An "I " Novel from The City Of Angels

Diary 『バンコク在住日本人ギタリストの日記』

アムステルダムで買った羽根飾りをタイでカスタムした話

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昨年の11月末にアムステルダムに滞在中にコーヒーショップの立ち並ぶ通りをひとりで散策していたら白髪の品の良いおばあさんがやっている奇抜でカラフルな衣装の並んでいるお店をみつけた。扉を開けて入ってみると、まさにヨーロッパの舞台衣装って感じのデザインが多くてオールハンドメイド。女性向けの店だったので服を買うのは無理がある。派手な女性向けの服を無理しておっさんが着ると見た目おばちゃんになってしまったって悲惨なパターンを過去に見たことがあるし(笑)

でもアクセサリーは面白いデザインが多くてステージで身に着けられそうなものがいくつかあった。天井から吊り下がっていた黒い大きな羽根のピアスがとても気に入ったが羽根飾りが大きすぎるしフェミニンな感じで、短髪で見た目が中性的でもない俺には確実に似合わない。さてどうしよう…でもいいなぁ…こんなん今まで見たことないしなぁと悩みながらじっと見ていたら、店の奥に座っていたおばあさんが話しかけてきた。

『特別な女性へのプレゼント?』

『いえ、僕が気に入ったんです。ただ、僕には大き過ぎるかなと思って』

『そうね…男性には大きすぎるわね。この店のものは全部私が作ったのよ。だからあなたが気に入ってくれただけでも嬉しいわ』

『ぜんぶ面白いデザインで好きです。これは舞台衣装なんですか?』

『そうよ。私は以前は舞台に出てたの』

普段ほとんど衝動買いはしないんだけど、こういう流れになると何か意味があるような気分になって手に入れたくて仕方がなくなる… で、少々高かったけど買ってしまった。

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バンコクに戻ってから耳に着けてみたが、予想通りまあ似合わない。髪を伸ばしたらどうだ?とかいろいろイメージしてみるがどっちにしろ似合わない。仕方がないので使うのは半ばあきらめて壁の棚に吊って毎日なんとなく眺めていたある日、バンコクで出演するイベントの会場がええ感じのレストランだったもので、普段より衣装に気を使わなあかんかなぁとボヘミアンタイの締め方やらデザインについて調べていたら、吊り下がった黒い羽根が目に入って、同時にいつも着けている真鍮のネックレスを作ったアクセサリー作家で絵描きのブランの事を思い出した。お!!いけるんちゃうか!?ってことで、ちょうどその後すぐに彼女が出店するイベントにピアスを持って行ってリメイクをお願いした。

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一昨日、ブランから『KOTA、できたよ!』という写真付きのメッセージが届いたので、昨夜 FATTY'S BAR https://www.facebook.com/fattysbardinerというブルーチーズハンバーガーの美味いLIVE BARでブランに会ってそれを受け取った。ゴスっぽくて良い感じ。イベントやパーティーでしか会ったことがなかったので初めてゆっくり話してみたら、実は彼女は日本の漫画のオタクだった。バンコクで3年近くレンタルコミックショップの店長をやっていた俺がビックリするくらい詳しくて、しばらくマニアックな漫画の話ばかりしていた。アクセサリーのリメイクの値段は笑ってしまうくらい安かった。いつも本人に言うんだけどあまりにも商売っ気が無さすぎる。なのであえて値段は書かない。彼女のブランド ayuyaan は移動商店で、サイアムスクエアや各種パーティーに出店している。興味のある人は検索してアクセスしてみると良い。タイの人たちはなんでも自分で作るし修理、改造してしまう。手先が器用なんだろう。リヤカーとバイクをくっつけて屋台にしたり、洪水の時はバイクのフレームを改造して水の上に出るように車高2mくらいの高さのバイクにしてしまったり(笑) 発想がめっちゃ自由で驚かされる。

ブランの描いた絵。イカ墨で描いてるらしい。

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話には関係ないけどこのバンドええ感じやしかわいい。

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今週のあれこれ

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週末に The Commons Thonglor - The BigChilli のパブリックスペースにてYOSHITAKE EXPEと共演することが決定した。ヨシタケくんとは昨年からバンコクと神戸で何度か一緒にやっていて今回も面白い企画なので楽しみにしている。

あまり一般的ではないタイプの音楽を公共の場でやるってのはコピーやカバーするのとは話が違ってある種挑戦的な試みで以前から大好きだ。なので、今回の話も即『やる!』って感じだった。特にタイではこのような場ではスタンダードとかポップスを演奏しているミュージシャンばかりなので緊張感があって良い。どうなるかな…。

 

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昨夜は急遽入った依頼で Sonia Hamza というフランス人アーティストのアートエキシビジョンのクロージングパーティーのチルアウトミュージックを担当した。Soniaは白塗りで日本髪に赤い花を乗せてタイの黒のシースルードレスっていうゴスと妖怪を足したみたいな恰好でうろうろしていて非現実的で笑えた。思わず紹介される前に自分から声かけて話してもた(笑)素顔を見ていないので次に会ってもわからないだろうな。

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ちょうどツアーで大阪から来ているボーカリスト RO‐HO にもタイミングが合ったので出演してもらった。彼はひとりで弾き語りするんだけど、アコギをガンガン叩きながらリズムを作って歌うので勢いがあって盛り上がる。オリジナル曲の間奏にソウルやR&Bの名曲とか放り込んでくるところも渋い感じで好みだ。お客さんはヨーロッパ人ばっかりだったけどみんな集中していた。いい腕だ。俺は逆にMUSIC BOXみたいにエゴを消してひたすら音を紡いだ。ライブの主役はミュージシャンだけどパーティーの主役はアーティストとお客さん…ってことで最近はスイッチを切り替えて演奏するようにしている。

昨夜の会場はフアランポーン駅の近くにある Gallery BARのSOYSAUCE BAR。この街には世界中から来るたくさんのアーティストがエキシビジョンパーティーを開催するので、少し変わったオリジナルを演っていて小さい設備でも演奏できるミュージシャンはショウケースをやってくれと呼ばれることが多い。アート関係のお客さんやオーガナイザーは基本的にオリジナルサウンドを好むので最近のバンコクではオリジナルバンドは Gallery でライブをやるという流れができつつある。

普通のレストランやBARではオーナーから有名な歌を演れってオーダーが出る場合がほとんど。それも1曲2曲の話ではなくて最低20曲って感じなので、気軽に引き受けるとコピーに追われる羽目になってえらいことになる。なので、俗にいう箱バンとオリジナルバンドはほぼ交わらない。別の職種だ。コピーと言ってもそれで飯を食っているので日本のアマチュアコピーバンドとは話が違う。いい店のバンドマンはジャンル関係なくびっくりするくらい上手いし容姿も良いし大人だ。

長い間夜を歩いていて、いろいろな種類のミュージシャンに会ったが、純粋であることと世間知らずの失礼な奴であることはほぼ一緒だなぁと思うことが多い。要するに若いうちしか許されない。音楽はあくまで個人的なものなので誰にも左右される必要がないしオリジナルをやり続けるべきだと思っているが、もしそれが伝わらないのであれば何かが足りていないからだと認識するべきで、お客さんに文句を言うような話では無い。『どうせわからないだろう』というような言いぐさも同じだ。20代までは我慢するがある程度年齢がいってるのにそんなことを言ってるヤツは一度しっかり自分の態度や向き合い方を客観的に見直した方が良い。伝わらないのは実力がないからだ。間違いない。

 

 

徒然

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写真はだいぶ前に行ったアンポワーという街の川沿いにあるロッジ。今までで最高にチルアウトな場所だった。夜になると蛍が飛び交う。バンコクからわずか1時間半。

昨年の10月から神戸、大阪、京都、アムステルダムバンコク、フアヒン、チェンマイという感じで無茶な動きをしていたがそろそろ落ち着かなくてはいけない。チェンマイで演奏したときに、『KOTA、この国でオリジナルのライブだけで食っていくのはたとえ顔が売れているミュージシャンでもかなり難しいぞ。君は外国人だしタイで生きていくなら他にも何かやった方がいい』とタイのメジャーバンドのギタリストGOLFさんに諭されたが、アムステルダムからバンコクに戻った昨年12月から今までの3か月間ギターを弾いて歩いて、共演したタイのミュージシャン達の活動を実際に見て現実としてよく理解できた。俺はここで唯一ビザの出る音楽仕事であるホテルでのジャズ、POPS演奏のスキルをまったく持ってないので、必然的にビザを得るための仕事を別でさがすことになる。ホテルの仕事も昨今はタイの若い素晴らしいミュージシャンがたくさんいるので、雇うのに手続きの手間やお金のかかる外国人ミュージシャンはほぼ使われないらしい。今回の動きを始めるときに目標にしていたことはなんとかやれたし、シーズン終了って感じだ。とにかく一度落ち着いて地道に音源を創りながらライブ活動を続けて、次のレベルを目指して腕を磨くことにする。

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今月、来月は日本からたくさんのアーティストが来てライブをやっている。ミュージシャンではROVO勝井祐二さん、ギタリストのYOSHITAKE EXPEくん、レゲエシンガーのPAPA YUJIさん、光風さん、ROHO、元たま、パスカルズの石川浩二さん…などなど俺が知っている範囲だけでもすごい数。ミュージシャンだけじゃなくて実力派のDJもたくさん来ているのでいろいろな場所でイベント目白押し。

俺は来週末の3月4日(土)に、ヨシタケくんと最近話題になっているトンローの Commons というモールのパブリックスペースで一緒に演奏する方向で話が進んでいる。週末は人が多いのでかなり面白そうな試み。どこでも公共の場で自分の音楽を演奏させてもらうってのは光栄な話だ。是非決まって欲しい。

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YOSHITAKE EXPEくんとは昨年から連続でセッションしたり共演したり。彼は俺の知る限り一番ストイックに演奏活動をしているギタリストだ。ギター仙人って感じで浮世離れしていて面白い。もちろん日本国内でも物凄い本数のライブをこなしているので、機会があったらライブに足を運んでみて欲しい。熟成された美しいギターの音色が素晴らしい。 INFOMATION | YOSHITAKE EXPE Offical Site

 

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今夜はイベント参加。笑顔の爽やかなニュージーランド人のハンサムマッチョボーカリスト John will sail のライブに2曲だけ参加する予定。ワンダーフルーツでも会ったし、彼はレーベルに所属していてオーガナイザーもやっているのでいろいろなところで会うが、なんで急に俺が彼のバンドに呼ばれたのかは実はよくわからない。長い付き合いになって来たのでとりあえず弾きに行ってみる。

ワンダーフルーツで快適に過ごす方法

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金の事など気にせずVIPチケットを購入してとにかく思いっきりバカ騒ぎする

会場内の水、酒、食事はタイで普段購入する値段の3~4倍くらいが目安です。ちなみにシンハービール(350ml缶)が180バーツ。カップラーメンに湯を注いでチャーシューと練りもの等の具をのっけただけのクソ不味いラーメンも180バーツでした。しかし、日本でフェスに行くと思えば無茶な値段ではないはずです。ゲートでのチェックが厳しくて水や食料の持ち込みはほぼ不可能なので、思いっきり楽しむ為にはお金のことは一切忘れる方が良いでしょう。ガンガン使って快適に過ごしましょう。VIPチケットを購入すると明らかに扱いが違うようなので、VIPチケット購入も必須です。会場内では周りの事は気にせず自分勝手に好きに行動しましょう。日本人はどうしても周囲に気を使いがちですが、ここでは気にしたら負けです。別世界だと思い込んでください。

Sirajah Rockers

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サービスは期待しない

現地のタイ人スタッフは地元から招集されて過酷な状況の中で働いているので消耗しています。なんなら軽く怒っていたりします。なので愛想もないし仕事も適当です。サービスって何?って感じです。でも怒ってはいけません。彼等はあまり良い扱いを受けていないので機嫌が悪いのです。彼らに怒っても双方の気分が悪くなるだけで意味はありません。せめてこちらは笑顔で対応して彼等を癒してあげるくらいの広い心で挑みましょう。ワンダーフルーツには自分はお客様では無くエキストラの一員だと思って参加するのが精神衛生上良いはずです。出店しているBARやお店のスタッフは外部の人間なので普通のお店と同じように相手をしてくれます。

 YAAN

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いつでも移動できるように車を用意してかわいい女の子と毎日ドレスアップして参加し、とにかくセルフィーを撮りまくる

タイの友人曰く、『ワンダーフルーツは音楽の為のフェスではなく着飾って写真を撮ってバカ騒ぎする為のイベント』です。なので、できるだけ着飾って参加する方が趣旨に合うわけです。羽根飾りか派手な帽子等のかぶり物、カラフルな羽織、ショートパンツ、スニーカー、フェイスペイントが基本スタイルです。要素を全部取り込みましょう。タイの女の子と一緒に行く場合は彼女たちは写真を撮られるのが大好きなのでいろいろな場所で写真を撮りまくってFBやインスタにガンガン上げましょう。会場を撮影しているセスナやドローンが飛んでいるのを見つけたら笑顔で大きく手を振りましょう。個人的な感想としては色目の派手な浴衣等の日本らしい衣装は受けが良いでしょう。和装に編み上げブーツにハットみたいな大正ロマン的衣装も良いかもしれません。暑さに耐えれるならば人気者になれるでしょう。街中では恥ずかしくて歩けない仮装レベルの派手さがちょうどよい感じです。衣装を着たら会場内ではキャラクターになりきりましょう。ちなみに黒い衣装はダメです。砂ぼこりで真っ白けになって見た目がよろしくありません。俺はいつも通り黒い服を着ていて、それはそれはえらいことになりました。

 

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会場内での移動は電動カート等の設備をフル使用

ドレスアップしているので会場内の電動カートピックアップトラック等で移動する方が良いでしょう。普通のチケットでは歩かされるようなのでVIPチケットがここで役に立つはずです。自転車を持ち込むという手もありますが、会場は砂地の場所が多いので走りにくいと思います。

 

昼間はゆっくりくつろいで夕刻に会場入り

昼間はクソ暑いので消耗するだけです。気温の下がる過ごしやすい時間から参加しましょう。ただ、音楽の好きな人はメインステージで行われているアーティストのリハーサルを間近で見るという楽しみもあります。昼間は人が少ないしアーティストもリラックスしているので声をかけるとコミュニケーションを取れたりもします。その場合、大きくて派手な日傘を持って挑みましょう。

 

そんなわけで、ワンダーフルーツはFashion要素だいぶ多め + Art + Music という感じのラグジュアリーなフェスでした。

The Knack Market in Wonderfruit

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まず一言で言うと今回のお仕事はおっさんにはかなり過酷だった。段取りがグダグダでぜんぜん時間通りに進まないっていうタイのいつもの光景はさておき、長距離移動と歩いて機材運搬するだけでがっつり肉体労働。砂地で車輪が埋まってしまうので20キロ以上のエフェクターをずるずる引きずってギターを担いでの行き帰り3往復。そこに容赦なく照り付ける直射日光も加わって初日から修行の様相だった。おまけに初日は演奏終わりでパタヤからバンコクに演奏しに戻ったので、普通に考えれば無茶なスケジュールである。そんなわけで、今朝は全身がまんべんなく痛くてぬおおおと唸りながらベッドから起きた。改めてミュージシャンは体力仕事やなぁと思った次第。ビッグステージの出演者の皆さんはもちろん移動その他はきっちりケアされてるけど、大観衆の前で歌って踊って煽って飛んで走りまわってという感じでハイエナジーでギラギラしていて普段から鍛えていないと絶対にあんなことはできない。俺は演奏中はほとんど動かずに弾いているだけなので、そういう意味ではサボってるみたいなもんである。日々衰えるばかりやねんから地道にワークアウトしろよってことで反省である。

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ステージはマーケットの主催者でタイの著名な建築家ドゥーアンさんのデザインしたパラシュートテントの下に設営されていた。陽が落ちてライトアップされるとより素敵な空間になった。

今回は同じステージに出ていたタイの友人、HONONとYAANのみんながいたおかげでなんとか無事に過ごせた。普段から一緒のステージに出演する機会の多い彼らの優しさにはいつもとても感謝している。彼らの助けがなかったらいろいろヤバかった。2日目に見た日本からのスペシャルゲスト MAIKA さんは演奏を始めるとタイの女の子たちの心を一瞬で掴んであっという間に人が集まってきた。華があるってのはああいうことを言うんやな。中盤にやっていた派手目のトラックの曲で久しぶりにTOKYOの音を聞いた感じがして地味に懐かしがっていたら、YAANのトミーが『KOTA!これまさにTOKYO SOUNDだな。懐かしいだろ?』とそのタイミングで言ったもんでびっくりした。魅力的なキャラクターに良く練られた完成度の高いトラックにフレンチポップスみたいな力の抜けた個性的な歌声。良いライブだった。流石。

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Wonderfruit は世界で一番ラグジュアリーなフェスと言われているらしい。タイ版のバーニングマンを目指しているって話も聞いたけど、よりハードコアで反商業主義でお金の使用、物々交換すら禁じているバーニングマンとは主旨が違うし雰囲気も違ってラグジュアリーって表現がしっくりくるライトな華やかさ。羽根飾りにカラフルなドレスにフェイスペイントってのが定番ファッションで、特に女性はとにかく着飾っていてきれいな子が多かったし素晴らしいパフォーマーもたくさんいた。何もない場所に突然現れる洗練されたデザインの各種ステージと凝りに凝ったデザインのBARやワークショップエリアのデコレーション、各ブースでは派手に着飾った男女が思い思いにすごしている。巨大なオブジェやインスタレーションアートも素晴らしい作品が多くて充実していた。夕刻には毎日低空でセスナが飛びまわり、ドローンもそこらじゅうで飛びまくっている。設備やゲストアーティストに関しては金に糸目をつけていないが、フェスの中で過ごすという意味ではまったくお客さんのことは考えていないってのもタイらしくてまさに貴族のお遊び。思っていたよりぜんぜん人が少ないなと思っていたら、大規模フェスだってのに会場周辺の数キロ圏しか案内の看板も出していないしネットにも会場の情報がサイアムカントリークラブって案内しか出ていないらしい。これは税金対策で興行として利益を出す必要がないからだってな話を聞いたけど、あながち間違いではないように見えた。政府に許可を取っていないイリーガルなフェスだって噂まである。これはさすがに嘘っぽいが、普通に予算は云々とかまともなことを言っていたらあんな大規模な遊びは実現できないだろうし、もしこれが本当に個人的な遊びなんだとしたら、お客さんの事よりも先ずは自分の理想的なフェスを実現することを第一に考えるもんだろう。

結局一番の問題だったのは不十分な状態でフェスにひとりで参加しているっていう己の状態だった(笑) 暇やけど居心地は悪いし喉は乾くし始終落ち着かないしで精神的にキッツい感じになった。せっかくのお祭りなので誰かと一緒に参加して一緒に楽しむ方がぜったい良い。彼女とでも遊びにくればファンタジーな感じで絶対に盛り上がれるだろう。ひとりで過酷な現場っていうネガティブな心境じゃ楽しめるわけがない。次はコンディションを整えてめっちゃ楽しんでやるつもりだ。

ひとつだけありえないと思ったのは、水を完全に管理されていること。ゲートの持ち物検査が厳しくて水は全部入り口で没収されて、中でけっこうな値段のワンダーフルーツ印の水を買うことになる。俺は一応出演したマーケットから出してもらえたが、それでも十分な量の水がなかったので水の事を考えている時間がけっこうあった。酒が高いのは仕方ないと思えるけど、暑い国なので水をコントロールするのは危ないしあかん。最低限そこは考えるべきだろう。

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最終日の演奏中に急に思い出してメロディーを弾いたnujabesの曲。誰が歌ってるんだっけ?と思って帰りに調べたら『四季の歌』だった。改めて聞くと後ろの音が何から何まで違ったけど。ともあれ、好きなメロディーを弾くのは楽しい。お店でチルアウトセットをやるときの為にいろいろ思い出して取り込んでみようと思っている。

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なんだかんだあったけど素晴らしいアーティストを見られて勉強になったし、参加できて良かった。新しい目標もできたし、これを機にまだ進化できるだろう。

 

相手に伝わらなくてもいいんだと思って純粋さをつらぬけば、

逆にその純粋さは伝わるんだよ

岡本太郎

 

本日は以上。

今週末は3日で4本

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17日は2本立て。それも同日にパタヤバンコクでのライブってのはちょっと無茶な動きなんだけど、フェスへの参加が急に決まったので無理してでも動くことにした。明日はビザ延長の手続きで早朝からイミグレにも行かなくてはいけないので週末まで移動しっぱなしである。機材運びつつのひとり移動なので体力持つのかなって感じだが、とりあえずやってみるしかない。

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Wonderfruit Festival

同じステージにはタイの友人、World Music Dub バンド YAAN(ヤーン)と ハンドパンユニット HONON、そして日本から MAIKA LOUBTE という女性アーティストが出演する。しばらく日本の音楽をチェックしていないので定かではないが、映像とHPを見る限りこの子はメジャーアーティストだろう。ハーフで見目麗しく歌も上手いし英語もいけるようだし華がある。シンガー/トラックメイカーでバッファロードーターのメンバーともユニットをやっているらしい。日本でもCDが売れなくなっているようだし、若いアーティストは世界に打って出る動きが増えてくるんだろう。タイだけじゃなくて周辺国も含めてまだまだライブシーンは伸びていく。そろそろ終わりの見え始めた俺にはあんまり関係ないけど、日本の若いアーティスト達はこれからが楽しみだろうな。

 

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Maika Loubté OFFICIAL WEB

 

17日から3日間毎日弾かせてもらうので、すべてのセットを違うアプローチで演奏する予定だ。やる曲が決まってないって無謀なスタイルは下手すりゃ俺だけだろうけど、たくさん人も来るだろうし、今後出演するステージを取る為にもリラックスしつつ気持ち良い演奏をしてみたいもんだ。さてさてどうなる…!? 結果は来週。

バンコクのライブスポット①

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今夜は真夜中にインダストリアルなセッション。会場はThe OVERSTAYという昨年末に色々な意味で話題になったゲストハウスの1階のライブスペース。2年ほど前にチャイナタウンの古い映画館で開催されたパーティーに出演して以来付き合いが始まった小屋。バンコクアンダーグラウンドシーンの中でも特殊な連中で俺は結構好きでたまに素でイベントに遊びに行ったりもする。ビル全体がグラフティーだらけで猫や犬もいてヒッピーやバックパッカーが山盛り滞在していて雑然とした運動部の寮みたいで基本汚いので一般的な女性や真面目な方にはまったくお勧めできないという素晴らしいゲストハウスだ(笑) 出演している連中の音楽のジャンルは様々。バンドでもDJでもある程度の腕があって細かいことを気にしない奴ならば店と交渉すれば出演可能。お客さんには様々な人種がいるし良い経験になる。スタッフは親切でフレンドリーだし危険なことは何もないが、盛り上がりすぎるとたまに警察が来るので野生の勘で切り抜けましょう。場所はピンクラオというかなりローカルなエリアにあってタクシーで行くことになるがとてもわかりにくいのでドライバーに住所や地図を見せた方が早い。

www.theoverstay.com

地図

https://www.google.co.th/maps/place/The+Overstay/@13.775483,100.484304,15z/data=!4m5!3m4!1s0x0:0x99e884e86d5ea871!8m2!3d13.775483!4d100.484304

 

バンコクはオリジナルを演奏できる場所が本当に少なくてコピーやカバーじゃないと出演できない店がほとんど。少しずつ増えていっているが一進一退って感じで増えたり減ったりしている。

 

次の金曜日に出演するJAM CAFEはサトーンという地域のめっちゃローカルな路地にある。ここも初めていく時はとてもわかりにくい。

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Jam Cafe Bangkok – Underground Music Venue, Emerging Arts Space

JAMもオールジャンルでDJもバンドも出演できるがステージはかなり小さい。小さいのに大きなスピーカーを導入しているところにオーナーのディヤンの心意気とオタクっぷりを感じる。色々な国から来たマニアックなミュージシャンが出演していて、ここで初めて出会った友人も多い。Galleryスペースもある。

 

結局は来て演ってみないとわからないとは思うけど、タイで演奏する手掛かりにはなると思うのでライブスポットをぼちぼち紹介していくつもりだ。