

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来週はチェンマイ。再びサバイバルトリップ。良い演奏して今月も生き延びよう。

UNKNOWN ASIA Awards Exhibition From Bangkok to Osaka, from Osaka to Bangkok

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昨夜はThe Jam Factoryでアートエキシビジョンのオープニングパーティーに参加してライブペインティングとセッションしてきた。アジア各国の若いアーティスト達のエキシビジョンで会場も建築家であるオーナーにデザインされた素晴らしい場所。バンコクに来てからGalleryでのパーティーに呼ばれて演奏する機会が増えた。もともと絵や写真を見るのは好きなので呼ばれるといつも楽しんで演奏している。今回は特に20代のアーティストばかりで会場に来ている皆さんもとても若かった。音楽はPOKさんと娘さんの実の親子デュオMy Post Lifeとわたくし KOTA TAKIのソロ。たまたま同じステージに呼ばれたんだけど、アコギとピアニカという編成の親子デュオはとてもかわいらしくて、明るい会場の雰囲気に良く似合っていた。

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俺はと言えば、昨夜は決まった曲は1曲もやらず、とにかくなんだかんだ弾き続けた。エンディングはライブペイントの終わりに合わせて1曲だけ曲を弾いて終わる予定だったが、POKさんが急にピアニカ持って入って来たので予定通りとはいかなかった(笑)とりあえずエンディングを作って着地はできたし、会場に来ていたアーティストやミュージシャン達が楽しそうにしていたのでまあ悪くない。相変わらず良く乱入されるのはなんでなんだろうなと帰りのタクシーの中で考えてみたが、演奏から何かを感じてくれているんだろうってことで深く考えるのは止めた。最近やっと程よく力を抜くことを憶えたようで、俺が俺がって感じが無くなってきた。パーティーの時は刀は研ぐけど無駄に切らないって感じになると年相応でいいかなと…(笑)

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左からチェロ奏者のYui Cello、POKさん、歌い手のUbolwan Piakaewさん、俺、今回のイベントのタイサイドのオーガナイザーで服と靴のブランドMUZINAのオーナーのタカくん。http://www.muzina.net/

写真真ん中のUbolwanさんは、今となってはYuiさんと組んでいるトリオのバンドでタイの人気TVショウに出演して有名になった歌い手さんでピアニストなんだけど、3年ほど前にアンポワーの旅行中に川沿いのレストランでひとりの演奏を見て本当に感動して、後にイベントでYuiさんと友人になった縁で昨夜初めてきっちり紹介されて正式に出会えた。ミラクルな感じである。最初に演奏を聞いた時、ピアノの美しい音色と丁寧で震えるような高音が切ない澄んだ歌声が夕暮れのアンポワーの光景と自然のノイズと相まって、あまりに印象的だった。

昨年、テレビ番組でYuiさんと演奏している映像を見つけた時に『あ!!あの時のピアニストや!!』となって興奮してひとりで部屋で右往左往した。最近はサトーンのカフェで弾いているらしいが、できることならまたあの場所で聞いてみたい。上の映像は俺の見たレストランでのリラックスした演奏。あの場所には2回しか行ってないのにピアノやピアノ周りの調度品を憶えてしまっている自分に驚く。普段は記憶力が悪すぎて困ってるってのに…とりあえず地道にギター弾いてて良かった。会えて嬉しかった。

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昨夜インドネシアから参加していたケンくんというアーティストがいて、若いのに完成度の高い素晴らしい色使いの作品を多数展示していた。演奏が終わってから最初にCDないかと声をかけてくれたのが彼だった。なんだかんだ話しているうちに『え!あの作品描いた本人!?』となってびっくりした。インドネシアに演奏に来ないかと誘われたのでそのうち行ってみようと思う。彼の作品はしたのURLで見られる。色使いが本当にキレイ。

ARDNEKS – PARAiSO GRAFiCA

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そんなわけで昨夜も良い夜だった。

 

8月はチェンマイに行く

f:id:amatutitaki:20170729094448j:plainThapae East -Venue for the Creative Arts MAP

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日程が取れそうだったので、急遽8月11日~14日までの4日間チェンマイに行くことにした。前回のツアーでGOLFさんと演奏してお世話になったArt Space Thapae East  (参照ページ Thapae East - Venue for the Creative Artsへ行く前に!見どころをチェック - トリップアドバイザー )ではソロと地元アーティストとのジャムセッションをオーガナイズしてもらっていて、もう1件は神戸にいる頃に演奏していた FARM HOUSE CAFE で出会ったマキノ夫妻がチェンマイでやっているオーガニックレストランのある SRI PRAKAD HOUSE(参照ページ CREATIVE CHIANG MAI 、FB PAGE https://www.facebook.com/%E0%B8%A8%E0%B8%A3%E0%B8%B5%E0%B8%9B%E0%B8%A3%E0%B8%B0%E0%B8%81%E0%B8%B2%E0%B8%A8-Sriprakard-Chiangmai-597232353720028/ )という古い中国式古屋を改造した素敵な空間での長時間のアンビエント演奏になる予定。神戸で出会ってから双方が紆余曲折を経てチェンマイで一緒にイベントがやれるってのは奇跡的でとても嬉しいことだ。良い時間を創れるようにしっかり準備して良い演奏をしたいと思う。現在あと数か所声をかけてみているが、急な話なので余った時間は新作の録音に使うアンビエントノイズの採集に使う予定だ。 

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ナイトマーケットや普通の人の集うお店でも弾いてみたいと常々思っていて、日々資料を送ったりしているんだけど、当たり前ながらマーケットでは商売人の皆さんの思惑が絡んでいて個人レベルでは最初のアプローチがすごく難しい。特に俺のように事務所と契約していない、歌を歌わない、有名な曲をやらない、おまけに自身が日本やタイで有名なわけでもないという塵芥のような小物は一度実際に演奏を見てもらうしか手はないのである。非効率的なやり方だとは思うが、今までそうやって進んできたので今さら変えることもできないわけで、ただひたすら弾き続けるしかない。

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Woot Root at Noise Market in BACC

BACCでの演奏は気持ちよかった。サイアムのど真ん中のステージってのはそこに立ってビルの谷間の空を見上げるだけでも楽しい。本当に良いステージだった。ソロはやっていないのにWoot Rootの演奏を見てCDを買って行ってくれたライターのお客さんがいて、その後ネット上にCDレビューが上がっていた。記事を読んでみたら楽しんでくれたようで良かった。10年以上前の作品だけど、初めて聞いたみんなにとっては新作なんだよな…と、今さらながらバンコクでの活動初期にCDを一切持ち歩いていなかった傲慢且つやる気のない俺に呆れた次第。レビューは下の記事に載っている。

davecrimaldi.weebly.com

今月は意味もなく酒を飲むという行為を止めてみた。禁断症状に苦しむなんてこともなく意識がクリアで調子は悪くない。ただ素面の時間が多いので考える時間が増えた結果、最近感情が年々すり減っていっていると感じていたことがすごく気になりだした。特に若いバンドと共演すると顕著に感じるのだけど(笑) 以前は小さなことでナーバスになる自分の心がただただ鬱陶しかったが、経験を経て図太くなっていくことと心の感度が悪くなっていくことは表裏一体なのだなぁと思ったりしている。生き続けるためには鈍感であることも大事だとは理解しているが、それが高じて無神経な輩になっていないかと日々自分を戒めて佇まいを正す必要がある。

 

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ブライアン・イーノアンビエント作品に関する記事を読んでいたら、『わざわざ自然の中に行かなくても自分の部屋で音楽を聴くだけで自然を感じることはできる』という事をブライアン・イーノが語ったことに関して、現場主義のライターによる反論が書かれていた。スノップな都会生活者の机上の音楽というような論調だ。

今までさんざん山や川や海で演奏して録音してみて思うが、俺はブライアン・イーノの言葉の意味はその言葉通りの単純な意味ではないと思う。自然の中で演奏するのはとても気持ちが良いしいろいろなことを理解できる。しかし、自然を模倣した演奏をしても意味はない。自然の音はそのまま録れば良いしそのままが一番無垢で美しい。それは表現ではなく記録であってアーティストやミュージシャンの仕事ではない。何もないところから自分の感性を基に何かを作り出すことが表現であるわけで、都会の部屋にいながら別の場所にいるようなフィーリングを得られる音楽を創り出すことに意味があるからだ。もし俺が自然の中で演奏して録音する機会があるならば、あくまでも不自然な異物として自然の奏でる音を別の何かに変えてしまうような演奏をしてみたいと思う。あくまで個人的なとらえ方で、ブライアン・イーノが本当はどう思って語ったのかは知らんけど。

 

本日は以上。